睫毛(しょうもう) 貧毛症とは?

睫毛貧毛症とはその言葉の通り、まつ毛が不足している状態のことです。まつ毛が少ない、短い、細いことを指します。まつ毛が薄いと聞くと見た目の問題と思う方も少なくないかもしれませんが、まつ毛には異物が目に侵入するのを妨げる役割もあります。まつ毛が不足することで、目を守る機能が低下してしまう可能性があるのです。

睫毛貧毛症の原因は?

まつ毛が不足する原因は様々です。

■先天的なもの
生まれつきまつ毛が薄い場合があります。

■後天的なもの
・マスカラやアイライン、つけまつ毛などのアイメイクに使われる化学物質よる刺激。
・まつ毛ビューラーやエクステの重さによる脱毛。
・クレンジングや洗顔による刺激。
・アトピー性皮膚炎や乾癬等の皮膚疾患による炎症。
・一部の抗がん剤による脱毛。
そのほか、日常生活の刺激や加齢などが原因となる場合もあります。

睫毛貧毛症の治療方法

後天的なもので生活習慣に原因がある場合、それを見直すことで症状を改善したり、悪化を防ぐことが可能です。また、食生活の乱れが原因の場合は、適切な栄養補給や睡眠の見直し、ストレスの解消を行うことで改善する場合もあります。

睫毛貧毛症の具体的な治療は、大きく分けて2つあります。
1.発毛が可能な毛包が少なくなっている場合には植毛が行われることがあります。先天的にまつ毛の本数が少ない場合や外傷等により毛包の機能が失われてしまった場合が対象です。

2.発毛可能な毛包が十分存在している場合は薬物による育毛が期待できます。そこで使用されるのがグラッシュビスタ®です。

グラッシュビスタ®外用液剤

グラッシュビスタ®は液状の医薬品です。アプリケータと呼ばれる専用の刷毛を使ってまつ毛の根元に塗って使用します。有効成分はビマトプロストという物質です。

グラッシュビスタ®の有効成分:ビマトプロスト

ビマトプロストはプロスタグランジンという生理活性物質を元に作られた成分です。元々はルミガン®点眼液という緑内障の治療薬として使用されていたものです。

ビマトプロストは点眼薬として使用することで眼圧を下げる効果を発揮します。ですが、副作用として睫毛の成長を促進させることが知られています。ルミガン®点眼液の添付文書を見てみると、5%以上の頻度で「睫毛の異常(睫毛が長く、太く、濃くなる等)」が発生することが記載されています。

グラッシュビスタ®の有効成分:ビマトプロストのまつ毛に対する作用

毛の生え変わりのサイクルを毛周期と言います。毛周期には大きく分けて、成長期、退行期、休止期の3つがあります。まず、成長期では毛根の分裂が活発になり、毛が伸びていきます。退行期に入ると毛が伸びることはなくなります。その後、休止期を経て抜け落ち、また成長期に入っていきます。
ビマトプロストはまつ毛の毛包に対して作用し、その成長期を長くすることで効果を発揮すると考えられています。

グラッシュビスタ®の使い方

グラッシュビスタ®は、1日1回寝る前に両目のまつ毛の根元に塗布して使用します。

グラッシュビスタ®の使用は寝る前に1回

グラッシュビスタ®はメイク等を落とし、洗顔を済ませ、コンタクトレンズも外した状態で使用します。また、グラッシュビスタ®の使用は1日1回のみです。回数を増やしても効果は変わらないので、1日1回を超えて塗布しないようにしてください。

グラッシュビスタ®の塗布方法

グラッシュビスタ®には専用のブラシ(アプリケータ)が付属しています。グラッシュビスタ®1滴をブラシの先端の毛の部分に染み込ませ、すぐに片側のまつ毛の生え際に塗ります。
その時、目に入ったり、下まぶたや他の部分につかないように注意が必要です。もし、他の部分に着いてしまった場合は、ティッシュなどですぐにふき取るようにしてください。グラッシュビスタ®の成分であるビマトプロストにはメラニン色素を増加させる作用があります。まつ毛の生え際以外についた場合、黒ずみの原因となってしまうことがあるので注意が必要です。
片方のまぶたに塗り終わったらアプリケータは捨て、もう片方のまつ毛には新しいアプリケータを使用します。

グラッシュビスタ®についての注意点

グラッシュビスタ®は誰でも効果を発揮するわけではありません。作用の部分にも書きましたが、あくまでも毛包の成長期を長くすることによる作用なので、発毛が可能な毛包が存在しない場合はグラッシュビスタ®による治療の適応外ということになってしまいます。
医薬品である以上様々な副作用も存在します。塗布方法の部分にも書きましたが、代表的なのはメラニン色素の増加によるものです。まつ毛以外の部分に付着した場合、皮膚が黒くなってしまうことがあります。また、瞳の虹彩(黒目)の部分が濃くなることがあります。これらの副作用については使用を中止しても元に戻らないことがありますので、注意が必要です。
マスカラとグラッシュビスタ®は併用しても問題ありません。ただ、グラッシュビスタ®を塗る前にマスカラや化粧を落とした状態で使用しましょう。

グラッシュビスタ®は、医療保険の適用外

グラッシュビスタ®は国から承認を受けた医薬品ではありますが、医療保険の適用外医薬品になります。薬価(国が決める医薬品の価格)は定められていませんが、医師の処方箋がないと使用できない処方箋医薬品となっています。
そのため、全額自己負担となるので、治療の内容によっては高額となることもあるので注意が必要です。
また、高い自己負担額を回避したい人をターゲットに、インターネット上ではルミガン®の模造品が出回っているので、注意してください。

参考資料

グラッシュビスタ外用液剤0.03% 5mL インタビューフォーム アラガン・ジャパン株式会社