目次

・何故身体は固くなる?柔軟性を左右する要素とは
・身体が固い人にヨガをお勧めする理由3つ
 >身体の変化を感じやすい
 >身体に色んな広がりを!運動不足解消
 >柔軟性が高まるにつれて改善する色々
・実践!身体が固くてもヨガ
 >体が固い人がヨガをやる注意点
  ○人と比べない
  ○力を抜くこと
  ○柔らかい呼吸をしよう
  ○頑張りすぎない
 >ポーズ例
  ○前屈では腰を立てることを優先
  ○体側を伸ばす時は胸を開こう
  ○補助器具を使って無理無くポーズを深める
・おわりに

何故身体は固くなる?柔軟性を左右する要素とは

誰しも赤ちゃんのときには高い柔軟性があるのに、大人になると身体が固くなってしまうのは何故でしょう?
原因は色々ありますが、まずは運動不足。毎日、仕事で長時間同じ姿勢で過ごしている方も多いことでしょう。
そうでなくても子供の頃のように公園を駆け回る事も無くなり、日常生活での身体の動きがパターン化することにより使わない筋肉や関節は滞り、柔軟性の低下を招きます。

大人になってからも定期的に運動を行っている人の方が、高い柔軟性を保つ傾向があるのも納得ですね。

柔軟性を左右する要素は、まずは筋肉の柔らかさ、そして関節の柔らかさです。
筋肉は運動不足や冷えによって硬くなり伸縮性を損ないますが、実は精神的な要素も大きく影響すると言われています。
心がリラックスできていないときは筋肉も緊張し、その状態が長く続くと柔軟性が低下してしまうのです。

筋肉の柔らかさを維持するためにはやはり、定期的に動かして伸縮性を高める事、そして精神的にもゆったりした時間を作り、筋肉を弛緩させる事が大切です。
無駄な力を抜いてリラックスすることは、柔軟性を高めるためのストレッチを効果的に行うために最も重要な条件になります。

では、関節の可動域はどんな条件に左右されるのでしょう?
それは、関節を取り巻く靱帯、腱、筋肉、関節包の柔軟性によって決まります。
それらの組織の長期間の緊張は関節の可動域を狭くしてしまいますので、適度な運動やストレッチで可動域を意識的に広く使い、関節の柔軟性を保つように心がけてみましょう。
ただし、靭帯や腱の長さや付き方は個人差が大きく、無理に伸ばしても筋肉のように目に見えて柔軟性が向上しない部分です。
また、元々靭帯や腱が短く関節が固い人は、柔らかい人に比べて骨格に安定感がある場合もあるので、自分自身の身体に合った柔軟ストレッチを行う必要があります。

身体が固い人にヨガをお勧めする理由3つ

さて、身体が固い人にぜひヨガをお勧めしたい理由は幾つかありますが、その代表的なものを挙げてみましょう。

身体の変化を感じやすい

柔軟性が高い方が、かなり高度なアーサナ(ポーズ)を取ることができ、呼吸に意識を向ける余裕を持ちやすいことは事実です。
ヨガで大切なのは、アーサナを取っているときの身体の感覚に意識を向け、呼吸を深めること。
しかし、アーサナは本来その型に正解はありません。そのポーズのポイントさえ押さえていれば、個人個人の柔軟性に合わせて理解を深めていけば良いのです。
身体が固い方はその分、柔軟性を高めていく伸びしろが大きく、少しの動きでもその感覚の違いを感じやすいという特典があります。
ですから、柔軟性に関係なくそれぞれの身体に合わせて行えばよいのです。

身体に色んな広がりを!運動不足解消

前述しました通り、柔軟性の高さは普段の生活に定期的に運動を取り入れているかどうかによっても変わってきます。
柔軟性の低い方は運動不足であったり日常生活での身体の動きがパターン化しているせいで、使っていない筋肉や関節が固くなってしまっていることが多いということです。
また、忙しさや仕事のプレッシャーなど、精神的なストレスが身体の緊張を招き、柔軟性の低下の原因になっている事もあります。

ヨガで色々なポーズに取り組むと普段は意識していない箇所や使っていない関節・筋肉を使うことになるので、身体の本来の伸びやかさを取り戻す事ができ、自分の感覚と向き合う時間を作る事でストレス解消になりリラックスすることができます。
つまり、ヨガは身体だけではなく、心の疲れも癒し、気持ちを柔和にする事にも繋がります。

柔軟性が高まるにつれて改善する色々

そもそも、身体の柔軟性が高まるとどんないい事があるのでしょう?
色々ありますがまずは血行やリンパの流れが良くなる事。固い筋肉は血の巡りも滞りやすく、冷えや凝り、腰痛等、様々な不調の原因となります。
柔軟性を高め、筋肉を柔らかく保つ事で冷えや凝りが改善され、身体の末端にまで酸素が行き渡るので、シミやくすみなど肌トラブルの改善も期待出来ます。
また、柔軟性が高いと同じ動きをしても筋肉がより大きく動く事になるので、基礎代謝が上がり太りにくい体質になります。
さらに、筋肉が柔軟な状態で負荷をかける方が筋力も付きやすいので、柔軟性を高める事でしなやかで疲れにくい身体に近づける事が出来るのです。

体が固いと衝撃に耐えにくく怪我をしやすくなります。アスリートなどが怪我の予防のためにストレッチを欠かさず行うように、柔軟性は身体のパフォーマンスを高め、衝撃から守ってくれます。
ヨガを継続的に行っていると、身体は少しずつですが確実に変化していきます。無理無く生活に取り入れて、しなやかで動きやすい身体に整えていきたいですね。

実践!身体が固くてもヨガ

さて、身体が固い人がヨガを行うには幾つかの注意点があります。
安全に、そして効果的に行うためには何に気をつければよいのでしょうか

体が固い人がヨガをやる注意点

人と比べない

いざヨガをやってみようとなったら、ヨガスタジオやカルチャーセンターに足を運んだり、DVD等を参考にしながら手軽に行う方が多いと思います。
そこで気をつけたいのが、周りの人(DVDであればお手本の人)と比べない事!始めたては特に、周りの人の柔軟性と自分の柔軟性に差があることもあるでしょう。
でも、そこで周りと自分とを比べてしまうと意識が外界に向いてしまい、気持ちが焦ったり自信がなくなったりして、落ち着いて取り組む事が難しくなります。

ヨガは人と比べるものではなく、あくまでも自分自身と向き合うためのものです。
柔軟性を比べるのであれば、周りの人とではなくて少し前の自分の身体と比べてみましょう。
以前より少しずつ柔軟になっているのを感じられる日もあれば、ときには調子が悪くて前回よりもやり辛いと感じる日もあるかもしれません。
それらは全て、そのときの自分の身体の情報です。自分自身を深く観察し、その感覚に意識を向ける事で内面と向き合う事が出来たのであれば、とても有意義なヨガであると言えます。

力を抜くこと

身体が固い人がヨガを行うとき、どうしても陥りがちなのが力んでしまうことでしょう。
柔軟性が低いとやり辛いアーサナ(ポーズ)は、関節や筋肉に負荷をかけるタイミングで、特に肩周りなどに余分な力が入りやすいのです。
慣れるまでは、アーサナの行い始めは少し力んでしまっても構いません。
ただしそのままキープするのではなく、吐く息と共に肩周りの余分な力を抜いてしまいましょう。
呼吸に意識を向け、息を吐くごとに余分な力を抜いて、ご自身の身体に無理の無い範囲でアーサナを深めていければ、ヨガ特有の気持ちよさを存分に感じる事が出来るでしょう。

柔らかい呼吸をしよう

アーサナをキープしているときに、もし呼吸が浅くなっていたり、呼吸を止めてしまっていたならそれは自分の身体の可動域を超えている証拠です。
効かすべき箇所、つまりターゲットマッスルに痛気持ちよい負荷がかかり、柔らかい呼吸が取れる状態でキープするのがベスト。
もし呼吸が浅くなっていることに気がついたら、少し負荷を弱めてポーズをソフトに修正し、気持ちよい呼吸ができるポイントを探ってみましょう。
慣れてくれば、すぐにポーズを自分のレベルに応じて調整できるようになってきます。

頑張りすぎない

前述した通り可動域を超えたポーズをキープするのは呼吸が浅くなるばかりか、身体を傷めかねません。
一般的に、柔軟性を高めるのは8割の力加減で行うストレッチが有効と言われています。
力一杯負荷をかけて可動範囲の限界まで行うストレッチは柔軟性が高まるどころか筋肉に伸張反射が起こり、逆に固くなる事が分かっています。
伸張反射とは、伸ばそうとする力が大きいあまり、筋肉や関節を守るためにそれを縮めようとする反作用が起こること。
柔軟性を高めるためにも、心地よい呼吸を味わえる正しいヨガのためにも、頑張り過ぎは厳禁なのです。

ポーズ例

では、柔軟性に左右されがちな代表的なヨガのアーサナについて、身体が固い人が行う際のポイントをご紹介しましょう。

前屈では腰を立てることを優先

ストレッチと聞いて、まずは前屈を思い浮かべる方は多いのではないでしょうか。
確かに前屈は股関節や膝裏、腿裏の筋肉など、日常生活で使う事が多い箇所の柔軟性を測りやすいポーズですよね。
長座(座って脚を伸ばした状態)から行う場合、充分な柔軟性がある場合は写真のように股関節から深く倒れていきます。

ですが、身体が固い人は深く倒れようとする必要は全くありません。
無理に深く倒れようとするとどうしても腰が丸くなってしまうからです。
この長座前屈のポーズ(パスチモッターナーサナ)は、背中から腿の裏、そして膝裏までの身体の背面を伸ばす事を目的としたポーズですので、猫背になってしまうと肝心な背面が緩んでしまいます。

腰を丸めながら深く倒れるよりも、骨盤は立てて腰は伸ばしたまま、股関節から前傾してみましょう。
もし、脚を伸ばして垂直に座る事自体がきつい場合は、膝は少し緩めても構いません。膝よりもまずは腰、そして背骨全体を伸ばす事を優先し、息を吐きながら無理の無い範囲で行います。

そもそも骨盤を立てるのが難しいと感じる場合は、指で床を軽く押しながら、骨盤を立て背骨を伸ばすサポートをしてみましょう。このままでキープするだけでも、身体の背面にはじんわりと伸びが伝わります。

体側を伸ばす時は胸を開こう

ヨガのアーサナでは、側屈し身体の側面を伸ばすポーズが多く存在します。写真はパリブリッタ・ジャーヌシールシャーサナ。
側屈した状態で呼吸を繰り返すことにより、肺が膨らんだりしぼんだりすると同時に身体の外側も伸びたり緩んだりするのが感じられる、とても気持ちよいアーサナです。

柔軟性がある場合は、足先を掴んだ状態で胸を上向きに開く事ができますが、身体が固い場合は足先を掴む事が難しいので手は添えるだけにとどめ、出来る範囲で側屈するだけでも充分に体側を伸ばす事が出来ます

このときに注意したいのが上体の向きです。
身体が固いとどうしても側屈するときに前屈みになりがちですが、前屈みになってしまうと体側に効いてきません。
深く倒れようとする必要は無いので、肋骨から捻りをかけて胸を上向きにする意識を持ちましょう。
そうすることで深く側屈しなくても適度に体側が伸ばされ、胸を開く事によって呼吸による身体の満ち引きも感じる事ができます。

補助器具を使って無理無くポーズを深める

レッスンの際にはブロックやベルトやボルスターなど、プロップスと呼ばれる色々な補助器具を使う事もできます。プロップスを使う事で身体が固い人でもポーズをとりやすくなり、無理なくキープすることができます。

写真はプロップスの例です。

基本的にはヨガは身ひとつで行えるものなので、はじめはそういった補助器具を使う事に抵抗がある方もいらっしゃるかもしれませんが、実はこのプロップスを使う事でヨガの効果をより深められる場合があります。
身体が固い人だけでなく、柔軟な人であってもときにプロップスは身体の負担を軽減したり、よりリラックス効果を高めるために有効な道具ですので、躊躇せずに使ってみる事をお勧めします。

最近ではプロップスを存分に使い、身体の重みに身をゆだねながら深くリラックスすることを趣旨とした「リストラティブヨガ」も初心者、上級者問わず人気です。

一度そういったクラスに参加してみると、より一層プロップスの良さや、それぞれの有益な使い方が分かり、自分の身体のことがもっと分かるかもしれませんね!

おわりに

今回は身体が固い人の視点で、ヨガへの取り組み方やそのメリットなどをお伝え致しました。
身体が固くてもヨガはできるし、柔軟な方に比べてより身体の変化を感じやすいという嬉しい特典もあります。

もともと、ヨガは身体が柔軟な方のためのものではなく、どんな人でも行える、感覚の訓練のようなものです。
もし身体が固いから、とヨガをためらっているのなら、ぜひ始めて見ましょう!
ヨガは単なるストレッチとはまた違い、身体だけでなく心も柔らかくしてくれる効果があります。
時折、少し前のご自身と比べながら、その変化を楽しんでみてくださいね!