1.ケナログの成分と効果

ケナログの主成分は、トリアムシノロンアセトニド(1.0mg/1g中)になります。この成分は副腎皮質ステロイドであり、口の中の炎症を抑え、口内炎の痛みなどを改善します。

つまり、簡単に言うとケナログに含まれるトリアムシノロンアセトニドという成分が、口の中でなんらかの炎症がおこってしまっている状態をお薬によって抑えてくれている状態です。

ステロイドが成分というと不安になる方も多いですが、比較的弱いステロイドであり、口の中に塗っても問題ないように口腔用軟膏として作られています。

口の中の粘膜にしっかりと付着し、患部を保護します。万が一飲み込んだとしても心配はいりません。

2.ケナログとケナログAの違い(現在は販売されておりません)

ケナログには、ケナログ口腔用軟膏とケナログA口腔用軟膏の2種類があるのですが、実はこの2つのお薬の成分は同じで、違いはありません。

病院で処方されるお薬がケナログで、薬局・ドラッグストアで購入できるのがケナログAになります。ケナログAは、第2類医薬品なので、薬剤師または登録販売者がいる店舗、またはインターネットで購入することができます。

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手軽にドラッグストアなどで購入が出来るケナログですが、次に該当する方は症状が悪化する可能性があります。あてはまった場合は自己判断で使用せず、医師や薬剤師に必ず相談してください。


・口の中に感染を伴っている方(歯槽膿漏、歯肉炎など)
・口の中に米粒大〜小豆大の小水疱が多発している方や口の中以外の口唇、皮膚にも水疱、発疹がある方(ウイルス感染症が疑われる)
・発熱、食欲不振、全身がだるい、リンパ節の腫れなどの全身症状がある方(ウイルス感染症が疑われる)
・白いできものが口の中に広がっている方(ガンジダ感染症が疑われる)
・患部に黄色い膿がある方(細菌感染症が疑われる)
・ケナログを使用しても、症状が変わらない、悪化している場合


特に、5日間塗布しても症状が変わらない、1−2日間しても症状が悪化している場合はすぐに医療機関を受診しましょう。

3.ケナログの塗り方ワンポイントアドバイス

ケナログは、塗った後、飲食を控えた方が成分の浸透が良いので、食後につけるようにします。まずは、歯みがき、うがいなどで口の中を清潔にし、ティッシュ等で口の中の水分を軽くとります。

指先、もしくは綿棒等でケナログをとり、患部を覆うように塗ります。1日数回ですので、毎食後や寝る前に塗るとよいでしょう。

口内炎のお薬で代表的なお薬、ケナログの成分と効果について分かりましたでしょうか?使用するのに注意すべきこともありますので、購入した場合でも、説明文書は確認するようにしましょう。

口内炎のお薬には、ケナログの他にも様々なものがあります。塗るタイプだけではなく貼るタイプのお薬もあります。ご自分の症状に合ったお薬を選ぶようにしましょう。

4.販売中止となったケナログの代わりとなるようなお薬

病院で処方されるお薬としては、ケナログと同じ成分トリアムシノロンアセトニドを含んでいる口腔用軟膏があります(オルテクサー口腔用軟膏0.1%)。

また、薬局・ドラッグストアで購入できる市販のものとしては、下記のような商品(指定第二類医薬品)があります。

・アフタガード / 佐藤製薬

・オロファニック口腔用軟膏 / 協和薬品工業

・口内炎軟膏大正クイックケア / 大正製薬

・トラフル軟膏PROクイック / 第一三共ヘルスケア

・オルテクサー口腔用軟膏 / 福地製薬

など

ただ、注意点としては、ケナログと同じ成分が含まれていますが、製造工程や添加物の違いなどから使用感に若干の違いがある場合があります。ケナログの使用感を気に入って使用いただいていた場合には、違いがあることをご理解下さい。