目次:妊娠しやすい日が分かる「排卵検査薬」が薬局で購入可能に!

・排卵検査薬の規制緩和
・医療用医薬品と一般用医薬品
・一般用医薬品の分類
・体外診断用医薬品とは?
・体外診断用医薬品の規制
 >排卵検査薬と他の体外診断用医薬品の違い
・具体的な製品
 >「妊娠しやすい日」が分かる
 >月経周期27日の場合、10日目から使用がおススメ
 >使い方
・まとめ

排卵検査薬の規制緩和

排卵日検査薬が市販できるようになりました

先日、厚生労働省から『「一般用医薬品の区分リストについて」の一部改正について』という告示が行われました (1)。
告示の内容は、ひとことでいえば「排卵日検査薬が市販できるようになりましたよ」ということです。

しかしながら、その規制の仕方は、似たような使い方をする妊娠検査薬などとは異なります。この点を理解するうえで、まず医薬品の分類や規制について説明する必要がありそうです。

医療用医薬品と一般用医薬品

まず、医薬品は大きく次の2通りに分類できます (2)。

●医療用医薬品
●一般用医薬品

医療用医薬品は、病院で処置や治療のために使用したり、処方せんをもっていくことで、薬局で購入する薬をいいます。よくいわれる「病院でもらう薬」と思っておけばよいでしょう。

これに対して、一般用医薬品は、薬局やドラッグストアで市販されている薬です。「市販薬」や「OTC」などと呼ばれることがあります。

一般用医薬品の分類

一般用医薬品は、さらに次の3つのグループに分けられます (1)。

●第一類医薬品
●第二類医薬品
●第三類医薬品

リスクや副作用によって分類されており、第一類がもっともリスクの高いグループで、第三類がもっとも安全と考えられています。第二類はその中間です。

体外診断用医薬品とは?

これらの区分とは別に、医薬品のなかには「体外診断用医薬品」と呼ばれるものがあります (3)。

ご存知の通り、普通の薬は飲んだり、貼ったり、注射したりと、人体に直接使用するものです。ところが、体外診断用医薬品はそうではなく、診断や検査のために、直接人体に使用しない方法で使う薬です。

これを分かってもらうには、具体例を出すのが早道でしょう。
例えば、血糖値を測定するキットなどが、これにあたります。

これは、検査用のチップに血液を染み込ませて、機械に読み込ませる、という使い方が一般的です。薬品が含まれているのは、このチップの中ですが、その効果を発揮するのはヒトの「体外」なので、このように呼ばれるわけです。

この記事のテーマである、排卵日検査薬や妊娠検査薬は、尿をかけることで使う、体外診断用医薬品の一種です。

体外診断用医薬品の規制

この体外診断用医薬品には、医療用医薬品も、一般用医薬品もあります。

一般用医薬品に分類されていたものの代表は、先ほども述べた血糖測定キットや、妊娠検査薬などです。これらは以前から、ドラッグストアでも購入可能でした。

これに対して、排卵検査薬は医療用医薬品とされていました。そのため、他の体外診断用医薬品と比較して、入手が難しい状況でした。

しかし、このたび「排卵検査薬も、一般用にしていいだろう」と判断され、医療用から一般用にチェンジした、ということです。

排卵検査薬と他の体外診断用医薬品の違い

ただし、これによって排卵検査薬が、他の体外診断用医薬品とまったく同じように購入できるようになるかと問われれば、そうではありません。

他の体外診断用医薬品は、先ほど紹介した、一般用医薬品のグループのうち、第二類に属します (1)。

これに対して、排卵検査薬は、第一類になります (1)。というのも、これまで医療用だった医薬品が、一般用に「格下げ」された場合は、ひとまず第一類にして様子をみるのが通例だからです。

第一類は、薬剤師しか販売することができず、その際に必要な使用者に関する情報を確認しなければならないとされています (4)。

つまり、排卵検査薬は他のものよりも、購入に手間がかかります。薬剤師がいないと販売できないので、取扱いがあるのか、近場の薬局に聞いてみるとよいでしょう。

また、一般用医薬品になったことによって、通販も可能になります。

排卵日検査薬 具体的な製品

排卵検査薬には、いくつかの製品がありますが、私個人がこれまで目にする機会が多かったのは、「チェックワンLH・Ⅱ」というものです (5)。

希望小売価格は、5回分が2200円、10回分で3500円 (いずれも税抜き) です (6)。

「妊娠しやすい日」が分かる

製品名にある「LH」とは、「黄体形成ホルモン」の略です (7)。このことから分かるように、排卵検査薬は、LHを検出することを目的としています。

一般に、月経周期における排卵の16-18時間前に、LHの分泌量が大幅に上昇することが知られており (7)、これを「LHサージ」などと呼びます。

排卵検査薬により、LHサージが起きたか分かるので、排卵が起きるタイミング=妊娠しやすい日が分かります。

月経周期27日の場合、10日目から使用がおススメ

もっとも妊娠しやすいといわれているのは、LHサージがあった日と、その翌日の2日間とされています (5)。そのため、LHサージの少し前から検査をはじめ、確実に検出する必要があります。

このことと、排卵が起きて以降の「黄体期」の長さは14日程度であまり個人差がない (7) ことを考え併せると、月経周期27日の人の場合、10日目から検査をはじめるのが望ましいといえます (5)。

検査は1日1回、決まった時間に行えばいいので、5回分のパッケージでも5日分になり、たいていは使い切る前に陽性を認めることができます。

使い方

基本的には、キャップを外して、出てくる「尿吸収体」という部分に、尿をかけるだけです (5)。その後水平にしておいて、3分ほどたった段階で、判定します。

チェックワンLHには、アナログ形式とデジタル形式の2種類があり、これらの違いは判定結果の見方です (8)。

アナログの方は、最初からある「コントロールライン」という部分の青色と、「テストライン」に現れる青色を比較して、同じかそれより濃ければ陽性となります。つまり、自分で色を見て判断する必要があるので、多少判断に迷うケースがあるかもしれません。

一方のデジタルは、ディスプレイに笑顔マークが出れば陽性、出なければ陰性、と分かりやすいのがメリットです。

ただし、実際に使用した方から聞いた話では、デジタルはエラーが出るケースがちょくちょくあるようで、こうした点がストレスになる可能性があります。
検出感度などは、どちらも同じなので、こうした点を加味して好みで選択していただければよいでしょう。

まとめ

■妊娠しやすい日が分かる「排卵検査薬」が一般用医薬品に変更される
■まずは第一類医薬品となるので、購入は薬剤師からする必要がある
■基礎体温法などから予想される、排卵の日の数日前から使用するのがよい
■アナログ・デジタルの2種類があるが、検出感度には差がない

参考文献

(1) http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T160921I0040.pdf
(2) http://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/09/s0906-6c.html
(3) https://www.pmda.go.jp/review-services/drug-reviews/about-reviews/ivd/0003.html
(4) 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律
(5) チェックワンLH・Ⅱ 添付文書 株式会社アラクス
(6) http://www.arax.co.jp/news/detail.php?nid=23
(7) 上代淑人 監訳 ハーパー・生化学原書第25版 丸善株式会社
(8) https://www.arax.co.jp/seihin/iyaku.html
(9) チェックワンLHデジタル 添付文書 株式会社アラクス