解熱剤について

そもそも解熱剤とはどんな薬なのか、使い方や注意点などを解説します。解熱剤を飲んでも熱が下がらないときはどうすればよいのかを、知っておくことも大切ですね。
『解熱剤』とは

解熱剤は「解熱鎮痛薬」とよばれる薬です。
解熱剤のほとんどは、熱を下げるだけでなく、痛みを抑える作用も同時に持っています。病院では、風邪やインフルエンザなどで高熱が出たときのほか、頭痛やのどの痛みなどの症状があるときにも用いられることがあります。
解熱剤が熱を下げるしくみとしては、脳にある体温中枢に作用して熱を下げるものと、炎症を引き起こす原因物質が発生するのを抑えるはたらきをするものがあります。
いずれも、発熱の原因となっている病気を治すものではありません。一時的に症状を抑える対症療法です。
『解熱剤』を使うタイミング・注意点

解熱剤は、38.5℃以上の発熱を目安に使用してください。基本的には、熱が出たときはあまりむやみに解熱剤を使わない方がよいとされています。
理由は「熱が出る」というのは細菌やウイルスをやっつけるために必要な反応だからです。細菌やウイルスの多くは、36℃〜37℃付近の温度で増殖します。そのため発熱して体温を上げることで、細菌やウイルスが体の中で増殖するのを防いでいるのです。
少し熱が出たからといって解熱剤を使用してしまうと、増殖を防ぐ力がはたらかなくなってしまいます。ただ、熱が高いと体力も消耗します。高熱が出てつらいときには我慢しすぎず、解熱剤に頼ることも大切です。
解熱剤を使用しても熱が下がらないとき

解熱剤を使用しても熱が下がらないことは、めずらしいことではありません。解熱剤の作用に対して、体の発熱が上回っているということです。
先ほどお伝えしたとおり、発熱は病気を治す上で必要な反応なのです。熱が下がらないからといって、短時間の間に解熱剤を追加で飲むことはしないでください。解熱剤を必要以上に飲むことで、逆に肝臓などの臓器に負担をかけてしまう恐れもあります。
水分をしっかりととって、ゆっくり休みましょう。子どもであれば熱が下がらなかったとしても、多少元気が出てきて水分がとれるようになっていれば、解熱剤はある程度はたらいていると言えるでしょう。