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目次:抗アレルギー薬ビラノアを徹底解説
■ビラノア®は医療用の抗アレルギー薬
・ビラノアの特徴は?
効果が強く眠気が少ない
食事により効果が下がる
注意が必要な飲み合わせ
薬価は高い?安い?
■ビラノア®とデザレックス®の違い
ビラノア®は医療用の抗アレルギー薬
ビラノア®はデザレックス®と同じく、平成28年9月28日に製造承認を受け、平成28年11月18日に薬価基準収載(医療用医薬品としての値段が登録)、医療用として販売開始となったばかりの新薬です。 デザレックス®と同様に、ビラノア®はアレルギー性鼻炎や蕁麻疹、皮膚疾患によるかゆみを抑える効果を持つ薬です。抗アレルギー薬の中でも第二世代抗ヒスタミン薬に分類される薬です。 第二世代抗ヒスタミン薬については、前回のデザレックス®の記事を参照してください。(
デザレックスとクラリチンの違い)
ビラノアの特徴は?
実は、第二世代抗ヒスタミン薬はすでに多く存在し、様々な改良が重ねられています。なので、医療関係者もあまり新薬が登場するとは思っていなかった分野なんです。今回、ビラノア®とデザレックス®が登場するということで、私自身、その特徴が気になっていました。
効果が強く眠気が少ない
ビラノア®の主成分はビラスチンという第二世代抗ヒスタミン薬です。承認前に行われた臨床試験の結果によると、ビラノアはすでに販売されているジルテック®と同等以上の抗ヒスタミン効果を発揮できることがわかっています。ジルテック®やその改良型のザイザル®という薬は抗アレルギー薬として強い効果を持っていますがどうしても眠気を起こしてしまうことがあります。ですが、ビラノアは眠気を引き起こす頻度が非常に少ないという特徴も併せ持っています。
第二世代抗ヒスタミン薬で眠気が少ない薬というと、アレグラ®(フェキソフェナジン)、クラリチン®(ロラタジン)、そして新しく登場したデザレックス®(デスロラタジン)が代表です。ビラノア®(ビラスチン)はそれらの薬と同じくらい眠気を起こしにくく、添付文書の運転に関する注意の記述も省かれています。
ということで、ビラノア®の第二世代抗ヒスタミン薬としての一番の特徴は、強い効果と眠気の少なさということがわかります。
食事により効果が下がる
ビラノア®の服用方法は「1回20mg(1錠)を1日1回空腹時に経口投与する。」となっています。ここで気になるのが「空腹時」という言葉です。
ビラノア®は食事と一緒に服用することで効果が大きく下がることがわかっています。試験では食後に服用することで半分近く吸収が下がっています。ですので、ビラノア®は「食事の1時間以上前、もしくは食後2時間以上経ってから」飲むようになっています。「1日1回、寝る前」といった形で処方されるようになることが多いのではないかと思います。
注意が必要な飲み合わせ
ビラノア®は服用の際に注意が必要な薬や食べ物が存在します。
以下の薬はビラノアの効果を強くしてしまう可能性があります。
・エリスロマイシン(エリスロシン®など)
・ジルチアゼム(ヘルベッサー®など)
また、これとは別にグレープフルーツジュースと一緒に服用することで吸収が半分になったという結果があります。
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薬価は高い?安い?
ビラノア®の薬価は1錠あたり79.70円です。デザレックス®が1錠あたり69.40円なので、ビラノア®の方が高いですね。
ちなみに、効果の比較に登場したジルテック®は92.20円(ジェネリックは22.10〜52.30円)、ザイザル®は1錠あたり96.40円となっています。
効果から見ると安いと言えるのではないでしょうか?
ビラノア®とデザレックス®の違い
2つの第二世代抗ヒスタミン薬が同じ日に承認、薬価収載、販売開始となるのは珍しいことです。となると、その違いが気になるところですよね?ということで、ビラノア®とデザレックス®の違いについて、簡単にまとめてみたいと思います。(効果の強さについては単純な比較は難しいのですが)
抗ヒスタミン作用の強さ
ビラノア>デザレックス
※ビラノアはジルテックと同等以上の効果
眠気の起こりにくさ
服用のしやすさ
ビラノア<デザレックス
※ビラノアは空腹時のみに制限
服用可能年齢
ビラノア<デザレックス
※ビラノアは15歳以上、デザレックスは12歳以上
飲み合わせの少なさ
値段の安さ
こうしてみると、それぞれ一長一短といったところですね。
実際に処方される場合は、症状や体質、服用している薬等から考えて処方されます。薬は単純に効果が強ければいいというものではないので、単純にどちらが優れていると言えるものではありません。ですが、この2つの薬を見てもらえば、同じ種類(第二世代抗ヒスタミン)の薬でも、薬ごとにそれぞれの特徴があるということがわかってもらえるのではないでしょうか?