目次

① 希少糖について
◆希少糖の定義
◆自然界に存在量が少ないってどういうこと?
◆希少糖にも種類がある
② D-プシコースについて
◆なぜ最近よく目にするようになったのか
◆D-プシコースの研究
◆D-プシコースのはたらき
③ 希少糖と他の甘味料との違い
◆血糖上昇抑制効果がある
◆安全性が高い
④ 最後に

① 希少糖について

希少糖の定義

まず希少糖の定義ですが、国際希少糖学会により
「自然界にその存在量が少ない単糖及びその誘導体」
と定義されています。

自然界に存在量が少ないってどういうこと?

自然界の糖は、
D-グルコース(ブドウ糖)
D-フルクトース(果糖)
D-ガラクトース
D-マンノース
D-リボース
D-キシロース
L-アラビノース
この7種類の単糖(それ以上加水分解されない糖類)でおよそ9割を占めており、それ以外の存在量が少ない単糖のことを希少糖といいます。

希少糖にも種類がある

実は希少糖もすでに50種類近く発見されており、
キシリトール
エリスリトール
D-プシコース
D-アロース
などが有名です。

キシリトールはすでにガムなどに配合されており、聞いたことがある人も多いと思います。エリスリトールも、スーパーやドラッグストアで販売されている「ラカント」などの甘味料に含まれています。

② D-プシコースについて

なぜ最近よく目にするようになったのか

ここ最近「希少糖」という言葉を目にする機会が増えた理由としては、希少糖の中でもD-プシコースの研究が進んでいることが挙げられます。実際に「希少糖入り」と書かれている商品に使われている希少糖の多くはD-プシコースです。

D-プシコースの研究

もともとD-プシコースは、四国・九州に分布するズイナと呼ばれる植物からごく微量取れる糖で、1gあたり1万円もするような高級品でした。しかし、1994年に香川大学の教授によって、自然界に豊富に存在するD-フルクトースからD-プシコースに変換する酵素D-タガトース-3-エピメラーゼの発見に成功しました。これにより、希少糖を体系的に生産するシステム(イズモリング)が考案され、大量生産の道が拓かれました。またこれ以降、香川県は希少糖に関するプロジェクトを重点施策に位置づけ、希少糖の普及などに積極的に取り組んでいます。

D-プシコースのはたらき

D-プシコースを体系的に生産することが可能になったことで大学や企業での研究が可能になり、D-プシコースには様々なはたらきがあることが分かってきました。

砂糖の7割くらいの甘さでカロリーがほぼゼロ

D-プシコースは砂糖と比較して7割くらいの甘さですが、腸から吸収されにくく、また人間にはD-プシコースをエネルギーに代謝する酵素がないため、カロリーがほぼゼロとなります。

血糖上昇抑制作用がある

D-プシコースは、それ自体がエネルギーにならないだけでなく、腸からブドウ糖が吸収されるのを阻害し、血糖の上昇を抑える作用があることが研究で分かっています。

虫歯になりにくい

これはキシリトールも同じですが、虫歯の原因となるミュータンス菌は糖を代謝して酸を生成し、それが原因で歯が溶けて虫歯になります。しかし、D-プシコースからは酸を生成することができません。そのため、砂糖などの糖とは違って虫歯になりにくいのです。

③ 希少糖と他の甘味料の違い

血糖上昇抑制効果がある

一般的な希少糖入り商品に入っている希少糖はD-プシコースですので、前述の通りブドウ糖の吸収を阻害して血糖値が上昇するのを抑える効果があります。これが他の甘味料との大きな違いであり、市販されている甘味料にはカロリー1/2やカロリーゼロのものはありますが、さらにブドウ糖の吸収まで阻害してくれるものはありません。「食べたほうが痩せる」とまで言われているのは、この効果によるものです。

安全性が高い

D-プシコースは、前述の通り普段からよく口にするD-フルクトース(果実やハチミツに多く含まれている糖)から酵素を使って生産しています。その酵素による変換も、異性化といってほんの小さな変換なので、D-プシコースは他の人口甘味料などと比較して人体に対する安全性が高いと考えられています。実際に、安全性に関する研究も多く行われていますが、今のところまだ大きな副作用は認められていません。

④ 最後に

以上、近年注目されている希少糖、特にD-プシコースについての解説でした。
変換酵素の発見以前は、非常に高価な希少糖でしたが、今では体系的な生産が可能になりました。
カロリーゼロなうえにブドウ糖の吸収も阻害し、ダイエットや糖尿病の治療に役立つ可能性がある希少糖。
今はまだ砂糖よりも少し値段が高いですが、今後は生産体制などが強化されて今より値段が低くなっていく可能性もあります。

興味がある方は、少しずつ食事に取り入れていってみてはいかがでしょうか。