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ドリエル 6錠
最安値 743円
ドリエルはどのような薬か
一部の風邪薬や鼻炎薬には、「抗ヒスタミン薬」と呼ばれる成分が含まれています。これは文字通り、体内に存在するヒスタミンという物質の作用に拮抗するものです。
では、ヒスタミンは身体にどのような作用をもたらすのか。もっとも卑近(ひきん)な例は、アレルギー症状です。具体的には、鼻水・くしゃみ・皮膚のかゆみなどがこれにあたります。抗ヒスタミン薬は、こうした症状を抑える目的で使われています。
一方で、抗ヒスタミン薬には無視できない副作用もあります。代表的なのは眠気です (1)。特に、古い世代の抗ヒスタミン薬ではこうした副作用が顕著です。
ドリエルの有効成分である「ジフェンヒドラミン」は、もっとも古典的な抗ヒスタミン薬です。眠気の副作用は通常ならば問題となるところですが、不眠で困っている人にとってはむしろ有益な作用となり得ます。
こうした理由から、抗ヒスタミン薬の眠気という副作用を治療目的に利用したのが、ドリエルというわけです。
ドリエルの睡眠改善効果
ドリエルはたった今述べたような効果によって、寝つきが悪い、眠りが浅いといった睡眠に関する症状・問題を改善します。
ただし、この薬はあくまでも短期的な使用にとどめるべきです。というのも、ドリエルの有効成分であるジフェンヒドラミンを繰り返し飲んでいると、わずか4日程度で眠気が起こりにくくなるからです (2)。
専門的には、こうした現象を「耐性が生じた」といいます。つまり、長期間飲み続けても、効果があるのは最初の数日だけで、それ以降はムダな薬を使うことになります。
なお、耐性が生じてからどのくらいの期間をあければ元の状態に戻るかについては、現時点ではよく分かっていません。
加えて、後述する病院でもらう睡眠薬と比較すると、ジフェンヒドラミンは眠気の起こる程度や睡眠の質の点で、これにやや劣る傾向にあると考えられます (3)。
この試験は高齢者を対象に行われたものなので、若い人も同様のことがいえるかは明らかでありませんが、上で書いた内容と併せると、ドリエルが長期使用に向かないことは間違いなくいえます。
したがって、例えば出張などで睡眠時の環境が変わるために眠れない、といった原因が明らかかつ一時的な不眠に使用するのが、もっとも効果的な薬といえます。
ドリエルとドリエルEXの違い
現在市販されているドリエルには「ドリエル」と「ドリエルEX」という2つの製品があります。これらは、含まれる有効成分やその量は同じです。
両者の違いは、主に以下の3点です。
薬の形:
ドリエルは普通の錠剤、ドリエルEXはラベンダーの香りがついたソフトカプセル。
1回の服用数:
ドリエルは1回2錠、ドリエルEXは1回1カプセルを服用します。
製品展開:
ドリエルには3日分と6日分の2種類が販売されていますが、ドリエルEXは6日分のみです。
基本的に、期待される効果などはどちらも変わりありませんので、上記の点を考慮して好みの方を選択すればよいでしょう。
ドリエルの注意すべき副作用・飲み合わせ
A:口の渇き
B:尿が出にくくなる
C:眼圧の上昇
D:眠気
AからCについては、ジフェンヒドラミンが持つ「抗コリン作用」が関係するものです。これは、体内に存在する「アセチルコリン」という物質の作用に拮抗する作用のことです。
特にBとCがあるために、ドリエルは前立腺肥大や緑内障といった持病がある人は通常服用できません。購入する際に相談するべきでしょう。
Dについては、そういう効果の薬なのだから当たり前だろうと思うかもしれません。ここでお伝えしたいのは、飲んですぐに眠くなるということではなく、翌朝以降に残る眠気です。
ジフェンヒドラミンは飲んで12時間経過しても、結構な割合がまだ脳に残っていることが知られています (4)。これにより自覚できるような眠気が起きるかは人によって異なりますが、思いのほか効果が長引く可能性は知っておいた方が無難です。
次に、ドリエルとの飲み合わせに注意すべきものについて。ドリエルと絶対的に相性の悪い薬 (併用禁忌といいます) は知られていません。
しかし冒頭でも書いたように、ドリエルに含まれるジフェンヒドラミンと同じグループの抗ヒスタミン薬は、風邪薬などに入っていることが多いものです。
よって、こうした薬を使っているときにドリエルを追加すると、同じような成分が重複する可能性があります。やはり購入するときに、この点も確認した方がよいでしょう。
病院でもらう睡眠薬との違い
ドリエルは市販薬ですが、病院で処方される睡眠薬とは何が違うのでしょうか。
病院から出される薬を「医療用医薬品」と呼ぶのですが、医療用医薬品の中で睡眠薬として使われるものには、いくつかの系統があります。しかしながら、現時点でもっとも汎用されているのは「ベンゾジアゼピン系」という系統ですから、ここではこれについて述べます。
眠気を起こす、睡眠の質を上げる、夜中に起きる回数を減らすといった効果は、ドリエルでもベンゾジアゼピン系薬物でも、共通して認められます (3)。
大きな違いとしては、ベンゾジアゼピン系薬物では適切に使用すれば耐性があまり問題にならないことが挙げられます。したがって、月単位など長期で使う場合は、こちらの方が向いています。
またベンゾジアゼピン系には、さまざまな効果の持続時間を持った薬物が存在します。これにより、例えば寝つきが悪いだけの人には短時間型を、夜中に起きてしまうことが多い人には長時間型を、といった症状に応じた使い分けが容易にできることも、ドリエルとの違いといえるでしょう。
なお、不眠は何らかの病気の症状として現れることもあります。具体的にはうつ病や統合失調症などの精神疾患はもちろん、ホルモンの分泌異常を起こす内臓関係の病気などです。故に、不眠が長引く場合は一度医療機関を受診することを推奨します。
この場合、まずは内臓関係の病気を調べるために普通の内科に行き、そこで検査などを受けてからその後の対応を決めるのが一般的です。
ドリエルと同じタイプの市販薬
ドリエル以外にも、市販の睡眠薬はありますが、基本的に有効成分は同じジフェンヒドラミンでその量も同じです。そのため、効果や使用上の注意点なども上で述べた内容がすべてそのまま当てはまります。
具体的な商品名を、いくつか紹介します。
・アンミナイト
・カロ―ミン
・デイトナS
・ナイフル
・ネオデイ
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アンミナイト 30ml
最安値 328円
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カローミン
最安値 305円
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デイトナS
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ネオデイ 12錠
最安値 690円
まとめ
・ドリエルは風邪薬などに含まれる抗ヒスタミン薬の副作用である眠気を利用した薬である
・連用すると数日で効果がなくなるので、あくまでも一時的に用いるべきである
・口の渇きなどの副作用のほか、持病によっては服用できないことがあるので事前に相談する
・不眠が長引く場合は、病院を受診して然るべき治療を受けるべきである
参考文献
・Nolen TM, Clin Ther. 1997 Jan-Feb;19(1):39-55 PMID: 9083707
・Richardson GS, et al. 2002 Oct;22(5):511-5. PMID: 12352276
・Glass JR, et al. J Clin Psychopharmacol. 2008 Apr;28(2):182-8. PMID: 18344728
・Zhang D, et al. J Clin Psychopharmacol. 2010 Dec;30(6):694-701. PMID: 21105284
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