かかりつけ薬剤師とは?

“かかりつけ医”と言うと、何か体調が悪くなった際に毎回受診したり、何かあれば電話で相談、そういった医師をイメージできるかと思います。
同じように、 “かかりつけ薬剤師”とは、お薬の服用・管理のことをはじめ、体調や食事の管理など健康全般の相談ができる薬剤師を持つことを意味します。

ご高齢の方などは特に、いくつもの病院から、多種の薬を処方されているケースがあり、お薬の飲み合わせが悪いものを知らずに服用してしまう危険性があります。

又、若い方の中には、お薬をもらったものの効果がよく分からず、副作用が心配で、自己判断で服用を止めて、病気が完治せずに時間が経過し、症状が悪化する可能性があります。

かかりつけ薬剤師とは、そのような現状の中で、薬の専門家である薬剤師が患者さん一人一人のお薬の管理を行い、服用状況を把握し、他のお薬との飲み合わせや副作用などの相談、健康全般のアドバイスなどを行い、その患者さんにとって最適となる薬による治療を目指していくものになります。

かかりつけ薬剤師制度

具体的には、2016年の診療報酬改定により、「かかりつけ薬剤師指導料」という項目が新しく出来たことで、薬局で正式に、かかりつけ薬剤師制度がはじまります。

患者さん自身が、信頼のおける薬剤師を選び、自分が服用しているお薬のことを把握してもらい、薬局の営業時間外(24時間対応)でも、何かあった場合に相談や適切なアドバイスを受けることが可能です。

かかりつけ薬剤師は、その患者さんのお薬を処方された医師とも連携し、服薬状況や体調の変化を把握し、必要に応じて医師に報告・相談します。又、必要に応じて患者さんの家を訪問し、お薬の整理を実施します。

ご本人が希望し、信頼のできる薬剤師を選び、書面で同意を交わすことでこのサービスを利用することができます。

かかりつけ薬剤師制度を利用する上での注意点

かかりつけ薬剤師にかかる費用は?

かかりつけ薬剤師サービスを受ける場合、「薬剤服用歴管理料(38点=380円、又は50点=500円)」の代わりに「かかりつけ薬剤師指導料(70点=700円)」が通常はかかります。その差額として、200円〜320円あります。

実際の患者さんの支払う金額は、保険が適応されますので、1割〜3割負担になります。そのため、
・1割負担の方は、およそ20円〜30円の差
・2割負担の方は、およそ40円〜60円の差
・3割負担の方は、およそ60円〜100円の差
がかかってきます。

詳しくは、薬局で確認するようにしましょう。

薬剤師であれば誰でも選べるわけではない

自分が信頼のおける薬剤師を、かかりつけ薬剤師として選び、サービスを受けることができるのですが、薬剤師であれば誰でも選べるわけではありません。

このサービスを提供できる薬剤師は一定以上の経験や知識(研修など)が必要となり、国に事前に届け出る必要があります。そのため、調剤薬局によっては、限られた薬剤師しか該当しない場合や、かかりつけ薬剤師が在籍しない場合があります。

(参考)かかりつけ薬剤師の条件

具体的には、下記の条件があります。

・薬剤師として3年以上の薬局勤務経験があり、その薬局に週32時間以上勤務しているとともに、その薬局に半年以上在籍している
・薬剤師認定制度認証機構が認証している研修認定制度等の研修認定を取得している
・医療に係る地域活動の取組に参画していること。(地域の行政機関や関係団体等が主催する講演会、研修会等への参加、講演等の実績)
が条件としてあります。

患者さん1人につき、1人のかかりつけ薬剤師

患者さんは、かかりつけ薬剤師を1人しか選ぶことができません。

複数の店鋪に渡って薬剤師を選ぶことができませんので、注意しましょう。他の店鋪でお薬をもらった際は、かかりつけ薬剤師がいることを伝えるようにしましょう。

基本的に、かかりつけ薬剤師を選んだ場合は、その薬剤師の方が担当します。ただ、途中でかかりつけ薬剤師を変更することはできますので、何かありましたら薬局に相談するようにしましょう。

処方薬に加え、市販薬や健康食品についても報告する

かかりつけ薬剤師の役割として、お薬同士の飲み合わせの確認をすることがあります。そのため、他の薬局でお薬をもらった際は必ず伝えるようにしましょう。

また、市販薬、健康食品の飲み合わせについても確認をすることがあります。そのため、市販薬やサプリメントなどを含む健康食品を購入している場合や飲みたいと思っている場合があれば、その旨をかかりつけ薬剤師に相談するようにしましょう。

家にお薬が余っている場合は報告

ついつい飲み忘れてしまい家に残っているお薬や、いつもらったか分からないようなお薬がある場合は、かかりつけ薬剤師に伝えるようにしましょう。

また、お薬が飲めていない理由として、飲みにくい、副作用が心配、食事がとれていないなどがある場合は、遠慮せずに相談するようにしましょう。かかりつけ薬剤師が、しっかりとお薬を服用できるように処方された医師と相談の上、考慮してくれます。

おわりに

2016年4月よりスタートする、かかりつけ薬剤師制度について分かりましたでしょうか?

今までも、同じようなサービスを受けていたという方もいると思いますが、今回、はじめて項目として追加され、正式に始まります。

多少、費用はかかるものの、自分の薬のこと、体調のことをよく理解してくれ、継続的に相談に乗ってくれる薬剤師の方がいると安心できるかと思います。

ぜひ、信頼できる薬剤師の方に出会い、かかりつけ薬剤師を活用していきましょう。