登場人物

★ゆきさん
雪原 匠(ゆきはら たくみ) 49歳 男性
ゆきさん薬局の管理薬剤師&オーナー
顔の見える薬剤師を目指し、日々奮闘中

★斉藤 ゆき
斉藤 ゆき(さいとう ゆき) 44歳
じんましん、頻尿
医師の言われたまま薬を利用していたが、実は納得していない

じんましんの薬、効いていますか?

いつも忙しそうにしている斉藤さんが、ゆきさん薬局に来店されました。
時間が無いのか、薬局はゆきさん薬局だけではなく、コンビニ感覚で時間の都合のつく薬局を利用しています。
今日もいつもと同じザイザルとトビエースが処方されていました。

※ ザイザル
一般的に、アレルギー性鼻炎や蕁麻疹等に利用される1日1回服用する薬
※ トビエース
一般的に、尿意切迫感や頻尿に利用される1日1回服用する薬
今日の斉藤さんは、ゆったりとした雰囲気だったので、状況をゆっくりと確認しました。

ゆきさん
「斉藤さんは、ザイザルをじんましんに利用していたのですよね。効き具合はいかがですか?」

斉藤さん
「忙しいから、薬だけお願いしたの。効果ねえ、飲んでいても痒いときは痒いわ」

ゆきさん
「それじゃあ、効いていないときもあるんですね」

斉藤さん
「そうね、でもそんなものでしょ。体調にもよるだろうし」

ゆきさん
「確かにそうですが、せっかく飲んでもらうのだから、最大限効果が見られる様に飲んでもらいたいなあ。それで、具体的にはどんな感じなんですか?」

斉藤さん
「飲み始めてから、痒みは随分と治まった気はするけど、完全ではないのよね」

ゆきさん
「つまり、すこし痒みがあるということですね」

斉藤さん
「はい」

ゆきさん
「眠気の副作用の方は、いかがですか?」

斉藤さん
「最初は眠くなったけど、今は慣れたから、さほどでもありません。そもそも眠くなるといけないから、寝る前に飲んでいましたから」

ゆきさん
「眠気の副作用が大丈夫なら、残りは効き目を確実にしたいですね」

斉藤さん
「そうよね」

専門医の確認をします

ゆきさん
「トビエースの方の効果は、いかがですか?」

斉藤さん
「これはとても調子が良いの。トイレの回数が減って、とても助かっています」

ゆきさん
「それは良かった!専門医が、きちんと患者さんにあう薬を処方してくれているのですね。調剤している薬が効いていると言われるのが、一番うれしいです。
ところで、あらい皮膚泌尿器科には二人の先生がいるのはご存知ですか? 」

斉藤さん
「えぇ知っています。湊先生は泌尿器科が専門で、週に一度しか来ていません。私はエコー検査とかあるから、湊先生に診てもらっているの。院長で女医さんの新井先生が、皮膚科が専門なんでしょ」

ゆきさん
「湊先生が泌尿器科、新井先生が皮膚科の専門医なのはご存じなのですね。じんましんのことを、新井先生にご相談されたことはあるのですか?」

斉藤さん
「最初に診察をしてもらったのは、新井先生でした。じんましんの相談をして、ザイザルを処方してもらいました。その後、頻尿の相談をしたら、湊先生を紹介されて、それからはずっと湊先生に診てもらっています」

ゆきさん
「湊先生とはじんましんについては、どんなご相談をされているのですか?」

斉藤さん
「『いつものザイザルも出しておきますね』だけです」

ゆきさん
「それでは、ザイザルを漫然と飲んでいることになりますね」

困っていることを具体的に教えてください!

ゆきさん、斉藤さんにじんましんの状態について詳細に聞き始めました。
「ザイザルで不満な部分は、どんなときに感じるのですか?」

斉藤さん
「お風呂から上がってきたときに、痒いのよね。体を温めると痒くなるのはわかるのだけど、寒いからお風呂にゆっくりつかって温まりたいのよ」

ゆきさん
「そうですね。お気持ちよくわかります。それでは、寝る前に薬を飲んで眠くなるどころか、痒くて眠れないくらいなのではないですか?」

斉藤さん
「痒くて眠れないは、言い過ぎかも...」と話しかけましたが、「そうねえ、そんなこともあるかもしれないわ」と言い換えました。

ゆきさん
「日中、じんましんは出ていませんか?」

斉藤さん
「日中の具合は、本当に体調によるわ。全然大丈夫なときもあれば、薬が切れるのか、昼食後過ぎから痒くなるときもあります」

ゆきさん
「斉藤さん、お風呂はいつもいつ頃はいられるんですか?」

斉藤さん
「夕食が終わって、夕方の片づけをしているときに夫と子供たちがお風呂に入るので、私がお風呂に入るのは寝る前です」
ゆきさん
「今までの話を勘案すると、夕食後にポララミン、朝食後にザイザルが良いと思いますよ。夕食後にポララミンを飲めば、お風呂上がりのかゆみ予防にもなるし、ザイザルよりも眠気の副作用が強い傾向があるので、よく眠れると思います。また、薬が切れて痒みが出ることもあるようなので、朝食後にザイザルを服用しておけば、昼過ぎのかゆみ予防になります」

斉藤さん
「それは良いわね。でも先生にはどう相談すればよいかしら?」

ゆきさん
「やはり、皮膚科が専門の新井先生にご相談するのが良いでしょう。新井先生なら私も面識があるので、お薬手帳に処方提案として記入しておきますね。このお薬手帳を先生にお渡しください。提案を見て、新井先生なりに考えて処方してくださると思います。」

斉藤さん
「それは助かるわ。お薬手帳ってそんな使い方もあるのね。どうもありがとう」

ゆきさん
「こちらこそ、斉藤さんとゆっくりお話ができて良かったです。そのお薬で安定したら、湊先生に今まで同様にお薬をお願いするので良いと思います。湊先生も、新井先生の処方を尊重すると思いますよ」

そう言われて嬉しそうに帰っていく斉藤さんを、いつも通り見送るゆきさんでした。

※ゆきさん薬局の物語に登場する人物は、フィクションです