1. 当コラムに掲載されている情報については、原則として薬剤師、医師その他の医療及び健康管理関連の資格を持った方(以下「薬剤師等」といいます)による助言、評価等を掲載しております。当社自身でも掲載内容に不適切な表記がないか、細心の注意を払って確認をしておりますが、医療及び健康管理上の事由など、その内容の正確性や有効性などについて何らかの保証をできるものではありません。あくまで、読者皆様ご自身のご判断にてお読み頂き、ご参考にして頂ければと存じます。
2. 当コラムにおける一般医薬品に関する情報は、読者、消費者の方々に適切な商品選択をして頂くことを目的に、薬剤師等に対して当社より課題、テーマを提示の上、執筆を依頼しております。主眼は、商品より成分であり、特定の商品に関する執筆を依頼しているわけではなく、また特定の医薬品製造事業者等(以下「メーカー等」といいます)からの販売又は紹介に関する対価が発生するものではありません。
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※ロコア®テープの概要については過去に黒田さんがわかりやすくまとめてくれているのでそちらも参考にしてください。
ロコア®テープの特徴
ロコア®テープの最大の特徴は消炎鎮痛効果を発揮する有効成分であるエスフルビプロフェンの吸収の高さです。湿布剤であるにも関わらず有効成分が体に入る量は飲み薬なみと言われています。
ロコア®テープの有効成分
ロコア®テープは1枚あたり以下の有効成分を含んでいます。1)
・エスフルルビプロフェン:40mg
・ハッカ油:36.2mg
ハッカ油の役割
実は、開発当初、ハッカ油は有効成分ではなく添加物として加えられたものだったそうです。ハッカ油の含有量を増やすことで消炎鎮痛成分であるエスフルルビプロフェンの吸収を高めることを可能としました。
ですが、その結果、ハッカ油の含有量が医薬品の有効成分として記載しなければならない量となってしまったため、有効成分の一つとして扱われています。2)
エスフルルビプロフェンとは?
ロコア®テープが消炎鎮痛剤として効果を発揮するための有効成分がエスフルビプロフェンになります。
古くから使われている消炎鎮痛剤にフルルビプロフェンという成分があります。フルルビプロフェンの光学異性体のうち、消炎鎮痛効果の中心となっているS体の身を抽出したのがエスフルビプロフェンです。つまり、エスフルルビプロフェンはフルルビプロフェンを改良し、より効果を高めた成分ということになります。
エスフルルビプロフェンの吸収の高さ
ロコア®テープを一度に2枚貼ると、エスフルルビプロフェンが全身に入る量はフルルビプロフェン経口剤(フロベン®錠/顆粒、アップノン®錠)を通常量で服用した場合と同じくらいになることが知られています。3)
そのため、ロコア®テープの1日貼付枚数は2枚を超えないように規定されています。ロコア®テープの優れた吸収はこれまでの湿布薬にない効果が期待できますが、反面、注意点の原因にもなります。
吸収が高いゆえに注意しなければならないこと
消炎鎮痛剤の吸収が高ければ鎮痛効果が高まることが期待されますが、消炎鎮痛成分が全身に飲み薬なみに移行するということは、飲み薬と同じような注意が必要になります。その代表的なものが他の薬との飲み合わせです。
ロコア®テープと注意が必要な飲み合わせ
ロコア®テープを使用している際は、以下の4種類の成分を含む薬を飲むことが禁忌とされています。3)
※()内は代表的な医薬品名になります。
・エノキサシン水和物(国内未承認)
・ロメフロキサシン(ロメバクト®錠、バレオン®カプセル)
・ノルフロキサシン(バクシダール®錠)
・プルリフロキサシ(スオード®錠)
いずれの薬剤もロコア®テープ使用中に服用することで痙攣を起こしてしまう可能性が否定できないため、禁忌とされています。これらはニューキノロン系抗菌薬と言って、決して特別な薬ではなく、細菌感染時に広く一般的に使用されている薬です。
この記事では特に注意して欲しい禁忌とされている薬のみを挙げましたが、注意が必要な薬はこのほかにもたくさん存在します。
安心して薬を使うために
ロコア®テープは湿布剤ですが、飲み薬なみの吸収量を持つ薬になります。湿布薬として高い効果が期待されますが、他の湿布薬にはない飲み合わせの問題が生じてしまいます。
湿布だけだからと言っておろそかにすることなく、お薬手帳等にしっかりと記録して病院・薬局で飲み合わせのチェックを受けるようにしてください。
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参考
1)ロコアテープ 添付文書 大正製薬株式会社
2)2015年8月31日 薬事・食品衛生審議会 医薬品第二部会 議事録
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000108653.html3)ロコアテープ インタビューフォーム 大正製薬株式会社