肺気腫(はいきしゅ)・COPDとは?

慢性閉塞性肺疾患(COPD)は何年もかけてゆっくり発病する病気

昔は肺気腫と呼んでいましたが、現在は慢性閉塞性肺疾患(COPD)と呼びます。
アルファベットばかりで覚えにくく、患者さんにもまだまだ浸透していません。

厚生労働省は2012年に、COPDの認知度80%を目標に対策を始めました。しかし、4年たった2016年12月の時点での認知度はどのくらいかお分かりでしょうか?50%?いえいえ、たったの25%です。COPDのことを知っているのは、日本国民の4人に1人なんです。2013年には一時的に認知度が30%くらいまで上昇しましたが、その後対策の甲斐なく現在の認知度に至ります。
さて、COPDは「慢性」と名前がついているように、急激に起こるものではなく何年もかけてゆっくりと発症する病気です。ご存知のようにこの疾患はたばこによって起こるもので、喫煙量が多い人ほど発症しやすくなります1),2)。

喫煙者は要チェック。肺がんなどの病気リスクが上昇する喫煙量は?

喫煙量は、たとえば医療従事者にはブリンクマン指数が知られています。
そんな堅苦しいものではないので、ご安心ください。この指数、(1日あたりの喫煙本数)×(喫煙年数)で表されます。たとえば、1日1箱(20本)のたばこを10年間吸っている人は、ブリンクマン指数20×10=200です。一般的にブリンクマン指数が400を超えると肺がんなど病気のリスクがグンと上昇することが知られています。

現在喫煙している人は、一度ブリンクマン指数を計算してみてください。400を超えていて、なおかつ息切れ症状がある場合は要注意です。

COPD(肺気腫)の症状は?

COPDの症状のほとんどが、息切れです3)
また頻度は高くありませんが、痰や咳を訴える患者さんも多いです。息切れが出現するほどのCOPDは、軽症とは言えません。内科的な治療が必要になるでしょう。

息切れを自覚せず、健康診断などで胸部レントゲン写真やCT写真に異常を指摘されて発見されるCOPD患者さんもいます。肺が風船のように膨らんでしまうので、呼吸器科医が画像を見ればおそらく一発で診断可能です。

たばこを長年吸っている人で、「なんだか呼吸器系の症状が気になる」という人はCOPDにかかっていないか、近くの病院で検査を受けた方がよいでしょう。

COPD(肺気腫)は治る?

COPD(肺気腫)は治らない

本題に入りますが、残念ながらCOPDは治りません
一度たばこの煙によって壊れてしまった肺はもとには戻らず、風船のようになってしまった肺はそのままです。あれ、でも先ほど私は「内科的治療」と書きましたよね。そう、治療法は存在するのです。「治らないけど治療法が存在する」という、なんだか矛盾した表現。一体どういうことでしょうか?

COPDはたとえ禁煙したとしても、老化とともにゆるやかに進行していきます。そのため、40歳や50歳で禁煙したとしても、70歳の時点で周囲の同年代の人と同じ生活ができるわけではありません。そのため、内科的治療は「これ以上悪化させないため」あるいは「今ある自覚症状を少しでも軽減するため」に導入するものであって、COPDを完治させる夢の治療ではありません。

COPD(肺気腫)の治療は、症状をやわらげるための姑息的治療が主要

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