目次:【点鼻薬】アラミストとエリザスの違いを解説

1. 点鼻薬アラミストとエリザスの成分の違い
(1) ステロイドの点鼻薬とは?
(2) アラミストの成分
(3) エリザスの成分
2. 点鼻薬アラミストとエリザスの違い
(1) 液体タイプと粉末タイプの違い
(2) デバイスの違い
(3) 眼の症状への効果の違い
(4) 小児への適用の違い
3. アラミストとエリザスどちらが良いの?
5. アラミストとエリザスの副作用の違い
4. アラミストとエリザスの価格の違い 2017.2時点
6. おわりに

1. 点鼻薬アラミストとエリザスの成分の違い

(1) ステロイドの点鼻薬とは?

アラミストとエリザスは、ともにステロイドの点鼻薬に分類されます。ステロイド点鼻薬は、鼻の粘膜で起こるアレルギー症状に対して、高い抗炎症効果が期待できるお薬です。
かつてのメディアの影響で、「ステロイド=副作用が強い」というイメージをお持ちの方も多く、過度に心配してしまう方もいるかと思います。ただし、点鼻薬においては、局所的に作用するため、全身に対する副作用の心配はほとんどありませんのでご安心下さい。
花粉症の治療法において、ステロイド点鼻薬は、かつては中等症(軽症と重症の中間)以上で用いられることが一般的でしたが、近年では、軽症、初期の段階から用いられるお薬(第一選択薬)と位置付けられるようになりました。初期の、症状が軽いときから使用することで、ピーク時に症状が悪化するのを抑えることができるとされています。
参考)2016年版鼻アレルギー診療ガイドライン

(2) アラミストの成分

アラミストは、2009年に発売された点鼻薬です。
アラミストには、鼻の粘膜の炎症を抑えるステロイド成分である「フルチカゾン フランカルボン酸エステル」が含まれています。従来から使用されていた点鼻薬フルナーゼ(成分:フルチカゾン プロピオン酸エステル)と比較すると、効果が発現する時間が早く、持続時間が長いというのが特徴です。
1日1回各鼻腔に2噴霧ずつ(小児:1噴霧ずつ)の投与で効果が持続します。使用時間帯は決まっていませんが、使い忘れないように毎日同じ時間帯を決めて使うようにしましょう。

(3) エリザスの成分

エリザスは、2009年に専用噴霧器ツインライザーを利用して使用するカプセル剤(利用時にカプセルを充填して使用)が販売され、より利便性を考慮し、2012年にカプセルの充填を必要としない粉末噴霧式タイプのエリザスの点鼻薬が販売されました。
エリザスには、鼻の粘膜の炎症を抑えるステロイド成分である「デキサメタゾンシペシル酸エステル」が含まれています。また、防腐剤や保存剤を含んでいない粉末タイプであることが特徴で、より刺激の少ないタイプのお薬です。
1日1回各鼻腔に1噴霧ずつの投与で効果が持続します。使用時間帯は決まっていません。

2. 点鼻薬アラミストとエリザスの違い

(1) 液体タイプと粉末タイプの違い

まず、アラミストは「液体タイプ」の噴霧式で、エリザスは「粉末タイプ」の噴霧式、という違いが挙げられます。

液体タイプ

噴霧した瞬間に液体が鼻の中に入ってくるのが分かるため、お薬が入ってくることを実感できます。一方で、噴霧した後に、(アラミストの場合は、細かな霧状のため少ないですが)液が垂れてくることがあります

粉末タイプ

液体タイプは、一般的に細菌の繁殖を抑えるために防腐剤や保存剤を含んでいますが、エリザスの場合は、防腐剤や保存剤を含んでおらず、乳糖水和物だけが添加物となっています。その結果、炎症を起こし過敏になっている鼻粘膜の状態に対し、より刺激が少なく作用をし、過敏症などのリスクを下げる効果が期待できます。一方で、噴霧した後に噴霧しても、粉末がごく微量であるため、お薬を入れたという実感を得づらいという特徴もあります。

(2) デバイスの違い

デバイスというのは、お薬をいれるための点鼻の装置のことです。
アラミストとエリザスではデバイスに違いがあります。

アラミストのデバイスの特徴

アラミストのデバイスは、人間工学に基づいて設計された「横押し式」となっています。横にレバーがあり、使用する前に6回ほど押して噴霧できることを確認する(空打ち)という手順を行なった後は、レバーを押すだけで使用できます。特に複雑な動作がいらず、使いやすいことが特徴です。

エリザスのデバイスの特徴

残りの回数が表示されるカウンター付きのデバイスであることが特徴です。

簡単に説明すると、
① ノズルをまわす
② トントンする(お薬の充填)
③ ノズルをもどす
④ ポンプ部分を押して噴霧する
という4つの手順で使用することができます。

残りの回数がカウンターで確認できるため、0になった時点で、新しいものに取り替えれば良いので、残量が分かりやすいです。
若干、操作に手順が必要ですが、残量が分かるのが便利ですし、従来販売されていたカプセルを充填して使うタイプより、断然使いやすくなりました。

(3) 眼の症状への効果の違い

アラミストとエリザスでは、鼻症状に対する抗炎症効果に大きな差はありません。アラミストにおいては、点鼻薬ですが、眼の症状(眼のかゆみ、流涙、眼の赤み)に対しても効果が認められたという海外の臨床データがあります。確かな原因は分かっておらず、個人差があると考えられます。

参考

アラミストが眼の症状に効果がある理由としては、眼の症状が出るメカニズムのひとつに、鼻-眼軸索反射(じくさくはんしゃ)が推定され、鼻腔内でのアレルギー反応をおさえることで眼の症状が改善する可能性があると考えられているためです。
[Scadding GK et al ; Expert Opin Pharmacother 2008 ; 9(15).2707-15]

(4) 小児への適用の違い

アラミスト

2014年3月に添付文書の改訂があり、小児への適応が追加になりました。
15歳未満の小児において適応があります。

・15歳未満 1日1回 各鼻腔1噴霧ずつ
・15歳以上 1日1回 各鼻腔2噴霧ずつ
※但し低出生体重児、新生児、乳児又は2歳未満の幼児に対して使用経験がなく、安全性が確立しておりません。

エリザス

現状では、小児への適応はありません。 小児に対する安全性は確立していません。

3. アラミストとエリザスどちらが良いの?

鼻症状に対する効果に差があると直接比較した公式な臨床比較データはなく、どちらも効果自体に大きな差はないといえます。

けれど、前述したようにそれぞれには特徴がありますので、症状やご年齢、又、デバイスの使いやすさなどで、どの点鼻薬が適しているかは人によって異なってきます。主治医との相談の上、ご自分に適した点鼻薬を選ぶことが大切です。

4. アラミストとエリザスの価格の違い 2017.2時点

(1) アラミストの価格

アラミスト点鼻液27.5μg56噴霧用
[→成人14日分、小児28日分] 2017.1円
※現状は、ジェネリック医薬品は販売されていません。

(2) エリザスの価格

エリザス点鼻粉末200μg28噴霧用 5.6mg
[→成人14日分] 1779.5円
※現状は、ジェネリック医薬品は販売されていません。

成人が14日分使用することで考えると、現状では、アラミストよりエリザスの方が多少安くなります。

5. アラミストとエリザスの副作用の違い

アラミスト、エリザスともに、指示どおりに正しく使用することで、副作用の心配はほとんどありません。点鼻薬というと、鼻症状がひどいときに何度も使ってしまいがちですが、アラミスト、エリザスともに1日1回の使用で効果が期待できるお薬になります。回数を多く使ったからといって効果が高まるわけではなく、副作用のリスクが高まる可能性が出てきますので注意が必要です。

副作用についての詳細は、公的文書を確認するか、又は医師、薬剤師にご相談下さい。

アラミストの副作用例

・鼻血
・鼻の不快感
・臨床検査値の異常
・過敏症
など

エリザスの副作用例

・鼻の不快感
・のどの不快感
・臨床検査値の異常
・過敏症
など

稀に起こりうる重大な副作用としては、アナフィラキシー反応(呼吸困難、全身潮紅、血管浮腫、蕁麻疹等)があります。観察を十分に行って、いつもと違う様子が見られる場合には、すぐに医療機関に相談するようにしましょう。

6. おわりに

花粉症などのアレルギー性鼻炎に用いられる点鼻薬、「アラミスト」と「エリザス」の違いについて参考になりましたでしょうか?

アラミスト、エリザスにはそれぞれ特徴があり、ご自身に合ったお薬を医師との相談の上、選ぶことが大切です。
花粉シーズンは、鼻症状で悩まれる方が多くいらっしゃいます。少しでも快適に生活を送れるように、うまくお薬とつきあっていただけますと幸いです。