一部の抗生物質は牛乳と飲んではいけない

一部の抗生物質は、牛乳と一緒に飲んでしまうと、牛乳の成分に含まれるカルシウムと薬の成分が結合し、体に吸収されにくいキレートとよばれる構造を作ってしまいます。

キレートが作られると、薬の吸収が低下し、効果が弱まります。
せっかく指示どおりに飲んだ抗生物質も十分に作用せず、意味がなくなってしまうかもしれません。

効果が十分に得られないと、症状が良くならないことに加え、薬に対して抵抗力を持ってしまい、お薬が効きにくくなった菌(耐性菌)が増殖してしまう可能性があります。

どんな抗生物質が牛乳とダメなの?

主に、抗生物質の中でも、呼吸器感染症、クラミジア症、ニキビ金の殺菌などに対して処方されることが多いテトラサイクリン系抗生物質、膀胱炎、呼吸器感染症、耳鼻科領域などで処方されることが多いニューキノロン系抗生物質とよばれるお薬が該当します。これらの抗生物質を服用する際には、牛乳との飲み合わせに特に注意しましょう。

牛乳と飲み合わせが悪い抗生物質の代表例

全ての抗生物質ではなく、一部の抗生物質が該当します。詳しくは、お薬を受け取る際に薬剤師に確認するようにしましょう。

テトラサイクリン系抗生物質

ミノマイシン(成分:ミノサイクリン)
ビブラマイシン(成分:ドキシサイクリン)
アクロマイシン(成分:テトラサイクリン)など

ニューキノロン系抗生物質

クラビット(成分:レボフロキサシン)
タリビット(成分:オフロキサシン)
オゼックス(成分:トスフロキサシン)
グレースピット(成分:シタフロキサシン)
ジェニナック(成分:ガレノキサシン)など
 
抗生物質以外のお薬でも、牛乳との飲み合わせが良くないものもあります。
例えば、角化症治療薬であるチガゾン(エトレチナート)や抗真菌剤であるグリセチンⅤ(グリセオフルビン)などは、牛乳との飲み合わせにより、お薬の吸収を増やしてしまい、作用を強めてしまうため注意が必要となります。

※名称が違っても、同じ成分を含むジェネリック医薬品の場合もありますので、しっかりと確認するようにしましょう。

牛乳以外は大丈夫?

実は、牛乳以外でも、カルシウムを多く含む乳製品はもちろんのこと、カルシウム以外でも金属(カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、鉄など)を含む、貧血の治療薬、風邪薬や胃腸薬に含まれる制酸剤やサプリメントなども飲み合わせはNGです。

牛乳と同様、抗生物質の成分と金属がキレートを形成し、吸収を悪くし、効果を下げてしまうためです。

制酸剤等は市販薬で購入できるものにも含まれていることが多く、抗生物質服用中は購入時に注意が必要です。何かサプリメントや金属を含むようなものなど他に飲まれている場合は、医師や薬剤師に必ず伝えるようにしましょう。

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牛乳は時間をどの程度あければ飲んで良いの?

胃の中で、牛乳と抗生物質が一緒にならなければ良いので、牛乳を飲みたい場合は2時間以上間をあけるようにしましょう。

問題なければ、牛乳と一緒にお薬を飲んで良い?

基本的には、お薬は、お水若しくは白湯で飲むようにしましょう。

それ以外でお薬を服用することは元々想定されておらず、服用した場合に、お薬の効き目に影響が出てしまう可能性が少なからずあるからです。
ただ、牛乳に含まれている成分が胃を保護するという役割を持っており、お薬によっては、胃の負担を減らすために牛乳を勧められることもありますので、その際は医師や薬剤師の指示に従うようにしましょう。

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おわりに

抗生物質は、指示どおり服用し、効果を最大限に出すことで、体内の菌を除菌します。自己判断でお薬の服用を止めずに、処方された日数分、しっかりと飲みきる必要もあります。

急いでいるときは、ついつい目の前の飲み物でお薬を飲んでしまいがちですが、お薬によっては、飲み物と相性が悪いものがあり、効果を強めてしまったり、弱めてしまったりするものがあります。薬の効果を適切に発揮させるためにも、基本的には、お水やぬるま湯で飲むように心がけましょう。