1.4次感染も起こりる?感染経路について

「4次感染」とは、ウイルスや細菌などの病原体による感染症が別のヒトに広がり、そのヒトから別のヒト…さらにまた別のヒトと連鎖的に3人に感染が拡がっていくことを指します。
このような4次感染が起こるということは、病原体が他者への感染を経ても感染力が失われないことを意味します。なかには感染を重ねるたびに感染力や人体へ与える悪影響が増していくことも…。非常に注意しなければならない感染症と言えるのです。
では、病原体の感染経路にはどのようなものがあるのでしょうか?ここでは、流行真っただ中のインフルエンザを例に挙げて詳しく解説します。
インフルエンザは毎年秋の終わりころから春の初めにかけて全国的に大流行する感染症の一種。病原体は「インフルエンザウイルス」です。ウイルスには種類は非常に多く、麻疹ウイルス(はしか)のように一度感染すると体内で免疫が作られ、その後は一生感染しないものもあります。しかし、インフルエンザウイルスは毎年少しずつウイルスの性質が変化するため、前シーズンに感染したとしても次の年に再び感染することは少なくありません。

1-1. 飛沫感染

そんなインフルエンザの感染経路の一つが「飛沫感染」です。
飛沫感染は、感染者の咳やくしゃみと共に排出された「しぶき(飛沫)」を周囲の人が鼻や口から吸いこんでしまうことによって引き起こされます。しぶきは唾液や鼻水、痰などから出来た細かい水分ですが、感染者のしぶきには多くのインフルエンザウイルスが含まれています。そのため、それを吸い込んでしまうと体内にウイルスを取り込んでしまうことに…感染が成立してしまうのです。
また、咳やくしゃみのしぶきは思いのほか遠くまで飛んでいくことが分かっています。特にくしゃみのしぶきは半径2mの範囲に渡って飛び散るとの報告もあり、感染者のすぐ近くにいなくても感染してしまう可能性は十分にあるのです。

1-2. 接触感染

接触感染は、病原体が付着したものに触れ、その手で鼻や口を触ることで病原体を体内に取り込んでしまう感染経路のことです。
インフルエンザウイルスも接触感染を引き起こすことがあります。感染者の体内から排出されてドアノブや電気スイッチなどに付着したウイルスは条件さえ揃えば24時間程度感染力を維持したまま生き続けるとのこと。流行時期には様々な機会でウイルスに触れてしまっていることがあるのです。

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新型コロナウイルスの感染経路について分かっていること


現在、世界中を震撼させている新型コロナウイルス感染症。毎日のように世界での感染者・死者数は増加を続けており、WHOも緊急事態宣言を発動しています。
日本国内でも中国への渡航歴がない方、中国からの帰国者と接点のない方も多く発症しており、4次感染も起こっているのではないかと考えられています。
しかしながら、新型コロナウイルスに関してはまだまだ解明されていない部分も多く、感染経路も特定されていません。しかし、現在のところ、ウイルスの特徴や感染拡大の仕方などから「飛沫感染」と「接触感染」が濃厚と考えられています。
感染者から排出された病原体が空気中を漂い、それを同じ空間にいる方が吸い込むことで感染が拡がっていく「空気感染」を起こす可能性は低いとされるのが現状です。

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2.かつて脅威になったSARS(重症急性呼吸器症候群)とは?

中国では今回の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)以外にも、2003年に「SARS(重症呼吸器症候群)」と呼ばれる新しい感染症が発生しています。
今回の新型コロナウイルス感染症との相違点について詳しく見てみましょう。

2-1. SARSの流行について

SARSは2003年、中国広東省で発生した新たな感染症の一つです。現れる症状は今回と同じく肺炎などの重度な呼吸器症状、そして病原体は「コロナウイルス」。共通点が多いように思えます。
SARSが流行した当時は、今回と同じく世界中が震撼して様々な対策が講じられました。その甲斐あって、日本に原因ウイルスは持ち込まれませんでした。しかし、世界での感染者は8098名。その内、774名が命と落としたとのこと。致死率が高いため今でも恐れられている感染症です。
なお、今回の新型コロナウイルス感染症の感染者・死者はすでにSARSを上回っています。日本国内でも現時点(令和2年2月24日)で156名の感染が報告されており、2名が死亡。発祥地の中国では約7万5000名が感染し、死者は2000人以上に及んでいます。

2-2. どのように感染が終息していったのか?

世界中を恐怖に陥れたSARSですが、2003年7月、台湾での感染者を最後にWHOは終息宣言を発表しています。それ以降、SARSの発症者がいるとの報告はありません。


その背景には、各国の懸命な感染者の封じ込めや感染予防への対策が講じられたことが考えられます。特にSARSは病院内で感染が拡がるケースが多かったため、感染者が複数名に上った病院は封鎖措置が取られるなど万全の体制が整えられました。
また、SARSが流行したのは冬場。春になると患者が減ったことから、SARSを引き起こす病原体にはインフルエンザのような季節性があったのではないか…との推測もあります。しかし、幸いにも短期間で終息したためSARSに関する詳しい解明は困難であるのが現状です。

3.感染拡大を防ぐための予防策

SARSは短期間で終息宣言が出されましたが、今のところ今回の新型コロナウイルス感染症は終息する気配はありません。
そのため、感染を防ぎ、万が一自身が感染していたときには周囲に拡げないよう予防対策を行うことが大切です。具体的には、次のような対策を徹底しましょう。

3-1. 手洗い

感染対策の基本は手洗いです。感染症が流行している時期は、学校や職場、交通機関、お店…様々な場所でウイルスが付着しているものに触れる可能性があります。
社会生活を送る以上、ウイルスを完全にシャットアウトすることは困難。大切なのは、手に付着したウイルスを体内に取り込まないことです。そのためには、帰宅時だけでなく外出先でもこまめに手洗いをするようにしましょう。

3-2. アルコール消毒

手洗いにプラスしてアルコール消毒も行えば、「ウイルスを体内に取り入れない」という対策効果はさらに高まります。
コロナウイルスはアルコールが非常によく効きますので、手洗い後などにはアルコールで手指を消毒しましょう。なお、ノロウイルスなど一種の病原体はアルコールが効かず、次亜塩素酸(ハイターなど)が必要になります。特定の感染症を予防した時は消毒薬の種類にも注意が必要です。

3-3. マスク

飛沫感染は手洗いやアルコール消毒で予防することはできません。最も効果的な予防対策はマスクの着用です。飛沫感染の原因となる病原体入りのしぶきはサイズが大きく、市販のマスクの繊維を通り抜けることはないため、体内への侵入を予防できると考えられています。
しかし、今回の新型コロナウイルス感染症に関連して世界中でマスクが品薄となっている現状に対しWHOは、マスクを着用したとしても屋外での予防効果は薄いとの見解を発表しています。もちろん、感染のリスクを減らすことはできますが、マスクを過信せず他の感染対策も徹底しましょう。

3-4. その他できること

全ての感染症への対策として共通することですが、感染症を予防するには身体の免疫力や抵抗力を維持することが大切です。そのためには、睡眠時間をしっかり確保して規則正しい生活を送り、疲れを溜めないようにしましょう。
また、感染症が流行っている時期はできるだけ不要な外出を避けることも予防対策の一つです。

[医療機関]処方箋ネット受付を利用して、薬局での感染を未然に防ぐ

人の多い所には行きたくないけど、どうしても病院・薬局に行かなくては…ということもありますよね。 そのような時には、処方箋ネット受付をご活用ください。

事前に処方箋を送っておけば、薬局での待ち時間を短くすることができます。

二次感染は未然に防ぐことができます。全国15,000の薬局で利用できるため、この機会にご活用ください。

4.重篤化するリスクが高く不安になっている方・ご家族へ

厚生労働省が発表した見解によれば、新型コロナウイルス感染症は次のような方がかかると重篤化するリスクが高いとのことです。
・高齢者
・喘息などの呼吸器疾患がある方
・糖尿病など免疫力が低下しがちになる疾患のある方
・ステロイドや免疫抑制剤など免疫力が下がる薬を使用中の方
上記に当てはまる方やご家族の方は万が一感染してしまったら…と不安に思うことでしょう。しかし、新型コロナウイルス感染症はそこまで致死率が高いわけではありません。また、飛沫感染・接触感染の対策を徹底することで感染のリスクを大幅に低減することができます。不安に思う気持ちは当然ですが、過度に怯えることなく冷静に感染予防策を実行していきましょう。

5.まとめ

世界中を震撼させている新型コロナウイルス。すでに4次感染を引き起こした事例も報告されており、今のところ感染拡大が止む気配はありません。
しかし、新型コロナウイルスは飛沫感染と接触感染を徹底すれば、感染するリスクは低くなります。特に重症化しやすい条件に当てはまる方は感染対策を確実に行うよう心がけましょう。近い内に、かつてのSARSのように終息していくことを祈ります。