1.セフゾン(成分名:セフジニル)について

1)効能・効果

「セフェム系抗生物質」というタイプに分類される抗生物質で、病気の原因となる細菌の細胞壁の合成を阻害することによって抗菌作用を示します。一般的には、呼吸器感染症、皮膚感染症、耳鼻科感染症、尿路感染症など広い範囲の感染症に対して幅広く効果を発揮します。

2)飲み方

お薬のタイプには、カプセル(50mg、100mg)と、小児用の細粒があります。
飲む量は下記のとおりです。通常は、1日3回服用するお薬になります。
年齢や症状に応じて調整されます。
《カプセル》
成人:1回100mg(成分量)
《細粒》
小児:1日9〜18mg(成分量) 体重1kgあたり

3)副作用

主なセフゾンの副作用として、下痢などの胃腸症状、腹痛、発疹などがでることがあります。特に、多いのは、下痢症状になります。下痢の症状を起こしやすい場合は、ビオフェルミンなどの整腸剤が合わせて処方されることもあります。ひどい下痢が続く場合には、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。

服用後は、いつもと違う気になる症状がでていないか様子をみるようにしましょう。又、稀に、ショック、アナフィラキシー症状などの重篤なアレルギー反応や副作用が出る可能性があります。もし、そのような症状の変化がある場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。

同じ系統であるセフェム系の抗生物質でアレルギー症状を起こしたことがある場合には、特に注意が必要で、必ず医師や薬剤師に申し出るようにしましょう。セフェム系の抗生物質の一覧を下部に記載しますので、ご参考下さい。

セフゾンと同じセフェム系の抗生物質一覧

セフェム系の抗生物質の代表例を記載します。
●フロモックス[成分名:セフカペンピボキシル塩酸塩]
●ケフラール[成分名:セファクロル]
●メイアクト[成分名:セフジトレンピボキシル]
●バナン[成分名:セフポドキシム プロキセチル]
●パンスポリン[成分名:セフォチアム ヘキセチル塩酸塩]

2.セフゾンと注意すべきお薬・食べ物の飲み合わせ

セフゾンと他のお薬との飲み合わせ

鉄剤(貧血のお薬など)

鉄剤と同時に服用すると、セフゾンの吸収を約10分の1まで阻害してしまい、効果が弱まります。十分に感染症の治療ができないだけでなく、耐性菌を作ってしまう可能性があります。やむを得ず服用する場合は、3時間以上間隔をあけるようにしましょう。

制酸剤(水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなど)

セフゾンの吸収が低下し、効果が弱まる可能性があります。2時間以上間隔をあけるようにしましょう。また、これらの成分は、市販の頭痛薬や風邪薬の成分として含まれていることが多くあります。購入時には、箱などに記載されているお薬の成分を確認するようにしましょう。

抗血栓薬(ワーファリン)

セフゾンと服用することで、ワーファリンの作用を強め、副作用のリスクが高まります。脳血栓や心筋梗塞などの予防でワーファリンを服用している場合は、必ず医師に相談しましょう。

セフゾンと牛乳との飲み合わせは?

テトラサイクリン系とニューキノロン系とよばれる抗生物質では、牛乳との飲み合わせが悪いとされています。セフゾンについては問題ありませんが、粉ミルク、経腸栄養剤など鉄添加製品との併用により、便の色に赤みがかかる可能性もあります。これらは薬が影響している色なので、心配はいりません。又、鉄添加粉ミルク摂取直後にセフゾンを服用しても、吸収にほとんど影響がみられなかったという報告もありますので、飲み合わせについては心配せずにお飲みください。

又、セフゾン服用中に尿が赤色になることがありますが、こちらもお薬が影響している色なので、心配はありません。

お酒・アルコールは?

一般的に、お酒・アルコールの摂取は、お薬の代謝に影響し、薬の作用が正しく現れなかったり、副作用が強まる場合があります。また、酔いが強くまわり、危険な状態になる可能性もあります。お薬の服用中は、お酒・アルコールは控えるようにしましょう。

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3.セフゾン細粒小児用の色・味と飲み合わせの工夫

セフゾン細粒小児用の特徴
色:ピンク色  味:イチゴ味

セフゾン細粒は、他の抗生剤と比べると、比較的甘く、飲みやすくなっています。何かと混ぜなくても、そのままでも十分飲める味です。又、子どもが薬を嫌がる場合にジュースやアイスなどと混ぜるにしても、比較的、何と混ぜても相性が良いのが特徴です。

小さな子どもに対する粉薬の飲ませ方についてはこちらをご参考下さい

4.セフゾン細粒小児用のジェネリック医薬品の色・味

子どもにお薬を飲んでもらう上で、心配なのが味です。ジェネリック医薬品は、「成分同じでも、味が違うの?」と質問されることもあるため、ここで参考としてご紹介します。

セフゾン細粒小児用10%のジェネリック医薬品では
・セフジニル細粒小児用10%「サワイ」
・セフジニル細粒10%小児用「日医工」
・セフジニル細粒小児用10%「MED」
・セフニール細粒小児用10%「ファイザー」
・セフジニル細粒小児用10%「タイヨー」
・セフジニル細粒10%小児用「マイラン」
などがあります。

味や色についても基本的には、先発品であるセフゾンと同じピンク色で、イチゴ味に統一されているようです。念のため、お薬を受け取る際に、薬剤師の方に確認しましょう。又、成分は同じですので、飲み合わせについては、今回の記事を参考に、セフゾンと同じようにお考え下さい。

ジェネリック医薬品とは?

先発品(新薬)の特許がきれたあと、他のメーカーが先発品(新薬)と同じ有効成分で効能・効果が原則同じで販売できます。開発コストを抑えて発売するため、先発品(新薬)より安くなります。

5.おわりに

セフゾンは、大人にも子供にも処方され、薬局で良くでる抗生物質のひとつです。抗生物質は、途中でのみ忘れたり、途中で飲むのをやめたりするとしっかり効果が得られないことや、お薬に耐性を持った菌ができてしまうことがあります。セフゾンなどの抗生物質は、症状が良くなったとしても、処方された日数分、しっかりとのみきるようにしましょう。

今回、説明したとおり、セフゾンについては飲み合わせに注意が必要なものもありますので、参考にしていただき、薬の効果を最大限に発揮し、少しでも早く症状が改善されることを願っております。