登場人物

★ゆきさん
雪原 匠(ゆきはら たくみ) 49歳 男性
ゆきさん薬局の薬剤師
優しくて、おだやかな性格

★山本 雄太
山本 雄太(やまもと ゆうた) 48歳
毎年スギ花粉で悩んでいる
緑内障の目薬で第13話にも登場

花粉症の初期療法をご存知ですか?

いつも緑内障の目薬をもらいに来る山本さん、先日来たばかりなのにまた来局されました。

ゆきさん
「あれ、この間来たばかりなのに、今日はどうされたんですか?」

山本さん
「何だか鼻とのどがむずむずするので、耳鼻科に行ってきました。まだ花粉の季節には、早いはずなんだけど」と「ザイザル」と書かれた処方箋を手渡しました。

ゆきさん
「花粉症の経験のある方は、花粉に過敏になっていて、微量の花粉でも反応する人がいます。そのような人は、まだ花粉の本格飛散が始まっていなくても、微量の花粉でアレルギー症状を起こすんです」

山本さん
「風邪かと思っていたけど、先生も『アレルギーですね』と言っていたよ」

ゆきさん
「病院では鼻汁による検査で、アレルギーか風邪かはわかるんです。今回の山本さんは、薬から判断しても花粉症の様ですね」
山本さん
「そうなんだ。でもまだひどくないから、症状が出た時だけ飲めば良いのでしょ」

ゆきさん
「山本さん、初期療法てご存知ですか?」

山本さん
「いや、聞いたことがないなあ」

ゆきさん
「花粉の本格飛散前、初期症状が出る前、あるいは軽い症状が始まったと同時にアレルギー薬を飲み始めると、ピーク時の症状が楽になります。これを初期療法と言うんですよ」

山本さん
「じゃあ、今から飲んでおいた方が良いのですか?」

ゆきさん
「そういうことです。症状が出ていないときは忘れているけど、アレルギー症状が出てきたらつらいでしょ。だから今から飲んでおいた方が、絶対楽ですよ」

山本さん
「ゆきさんがそう言うなら、今から飲んでみます」

ゆきさん
「毎年花粉の飛散予測が出ていますが、花粉に敏感な人は、量に関係なく症状が出ます。山本さん、今から飲んでみて、去年と比べてみてください」

花粉症。目の痒みにも予防を

ゆきさん
「山本さんは、花粉症で目に症状は現れる方ですか?」

山本さん
「目も大変なんです。シーズン中は痒くて痒くて、目ん玉取り出したいくらいです」

ゆきさん
「気持ちわかるなあ。でも、目の痒みにも、予防法があるんですよ」

山本さん
「えー、そうなんですか?」

ゆきさん
「飲み薬は本格飛散前に飲んでおくことをお薦めしましたが、目の痒みも、痒くなる前に目薬をさすんです」

山本さん
「今から点眼するということですか?」

ゆきさん
「いや、今からではなくて、花粉シーズンになって、花粉が飛んでいるなと分ったら、外出する前に朝から予め点眼をするのです」

山本さん
「あ、なるほど。今からではなく、シーズンになってからね」

ゆきさん
「そうなんです。点眼で花粉を防御するイメージですね。とはいえ、今から話していたら、少し早すぎたかな」

山本さん
「目が痒くなり始めたら止まらないから聞いておいて良かったです。どこへ行っても、『マスクをすると良い』『メガネをすると楽だ』とか、『花粉を部屋に持ち込まないようにしましょう』『掃除をまめにしましょう』等当たり前のことばかり言われるから、今日の話は目からうろこだよ」

保湿剤を上手に利用しよう!

ゆきさん
「それじゃあ、最後にもう一つ、皆さんがあまり言われないこと、聞かないことをお話ししますね」

山本さん
「そういう話がうれしいんだよね。なになに?」

ゆきさん
「アレルギー症状で鼻水が出たり、涙が出たりして、皆さんそれをティッシュやハンカチで拭くでしょ。あれが、より症状をつらくしてるんです」

山本さん
「つらくすると言われても、出てくるものは拭くしか仕方がないじゃない」

ゆきさん
「もちろん拭かないといけないのだけど、拭くと皮膚の油分がとれて、肌が負けるわけです。だから拭くような状況になる前に、保湿剤で油分を補っておくんです」

山本さん
「なるほど、鼻水や涙が出る前に保湿剤を塗っておけば良いんだ」

ゆきさん
「その通り!外出する前、朝から保湿剤を塗っておくととても楽です」

山本さん
「なるほどね」

ゆきさん
「肌が負けるのを防ぐだけではありません。鼻水や涙をはじいてくれるから、拭くのも簡単になります。しかも、花粉まで取れやすくなります。外出して簡単に顔を洗えば、花粉も簡単に流せます」

山本さん
「それは、すごい。聞けば『そりゃそうだ』と思うけど、なかなか思いつかなかったなあ」

ゆきさん、自慢げに話を続けました。
「さっき、朝から目薬を差せておくと楽だと話したじゃないですか。それも保湿剤を塗ってから目薬を差すと、油分がとれなくて楽なんですよ」

山本さん
「うーん、そうか。朝、まず目に入らないように目の周りを含む顔全体に保湿剤を塗って、点眼をする。少し目の痒みを感じたら、パシャッと顔を洗って、保湿剤を塗り、また点眼をすれば良いのね」
ゆきさん
「それが、良いですよ」

山本さん
「本当に良い話を聞いたよ。今日の飲み会でみんなにも話してやろう。花粉症の友達が多いからね。」

ゆきさん
「飲み会に行くんですか。ビールは控えた方が良いですよ。体を冷やすとアレルギーが起きやすいですから」

山本さん
「じゃあ、何を飲むと良いの?」

ゆきさん
「体を温める熱燗、焼酎のお湯割りとかが良いですね」

山本さん
「本当かい!それも試してみるよ」と言いながら帰りかけました。

「山本さん、まだ薬をお渡していませんよ。準備するから少し待っててください。せっかちなんだから!」とうれしそうに声をかけるゆきさんでした。

※ゆきさん薬局の物語に登場する人物は、フィクションです
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