白内障の治療とは?

こんにちは、眼科専門医の平松です。
今日は白内障についてお話ししたいと思います。

白内障の手術治療は年間120~140万件行われているといわれるほど一般的な治療です。私も実際に多くの手術を毎週行っています。ただ、手術の他にも、目薬やレーザー治療などもありますので、今回は手術以外の治療についてもご説明します。

白内障とは?

ちなみに白内障というのは目の玉の中のレンズが白く濁ってくる病気です。年齢が主な原因ですが、それ以外に糖尿病や先天性(生まれながら)、アトピーや飲んでいる薬により起きることがあります。 白く濁ったレンズ越しにモノを見るため、見にくくなり視力が下がってしまいます。人によっては物が二重に見えたり、ぼやっとみえたり、明るく見えたりと感じることがあります。 原因にかかわらず治療法は大きく変わりません。

白内障の治療①手術

内容・効果

白内障手術は目薬の麻酔、または注射による麻酔を追加して使用されますが、局所麻酔で行われるのが一般的です。そのため、「手術は怖い」と思われる方も多いと思いますが、痛みはほとんど感じませんし、痛む場合は麻酔を追加することが可能です。

手術は目の中にある水晶体というレンズを取って代わりに人工のレンズを入れてくるという方法で行われ、10~30分ほどで終了します。(状態によってはもっとかかるような難しい目の人もいます。)

手術の効果としては「視力が上がる」ことがあげられます。今まで汚れを通して見ていたものですが、汚れがなくなるのでその分見やすくなります。視力も手術前よりよくなることが一般的です。

リスク

99%問題ないといわれますが、わずかにはリスクがあります。
まぶたが下がる・目が疲れる・乱視・何となくの不調・黄斑浮腫・虹彩偏位・飛蚊症・まぶしさ・後発白内障・眼内炎・駆逐性出血・眼内レンズ縫着の必要性など、多くのリスクがあります。確率が高いというわけではありませんが、こういったリスクについても頭に入れておく必要があるでしょう。

白内障の治療②薬

薬での治療は、何よりリスク(危険性)が少ないところがポイントです。一方で手術のように根本的に治療ができないという問題点もあります。薬での治療は、あくまで「進行を遅らせる」というイメージが強いです。

薬の効果

白内障の目薬は本当に効くの?効かないの?というのは議論があります。実際にあまり効果がないという意見もある一方、ある程度効果があるという意見もあります。ただ総じて言えることは「ずばりと治る」「全く進まないように予防する」という薬ではないという事です。「少しは進行予防の役に立つ」という程度になってしまいます。

それでも、手術はしたくないという人にとって薬での治療は大切です。しわを見つけたとき、なるべくしわが増えないようにクリームなどを使うのと心情的には近いかもしれません。

白内障を治療する薬(具体的な薬の種類・効果・副作用)

現在一般に使われているのは、タチオン・カタリン(カタリンK)・カリーユニ・ピレノキシンという点眼薬です。そのほか飲み薬としてはチオラ・八味地黄丸・牛車腎気丸があります。

目薬にはあまり明確な副作用はありませんが、目薬で荒れてしまったりアレルギーを生じる事、防腐剤に目がまけてしまうということはあります。
飲み薬の副作用としては、チオラには黄疸・肺炎、八味地黄丸・牛車腎気丸には肝臓の異常や発疹があります。

薬の治療の未来

将来的には進行予防だけではなく、「目薬で白内障が改善するのではないか?」と期待もされています。

例えばNアセチルカルシトニン(CAN-C)などが注目されています。ただし現在人間に対して使える状態としては認められていません。そのため最初はよくても将来的に副作用が出てしまう可能性があります。輸入して使うという人もいますが、不用意な使用はリスクが高いものです。できれば使用しないで、将来的に白内障を治してくれる目薬が出てくることを待った方がいいでしょう。

CAN-Cを実際使った効果はどうでしょうか?私は実際にCAN-Cを使っていた患者さんにお話しを聞くだけではなく、目も見たことが何度かあります。今のところそれほど芳しい効果はなかったようです。

けれど、今後CAN-Cに代わる薬やより良い薬が出てくる可能性もあるので期待したいと思います。そのためには白内障になりにくい生活が大切です。白内障になりにくい生活については拙著「その白内障手術、待った」(時事通信社)にくわしい解説があります。

白内障の薬③その他の方法

そのほかの治療としてレーザー治療があるといわれています。実際白内障に対するレーザー治療はありますが、実はすべてをレーザーで行えるわけではなくて手術治療の一部をレーザーで補うというのが現在行われている方法です。手術室でレーザーを受けた後、手術を受けるという流れです。いろいろな媒体で、さもレーザーを打つだけで治るかのように書いてありますがそういうものは現在ありません。

まとめ

目薬の治療については賛否両論ありますが、リスクの少ない目薬を使うというのは一つの選択肢です。ただ医者によっては「それはよくない」という意見もあり主治医とよく相談する必要があります。そして何よりも白内障になりにくい生活、進行しにくい生活を意識することが、最も大切だといえます。