1.市販薬アストフィリンsについて

アストフィリンSは収縮した気管支を広げる成分と、咳自体を直接抑える成分、アレルギーを抑える成分が配合されたお薬になっています。また糖衣錠と言って白糖で覆って苦味を抑えて飲みやすいお薬となっています。
処方箋が必要な医薬品とは違い、ドラッグストアで手に入れることができる市販薬となっています。

 

1-1. アストフィリンSに含まれている成分と効果

・ジプロフィリン(含量225mg)
収縮した気管支を広げて、ヒューヒューと音が伴うような咳に効果があり、痰を出しやすくする効果もあります。


・dl -メチルエフェドリン塩酸塩(含量18.75mg)
ジプロフィリン同様に収縮した気管支を広げて喘息を伴う咳と痰を出しやすくする効果を持っています。また肺に入る血流量を増加させて気管支粘膜の充血は浮腫(むくみ)などを除去する効果もあります。


・ノスカピン(含量30mg)
延髄にある咳中枢を抑えて咳を直接的に止めます。


・ジフェンヒドラミン塩酸塩(含量45mg)
アレルギー症状を抑える効果があります。そのため、アレルギー症状の一つである喘息を伴なう咳を抑えます。

2-2. アストフィリンSはどんな場合に使用される?

長く続く痰が絡まないような咳やゼーゼー、ヒューヒューと音が伴うような咳など喘息に近い咳症状に効果があります。
埃やダニなどのハウスダスト、寒暖の差や喫煙などの刺激によって気管支にアレルギー性の炎症を起こすことで気管支が狭くなってしまうことがあります。気管支が狭くなることで空気の通り道が狭くなってゼーゼーを音が伴うような咳症状が出ますそれらの症状を喘鳴と呼びます。

 

2-3. アストフィリンSって早く効く?

飲み薬の特性上飲んだ瞬間に効果を発揮する訳ではありません。
飲み込んだお薬は胃を通ってから小腸で吸収されて、肝臓を通って血流に乗って気管支にたどり着きます。そこまでにかかる時間が15分〜30分ぐらいかかります。そのため咳が出てからでは少しの間、効果が出るまで待たなければなりませんので咳が出そうな時に飲むのがいいでしょう。

 

2-4. アストフィリン S服用の注意点

アレルギーを抑える成分を含んでいるため眠気が出たる口の渇きが出ることがありますので車の運転には注意が必要です。
心臓病、高血圧症、糖尿病、緑内障、甲状腺機能障害、てんかんと診断を受けた人は症状を悪化させることがあります。


妊婦や授乳婦、高齢者、他の薬剤を服用している人や今まで薬でアレルギーを起こしたことがある人は医師、薬剤師に相談をする必要があります。

 

 ①処方されるアストフィリン配合錠は同じもの?

アストフィリンSとは別にアストフィリン配合錠というものがあります。アストフィリン配合錠をもらうには処方箋が必要で医師の診断がないといけません。アストフィリンSとの違いはパパベリン塩酸塩という成分が入っていることです。パパベリン塩酸塩はジプロフィリンやdl-メチルエフェドリン塩酸塩とは違う効く仕組みで気管支を拡げて咳を鎮める効果があります。そのためアストフィリンSよりさらに咳に対する効果が強く出ます。しかし、成分が増えることで副作用のリスクも増えるので注意が必要です。

 

②咳の症状の違いと疑われる疾患

(1) 咳症状のチェックポイント
まず、咳が2週間以上続く場合は風邪ではない可能性が高いです。風邪の原因は9割近くがウィルスが原因と言われています。ウィルスは体内に入って増殖しますが増殖力が弱いので2週間以上続く事は稀です。一方、細菌が原因の場合は症状が重くなることが多いですが抗生物質での治療が可能となります。


高齢者や長い喫煙歴のある方で、運動した後で息切れがしたり、痰が増えたりする場合はCOPD(慢性閉塞性肺疾患)の可能性があります。咳が急に出だすと止まらなくなったり、夜間に悪化する場合などは咳喘息が疑われます。
痰に血が混じる場合は肺結核や肺がんなどの可能性もあります。
その他にも胸焼けや酸っぱいものがこみ上げたり横の状態で悪化したりする場合は逆流性食道炎かもしれません。薬の副作用ということも考えられます。


次のような症状の有無、環境を確認してください
・発熱・寝汗・息切れ・喘鳴・胸焼け。喉の違和感・喫煙歴・体重変化・痰の色・痰に血が混じる・夜間の悪化・降圧剤の内服
これらのチェックポイントの有無を確認して病院受診時に伝えることで診断を正確にすることができます。

 

(2) 代表的な病気での症状経過
肺や気管支の異常によるもので咳を伴う代表的な病気では喘息やCOPDがあります。その中でも急性的に症状が進むのが喘息になります。一度咳が出だすとなかなか止まらずに呼吸が難しくなってしまいます。夜間に悪化する場合には喘息の可能性もあります。
歩行時に軽く息切れをしたり、夜寝ている時に呼吸が苦しくなって起き上がると楽になる場合は心不全などの心臓に関わる病気の可能性が挙げられます。


降圧剤の中には痰の絡まない咳(空咳)が副作用として出現する可能性があるものもあります。
咳が2週間以上続く場合は上記のチェックポイントを踏まえて医療機関に受診することを勧めます。


(3) 咳症状に対しての治療法、対策
咳症状に対しての治療には咳そのものを止める薬剤、気管支を拡げて呼吸の通りを良くする薬剤、気管支の炎症を抑える薬剤、痰を抑えて気道に絡むのを防ぐ薬剤があります。


アストフィリンSは咳そのものを止める成分、気管支を拡げて呼吸の通りを良くする成分、気管支の炎症を押させる成分が配合されており、多角的に咳症状を抑えることができるのが特徴と言えるでしょう。


その他に日常生活でできる咳の対策には加湿、水分摂取、生活習慣改善があります。
湿度が低いと気管の粘膜が乾燥してウィルスや細菌、埃やハウスダストなどのアレルゲンが付着しやすくなって咳の原因なります。
食生活が偏ったり、睡眠時間が少なかったりすると免疫が下がって感染症にかかりやすくなったりします。
そのため生活習慣を改善していくことと並行して、部屋の湿度を一定に保って水分をこまめにとって喉が乾燥しないようにすることが咳症状の予防になります。

 

3.その他の咳止めの薬


ミルコデ錠A
気管支を拡げて咳を抑える成分であるテオフィリンとdl−メチルエフェドリン塩酸塩と痰を
薄めて出しやすくする3種類の3種類の生薬エキスとグアイフェネシンを配合した咳止め薬になります。アストフィリン Sと似た働きをする薬剤になりますが痰を出しやすくなる成分を含んでいるので痰が絡む咳にも効果が期待できます。


新コンタックせき止めダブル持続性24カプセル
咳中枢に直接働きかけて咳を止めるデキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物と気管支を拡げて咳を鎮めるジプロフィリンが配合されていますが他の薬に比べて持続性が長く1日2回服用で済むのが特徴の薬剤になります。

4.こんなときは早めに病院へ

市販の薬剤を服用して3日過ぎても改善が見られない場合は病院で受診する必要があります。
また、熱が三日以上続く場合、咳が2週間以上続く場合だけでなく普段と体調が違う場合にも医療機関に受診することをお勧めします。

 

5.おわりに

咳が続くと体力が消耗して普段の生活に支障をきたすこともあります。
その場合は市販薬に頼ることも重要な手段になりますが、即効性に関しては飲み薬の特性上すぐには効果を発揮することができません。15分から30分くらいかかるので咳が出そうなときに使用するのがいいでしょう。それでも治らない場合は耳鼻科など専門の医療機関を受診してください。