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1. シロップ薬について
お子さんがよく飲むことがあるお薬には、粉薬とともにシロップのタイプがあり、味やにおい、色などは子供が好むように工夫されています。年齢や体重によって、1回に服用するお薬の量が定められています。
基本的には、症状に合わせて複数のお薬が混合されているため、服用する前にはよく振って混ぜる必要があります。
2. お薬を飲むタイミングについて
子供用のお薬は、空腹時に飲んでも副作用や効果に影響が出るようなものは少ないため、必ずしも食後に飲まなければいけないというわけではなく、お薬によっては、授乳前や食前に飲ませることもできます。
食後だと、口を閉じてしまい、薬を飲んでくれないことが多くあります。なかなか嫌がって飲んでもらえない場合は、空腹時を選ぶことをおすすめします。
また、飲ませるタイミングで寝ている場合は、無理やり起こして飲ませようとはせず、起きて機嫌が良いときに飲ませましょう。その場合は、1日3回のお薬の場合は、5-6時間、1日2回のお薬の場合は、9-10時間以上の間隔をあけるようにします。次に、スポイトでの飲ませ方について説明します。
3. スポイトでのシロップ薬の飲ませ方
(1) シロップ薬を良く振って、よく混ぜる
シロップのお薬には、症状に合わせて、いくつかのお薬が混ざって入っていることが多くあります。そのため、飲む前にはよく振って、よく混ぜるようにしましょう。まぜずに飲むと、せっかくお薬を飲んだのに、十分に効果が出ないことがあります。
(2) お薬の量をしっかり測る
次に、指示されたお薬の量を正確に測ります。容器に目盛がついている、若しくは、目盛つきのカップがついていることもありますので、それで測るようにします。目盛を真横から見るようにすると正確に測ることができます。
(3) スポイトを利用する
スポイトは薬局でもらえることがありますし、又、薬局・ドラッグストアで、お薬専用のスポイトが販売されています。
正確に測ったお薬を、スポイトで吸い上げます。飲ませるコツとしては、舌の上に乗せないように、頬の内側を伝わらせてゆっくり垂らすようにします。舌の上は味覚を感じやすく、お薬の苦みを感じ吐き出してしまう可能性があります。又、口の真ん中に、スポイトを差し込んで勢いよく入れると、咳こんでしまい、うまく飲み込めないことがありますので注意しましょう。
(4) スプーンを利用する
離乳食が進んでいる場合、スプーンを利用してお薬を飲ませることも可能です。一度に入れようとすると、むせたり、舌でスプーンを押し出し嫌がって飲まないこともありますので、少しずつゆっくり飲ませるようにしましょう。
また、市販で、シロップ薬を飲ませるための専用のスプーンも販売されており、お薬専用に飲みやすく作られています。
(5) 哺乳びんの乳首を利用する
哺乳びんの乳首に慣れている場合は、お薬を哺乳瓶の乳首に入れて、飲ませる方法もあります。ただ、乳首の穴が狭く、お薬が十分に出なかったり、時間がかかってしまうこともあります。その場合は、お薬専用に、乳首の穴を少し大きくしたものを別で用意しましょう。
4. シロップ薬に関するQ&A
同じような症状なので他人の薬を飲んで良い?
兄弟で同じ症状なので同じお薬を飲んでも大丈夫ですか?とよく質問を受けることがあります。年齢や体重が違うと、効果を出すために必要なお薬の量が変わってきますので、自己判断で飲まないようにしましょう。症状が同じに見えても違う病気である可能性もありますので、必ず医療機関を受診し、その症状にあったお薬をもらうようにしましょう。
シロップ薬の期限は?
基本的には、処方されている日数分が期限になります。薬局で、開封された瓶から容器に移したものなので、数ヶ月も保管できるようには想定されていません。雑菌が増えている可能性もありますので、処方された日数以上経ちましたら、服用せず、捨てるようにしましょう。
シロップ薬をお水などで薄めても良い?
シロップの味が濃くて飲みづらい場合、お水で薄めていただいてももちろん大丈夫です。その場合は、もともとシロップ薬は飲む量が多いですので、飲みきれる量で薄めるようにしましょう。
大人がシロップ薬を頼んでも良い?
錠剤や粉薬が苦手な場合、大人でもシロップ薬を頼めるか相談を受けることがあります。
基本的に、シロップ薬は、子供用の量をベースに設定されています。
そのため大人の量に換算した場合、飲む量が大量になり、逆に飲みづらくなってしまうこともありますので、注意が必要です。口の中で溶けるタイプの錠剤など、より飲みやすく開発されているものもありますので、相談されると良いでしょう。もちろん、嚥下が難しい方など本人に事情がある場合、シロップ薬が処方されるケースもあります。
5. シロップ薬・容器・スポイト等の保管の注意点
シロップ薬は雑菌の発生防止のため、蓋をきちんと閉めて、冷蔵庫に保管しましょう。薬を服用する際は、容器に直接口をつけて服用したり、一度出したシロップ薬を元に戻したりすると、雑菌が発生しやすくなります。
また、指示された服用期間を過ぎ、残ったシロップ薬はとっておかないようにして下さい。
また、薬を飲ませるために利用した、スポイト、スプーン、哺乳瓶の乳首等も必ず清潔に保つように注意しましょう。
おわりに
最後に、お薬を飲ませた後は、いつもと違う気になる症状が出ていないか様子をみるようにしましょう。アレルギー反応や副作用が出る可能性があります。もし、そのような症状の変化がある場合は、医師や薬剤師にすぐに相談するようにしましょう。
スポイトを使ったシロップ薬の飲ませ方をぜひ参考にしていただき、しっかりとお薬を服用していただくことで、少しでもはやく症状が良くなることを願っています。