膀胱炎に使われる薬とは?

膀胱炎の治療はその原因となっている細菌を膀胱内から除去することを目的として行われます。ですから、抗生物質を使用して原因となっている細菌を倒すという治療が主なものとなります。

膀胱炎治療に使用される主な抗菌剤

本来、抗菌剤による治療は、原因となる細菌の種類を確定した後、最も効果的な薬剤を選択して行われるべきです。

ですが、原因菌はすぐに調べることができないため、一般の診療においては、細菌の種類を調べる検査の結果を待たずに、症状等から予想される原因菌の多くに効果を発揮する抗菌剤の投与を開始します。

現在、日本で推奨され、実際に広く使用されている抗生物質は、以下の3種類です。
・ニューキノロン系抗菌薬
・(BLI配合)ペニシリン系抗生物質
・セフェム系抗生物質

いずれも、膀胱炎の原因になる細菌の多くをカバーできる薬剤です。

抗生物質の飲み方

これらの薬剤を3〜7日服用し、感染している細菌を完全に倒すのが大切です。
中途半端に抗菌剤を使用した場合、生き残った細菌がその抗菌剤に対する耐性を持ってしまう場合があります。
ですので、抗菌剤を服用する際は、医師の指示に従って決められた期間きちんと飲むようにしてください。

抗生物質の種類

ニューキノロン系抗菌剤

体内への吸収がよく、多くの種類の細菌に効果を発揮するのが特長です。
膀胱炎の治療においても、多くの場合で最初に使用される薬(第一選択薬)とされています。

ただし、閉経後の女性についてはキノロン系薬剤に耐性を持った大腸菌が原因菌であることが多く、別の薬剤が使用されることがあります。
また、妊娠中の場合は使用を避けますし、他の薬との飲み合わせが考慮されることもあります。

代表的な薬剤

・クラビット(成分名:レボフロキサシン)
・シプロキサン(成分名:シプロフロキサシン)
・オゼックス(成分名:トスフロキサシン)

(BLI配合)ペニシリン系抗生物質

BLIとは「βラクタマーゼ阻害剤」の略です。
一部の細菌はペニシリン系抗生物質を分解する酵素を持っています。
そのような細菌に対してペニシリン系抗生物質を使用しても効果がありません。
ですが、βラクタマーゼの働きを抑えることができればペニシリン系抗生物質は効果を発揮することができます。それが(BLI配合)ペニシリン系抗生物質です。

キノロン系に耐性を持つ大腸菌に対しても効果を発揮するので、閉経後の女性の膀胱炎に対して第一選択薬として使用されることが多いです。

代表的な薬剤

・オーグメンチン(成分名:クラブラン酸カリウム/アモキシシリン)

セフェム系抗生物質

吸収の面では劣りますが、ニューキノロン系抗菌剤と同様に多くの種類の細菌に効果を発揮する抗生物質です。

これもキノロン系に耐性を持つ大腸菌に対しても効果を発揮するので、閉経後の女性や妊娠中の女性の膀胱炎に対して第一選択薬として使用されることが多いです。

代表的な薬剤

・ケフラール(成分名:セファクロル)
・セフゾン(成分名:セフジニル)
・フロモックス(成分名:セフカペン ピボキシル)
・バナン(成分名:セフポドキシム プロキセチル)

膀胱炎治療に使用される漢方薬

膀胱炎の治療に漢方薬が使用されることもあります。

急性膀胱炎では治療の補助として抗生物質と併用することもあります。
また、何度も膀胱炎を繰り返す慢性膀胱炎の場合、漢方薬が効果を発揮する場合も多いです。
漢方薬はその時の症状を緩和するだけでなく、体質を改善することで、体を膀胱炎になりにくい状態に持っていくことを目的として使用されます。

その人の体質によって様々なものが使用されますが、膀胱炎の方に使用されることが多いのは以下の薬剤です。
・猪苓湯
・五淋散
・清心蓮子飲
・竜胆瀉肝湯

頻尿、排尿痛、残尿感等の膀胱炎の症状を緩和するために膀胱や尿道の炎症を改善したり、尿の排泄を促す生薬が配合されている漢方薬です。
症状や体質によってこれらの漢方薬が使い分けられます。
ですが、抗菌作用を持っているわけではないですし、抗炎症作用も補助的なものなので、すべての膀胱炎が漢方薬だけで治療できるわけではないため、自己判断で市販の薬を使用する場合は注意が必要です。

生活面での注意点

膀胱炎のときは積極的に水分補給を行い、排尿を行うことが大切です。

排尿を促すことにより、膀胱内で繁殖している悪い細菌を積極的に外に出してしまおうというわけです。また、できるだけ腰・下腹部を冷やさないことも大切です。
膀胱の冷えを取ることで膀胱の正常な機能を改善させることが大切です。

最後に食事についてですが、刺激物を避けるようにしてください。
お酒やタバコ、香辛料、カフェイン等の刺激物は膀胱の炎症を悪化させてしまうことがあるので要注意です。

まとめ

膀胱炎の種類には様々なものがありますが、今回は膀胱炎の中でも最も多い、細菌感染による急性膀胱炎を中心に、その治療方法をまとめてみました。

普段からの生活習慣で予防できるところもありますが、それでもなってしまった場合は、しっかりと治療することが大切です。

膀胱炎になっても何割かは自身の免疫等で自然治癒する場合もありますが、しっかり治療を行わないと細菌感染がさらに進み、腎盂腎炎を起こしてしまうこともあります。
気になる場合は我慢せず、泌尿器科等で相談してみてくださいね。