初診とは

初診とはその名の通り、初回の診察のことで、その病院の受診歴がほとんどない患者さんが初めて病院を受診することを意味します。

私が勤める病院は国立病院機構で、呼吸器疾患に対する高度の専門性を持っています。そのため、「風邪っぽいです」と訴えて紹介状なしにやってくる患者さんはほとんどおらず、多くがかかりつけ医からの紹介です。

紹介状は必須

紹介状がない場合、私たち医師は目の前の患者さんの医学的情報を患者さん自身や家族の言葉で類推するしかありません。そのため、かかりつけ医がいる場合は必ず紹介状を書いてもらってください。

「喘息で●●クリニックに通院しています」と患者さんがおっしゃったところで、ほとんど役に立ちません。「喘息(治療ステップ3)でアドエア250ディスカスを201●年■月から使用しており・・・・・・」などといった詳細な記載がないと医学的な情報を得たとは言わないのです。

風邪かもしれないけど、とりあえず最初から大きな病院に行っておけば安心だろう、ということで軽症でも大病院を受診している人も多いかもしれません。しかし、政府はその安易な大病院受診に待ったをかけています。

初診料の規定

私たちの住んでいる地域には、診療所やクリニックなどの小さな病院から、国立病院や大学病院などの大きな病院までさまざまな医療機関があります(僻地は例外ですが)。診療所やクリニックは、日常的な病気や軽いケガなどを診てくれるところで、大きな病院は重症や難治性の病気を診てくれるところです。また、聞いたこともないようなまれな病気にかかった人も、大きな病院で診てもらいます。つまり、それぞれの病院には機能に見合った役割があるということです。

さて、総合病院といえばベラボウに高い初診料をとられることで悪評高いかもしれませんね。これまで初診料は、病院の裁量にまかされていた部分がありました。あの病院は初診料2,000円だけど、この病院は4,000円もかかる、といった感じです。

しかし2015年5月に成立した医療保険制度改革法によって、大病院には診療所やクリニックとの連携を進める責務があると規定されました。そして1つの方策として、紹介状なしで受診する人には特別料金を徴収することを定めました。
具体的には、やむを得ない場合(下表)を除いて、大病院(特定機能病院・一般病床500床以上の地域医療支援病院)で、よくよく考えれば受診しただけで診察料とは別に5,000円もとられるって、とても高いですよね。紹介状なしで初診を受ける場合は5,000円(歯科の場合は3,000円)以上の特別料金を、診察料とは別に支払うことになりました。患者さんにとっては残念なことですが、そういう決まりになったのです。
よくよく考えれば受診しただけで診察料とは別に5,000円もとられるって、とても高いですよね。

表. 大病院受診時の特別料金の徴収の対象外になる患者


病院には「初診料が変わりました」という掲示があるところも多いですが、患者さんにはあまり知られていません。以前よりもなんだか高くなったなぁと思われる方もいるかもしれません。

初診は午前がお薦め

さて、少し話は変わります。

初診を受診するならできるだけ早い時間に行って下さい。

たとえば午後3時に受診したとしましょう。紹介状に目を通して主治医がフムフム、わかりましたと言い、あなたの診察に入ります。その後、かかりつけ医ではできなかった検査をその病院で行うわけですが、ここで問題があります。
問診や診察が終わって午後4時くらいになると、「どうやら緊急性がなさそうだ」と主治医が判断した場合、検査をもう行わない可能性があるのです。これは、検査が夕方にズレ込むと、医師・検査技師・看護師など多くのスタッフが残業を強いられるためです。

そのため、緊急性がなければ夕方に検査をやってくれないかもしれません。「今日はもう遅いですから、後日検査をしに来てください」と言われるリスクがあるのです。せっかく来たのに、検査ができなかったら時間がもったいないです。
そのため、

私は自分の知り合いには「初診で病院に行くなら必ず午前中に行きなさい」と伝えています。

ある程度その後の時間に余裕をもっておいた方がよいのです。ただし、午後診でしか初診患者さんを受け付けていない病院もありますから、ちゃんと診察受付時間を確認してから受診しましょう。

まとめ

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