目次
ピアスホールの膿に効く市販薬によく含まれている成分
①細菌感染を起こしている
②かぶれや炎症を起こしている
このどちらかによって、使用する成分が異なります。ここではその成分ごとに、どんな場合に使用するのかを見ていきます。
①:抗菌薬成分
細菌感染はピアスホールが不潔になったり、ピアス装着時にホールを傷つけてしまうことで細菌が入り込むことが原因で起こります。嫌な匂いがする場合は感染を起こしていると考えたほうが良いでしょう。
この場合、細菌の増殖を抑えることが必要ですので、抗菌薬成分が入っている薬剤を使用します。
病院では感染がひどい場合には抗菌薬の内服治療を行うこともありますが、市販の場合は塗り薬のみとなります。
感染を起こしているときには、ステロイド単独で使用すると悪化してしまうので注意が必要です。
②:ステロイド成分
消毒薬でかぶれたり、ピアスによる金属アレルギーを起こしている場合には、炎症を抑える事が必要です。その場合に使用するのがステロイドです。
塗り薬で局所に使用しますので、正しく使用すれば副作用も多くはありません。
ただし、感染を起こしている場合には、悪化させてしまうことがありますので注意が必要です。
自分では判断がつかないこともあるかと思いますので、市販薬を使用する際は抗菌薬成分を一緒に含むものを使用したほうが良いでしょう。
③:抗ヒスタミン薬成分
アレルギー症状を抑える内服薬です。アレルギー反応で痒みが強い場合にステロイドの塗り薬と合わせて使用すると良いでしょう。眠気などの副作用が起こりやすいので、どうしても塗り薬だけでは痒みが強い場合だけ使用するほうが良いでしょう。
ピアスホールの膿を緩和できる市販薬の選び方・ポイン
いざ自分でケアをしようとして市販薬を買いに行っても、たくさんあって何を選べばいいかわからない、ということも多いのではないでしょうか。
ここでは自分でおくすりを選んでいく際のポイントについて説明していきます。
ポイント①:感染の有無を重視する
ピアスホールから膿が出る場合、まず細菌感染の有無を考えます。ジュクジュクして嫌な匂いの膿が出る場合や痛みがある場合は細菌感染を疑います。
この場合は細菌の増殖を抑えることが大切です。
患部を清潔にするとともに、抗菌薬成分の入っている塗り薬を使用する事で細菌増殖を抑えます。
ポイント②:炎症の強さを重視する
消毒薬によるかぶれや金属アレルギーを発症した場合、炎症が起こることでピアスの周囲が赤くなったり、かゆくなったり、ジュクジュクとして膿が出ることもあります。この場合、まず原因となっている消毒薬やピアスの使用を中止することが大切です。
その上で、炎症を抑えるステロイドの塗り薬を使用します。
アレルギーなど症状が強い場合、弱すぎるステロイドでは効果が不十分になることが多いです。赤みが強い場合などは、ストロングランクのものを選びます。
軽い赤みの場合はマイルドランクのものにしましょう。
いずれも長期間の使用では皮膚が薄くなるなどの副作用がおこることがあります。塗る量が少なかったり、弱すぎる薬剤では使用期間が長引きやすいですので、症状の強さに合わせて正しく選びましょう。
炎症があるとバリア機能が弱まっており、感染を起こしている可能性もあります。自分で感染がないか判断するのは難しいですので、抗菌薬成分が一緒に入っているもの選ぶのもよいでしょう。
ポイント③:かゆみの強さを重視する
ステロイドの塗り薬を使用してもかゆみが強い場合には、内服薬を併用することもできます。ただし、症状が強い場合は病院を受診することをおすすめしますので、すぐに病院に行けないなどの場合に使用するようにしましょう。この場合、抗ヒスタミン薬と呼ばれるアレルギー症状を抑える薬を使用します。
眠気や口渇、便秘などの副作用がありますので注意する必要があります。
【厳選】ピアスホールの膿を緩和するのにおすすめの市販薬 9選
それでは実際に市販されている薬剤をご紹介したいと思います。
ご自身の症状に合わせて選ぶようにしましょう。
ポイント①:抗菌薬成分を含む市販薬 3選
感染がある場合に使用するお薬です。抗菌薬成分によって、細菌の増殖を抑えます。
痛みがあったり嫌な匂いがする場合はこちらから選ぶと良いでしょう。
かぶれや金属アレルギーの場合には効果は期待できません。

こんな方に
化膿している方に
刺激の少ない軟膏剤
コリスチン硫酸塩、バシトラシンの2つの抗菌薬を配合しています。
幅広い菌への効果が期待できます。透明〜白色の軟膏で、服への着色も気になりにくいです。
分類 | 第2類医薬品 |
有効成分(含有量)/主成分(含有量) | 1g中 コリスチン硫酸塩 50,000単位/バシトラシン 250単位 |
効果・効能 | 外傷・火傷等の化膿予防及び治療、膿痂疹(とびひ)、せつ、癰(よう)、 疔(ちょう)、毛嚢炎、湿疹、グラム陽性・陰性菌の単独及び混合感染による皮ふ疾患、化膿症、伝染性皮ふ炎、皮ふ潰瘍 |
用法・用量 | 1日1~数回、適量を患部に塗布 |
薬・サプリメント・食品のタイプ | 軟膏 |
妊娠中・授乳中の使用 | 使用可能 |
使用が可能な年齢 | 記載なし |
1回の使用あたりのコスト(目安) | 50円 |

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こんな方に
医療用と同じものが良い方に
医療用医薬品と同成分配合
病院で医師から処方されるおくすりと全く同じ成分の塗り薬です。
2種類の抗菌薬成分配合で幅広い菌に効果があります。
黄色い軟膏なので白い服などにつかないように注意しましょう。
分類 | 第2類医薬品 |
有効成分(含有量)/主成分(含有量) | 1g中 オキシテトラサイクリン塩酸塩30mg(力価)/ポリミキシンB硫酸塩10,000単位 |
効果・効能 | 化膿性皮ふ疾患(とびひ、めんちょう、毛のう炎) |
用法・用量 | 1日数回、適量を患部に塗布、又はガーゼ等に延ばして貼付 |
薬・サプリメント・食品のタイプ | 軟膏 |
妊娠中・授乳中の使用 | 使用可能 |
使用が可能な年齢 | 記載なし |
1回の使用あたりのコスト(目安) | 70円 |

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こんな方に
ベタつきが嫌な方に
クリーム剤でベタつきにくい
有効成分に幅広い菌に効果があるクロラムフェニコールを配合。
白色のクリーム剤で軟膏に比べてベタつきにくいです。
軟膏に比べると傷に刺激になりやすいので、ピアスホールを開けたばかりや傷ができているときは注意しましょう。
分類 | 第2類医薬品 |
有効成分(含有量)/主成分(含有量) | 100g 中 クロラムフェニコール 2g(力価) |
効果・効能 | 化膿性皮ふ疾患(とびひ、めんちょう、毛のう炎) |
用法・用量 | 1日数回、適量を患部に塗布、又はガーゼ等に延ばして貼付 |
薬・サプリメント・食品のタイプ | クリーム剤 |
妊娠中・授乳中の使用 | 使用可能 |
使用が可能な年齢 | 記載なし |
1回の使用あたりのコスト(目安) | 30円 |
ポイント②:ステロイド成分を含む市販薬 3選
かぶれや金属アレルギーによる炎症を抑える場合に使用します。刺激の少ない軟膏を選ぶと良いでしょう。
感染を起こしている場合は悪化する恐れがありますので、市販薬を使用する場合は抗菌薬成分を含むものを選ぶと良いでしょう。

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こんな方に
アレルギー症状が強い方に
効果の強いストロングランクのステロイド軟膏
市販薬では一番強いランクの軟膏です。特に炎症が強い場合におすすめです。
抗菌薬成分も一緒に入っているため万が一細菌感染を起こしているときでも悪化しにくいです。
短期間での使用にとどめるようにしましょう。
分類 | 指定第2類医薬品 |
有効成分(含有量)/主成分(含有量) | 100g中 ベタメタゾン吉草酸エステル 0.12g /フラジオマイシン硫酸塩 3.5mg(力価) |
効果・効能 | 化膿を伴う次の諸症:湿疹、皮膚炎、あせも、かぶれ、しもやけ、虫さされ、じんましん 化膿性皮膚疾患(とびひ、めんちょう、毛のう炎) |
用法・用量 | 1 日 1~数回、適量を患部に塗布 |
薬・サプリメント・食品のタイプ | 軟膏 |
妊娠中・授乳中の使用 | 妊娠中は要相談、授乳中は可能 |
使用が可能な年齢 | 記載なし |
1回の使用あたりのコスト(目安) | 100円 |

こんな方に
アレルギー症状をしっかり抑えたい方に
ストロングランクのステロイド含有
市販薬では一番強いランクの軟膏です。特に炎症が強い場合におすすめです。
抗菌薬成分も一緒に入っているため万が一細菌感染を起こしているときでも悪化しにくいです。
短期間での使用にとどめるようにしましょう。
分類 | 指定第2類医薬品 |
有効成分(含有量)/主成分(含有量) | 1g中 フルオロシノロンアセトニド0.25mg/フラジオマイシン硫酸塩 3.5mg(力価) |
効果・効能 | 化膿性皮膚疾患(とびひ、めんちょう、毛のう炎) 化膿を伴う次の諸症:湿疹、皮膚炎、あせも、かぶれ、しもやけ、虫さされ、 じんましん |
用法・用量 | 1 日 1~数回、適量を患部に塗布 |
薬・サプリメント・食品のタイプ | 軟膏 |
妊娠中・授乳中の使用 | 妊娠中は要相談、授乳中は可能 |
使用が可能な年齢 | 記載なし |
1回の使用あたりのコスト(目安) | 100円 |

こんな方に
強めのステロイドは気になる方に
ミディアムランクのステロイド軟膏で使いやすい
市販薬で真ん中ランクであるミディアムランクのステロイドです。あまり強いステロイドは使用したくないという方にも比較的使用しやすい強さとなっています。
抗菌薬成分が2種類含有されているため幅広い菌への効果が期待できます。
分類 | 指定第2類医薬品 |
有効成分(含有量)/主成分(含有量) | 1g中 バシトラシン 250単位/フラジオマイシン硫酸塩 3.5mg(力価)/ヒドロコルチゾン酢酸エステル 2.5mg |
効果・効能 | 化膿性皮膚疾患(とびひ、めんちょう、毛のう炎) 化膿を伴う次の諸症:湿疹、皮膚炎、あせも、かぶれ、しもやけ、虫さされ、 じんましん |
用法・用量 | 1 日 1~数回、適量を患部に塗布 |
薬・サプリメント・食品のタイプ | 軟膏 |
妊娠中・授乳中の使用 | 妊娠中は要相談、授乳中は可能 |
使用が可能な年齢 | 記載なし |
1回の使用あたりのコスト(目安) | 70円 |
ポイント③:抗ヒスタミン成分を含む市販薬 3選
痒みなどがひどい場合に、ステロイドの塗り薬と合わせて使用する飲み薬です。市販のお薬で皮膚症状に使えるお薬をピックアップしてご紹介します。

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こんな方に
眠気が少ない薬を希望の方に
眠気が少なく使いやすい
比較的眠気や口の乾きなどの副作用が少ない、第2世代と呼ばれる抗ヒスタミン薬です。
ステロイドの塗り薬だけでは効果が少なくかゆみが治まらない場合などに使用するとよいでしょう。
分類 | 第2類医薬品 |
有効成分(含有量)/主成分(含有量) | 1日2錠中 アゼラスチン塩酸塩(2mg) |
効果・効能 | じんましん、しっしん、かぶれによる皮膚の腫れ、かゆみの緩和:皮ふのはれ、かゆみ 花粉・ハウスダストなどによるアレルギー症状の緩和:くしゃみ、鼻みず、鼻づまり |
用法・用量 | 1回1錠 1日2回 |
薬・サプリメント・食品のタイプ | 錠剤 |
妊娠中・授乳中の使用 | 不可 |
使用が可能な年齢 | 15歳以上 |
1回の使用あたりのコスト(目安) | 1錠75〜92円 |

こんな方に
眠気が気になる方に
眠気が少ない第2世代!ビタミン類も含有
比較的眠気などの副作用が少なく使いやすい第2世代の抗ヒスタミン薬です。
また皮膚症状の改善を助けるビタミンであるビタミンB6,ニコチン酸アミドも一緒に入っています。
分類 | 第2類医薬品 |
有効成分(含有量)/主成分(含有量) | 1日2錠中 メキタジン(4mg)/リボフラビン(12mg)/ピリドキシン塩酸塩(30mg)/ニコチン酸アミド(60mg) |
効果・効能 | じんましん、湿疹・かぶれによるかゆみ、鼻炎 |
用法・用量 | 1回1錠 1日2回 |
薬・サプリメント・食品のタイプ | 錠剤 |
妊娠中・授乳中の使用 | 要相談 |
使用が可能な年齢 | 15歳以上 |
1回の使用あたりのコスト(目安) | 1錠126円 |

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こんな方に
かゆみで夜眠れない方に
かゆみ・湿疹に優れた効果
第1世代と呼ばれる抗ヒスタミン薬で、かゆみや湿疹に対して高い効果が期待できます。
眠気や口の乾きなどの副作用も強く出やすいため注意が必要です。
症状が強いときに短期間で服用しましょう。
分類 | 第2類医薬品 |
有効成分(含有量)/主成分(含有量) | 1日9錠中 クロルフェニラミンマレイン酸塩(13.5mg)/ピリドキシン塩酸塩(22.5mg)/グリチルリチン酸カリウム(180mg)/グルコン酸カルシウム水和物(1,350mg) |
効果・効能 | 皮膚のかゆみ、湿疹、じんましん、皮膚炎、かぶれ 鼻炎 |
用法・用量 | 1回3錠 1日2〜3回 |
薬・サプリメント・食品のタイプ | 錠剤 |
妊娠中・授乳中の使用 | 妊娠中は要相談、授乳中は可能 |
使用が可能な年齢 | 4歳以上 |
1回の使用あたりのコスト(目安) | 3錠39〜42円 |
【比較一覧表】この記事で紹介している商品
市販薬を使用するときのポイントや注意点について

病院で処方されるお薬の場合は、医師や薬剤師から説明がありますが、市販薬の場合は説明がないことも。
ここでは市販薬を使う場合の副作用や注意点などをご紹介します。
使用するときのポイント・副作用はあるの?
市販薬を使用するのは化膿の程度が軽度の場合や、すぐに受診するのが難しい場合にのみ使用するようにしましょう。ひどくなってくると痕が残ったり、硬くなったり、ケロイドができてしまったりすることもあります。金属アレルギーは一度起こると改善は難しいとされています。繰り返さないためには原因となる金属を特定することが必要です。皮膚科などを受診するようにしましょう。
今回ご紹介している抗ヒスタミン薬の飲み薬の場合は、比較的眠気が少ない薬剤でも車の運転などは避けるようにしましょう。
薬を使用して普段と違ったり、おかしいと思うことがあれば受診、または薬剤師に相談するようにしましょう。
こんなときは病院へ
症状がひどい場合や、ピアスホールが腫れていたり、硬くなっている場合は受診しましょう。市販薬だけでは改善が難しい場合があります。通常2〜3日で効果が出てくる場合が多いです。
市販薬で6〜7日以上ケアしても改善しない場合は必ず受診しましょう。その際は使用した医薬品を持参すると良いでしょう。
自己判断での7日を超えての市販薬の使用は避けるようにしましょう。
金属アレルギーが疑われる場合も、原因となる金属を特定したほうが良いですので、受診することをおすすめします。
『ピアスホールの膿』に関するQ&A

ピアスホールの膿のケアについて、よくある質問をいくつかご紹介します。

インターネット上では、開けたばかりのピアスホールに予防的に使用するというコメントも見受けられますが、傷に対するオロナインH軟膏の適応はすり傷、切り傷です。ピアスホールへの使用は認められていません。
また、ピアスホールに残った軟膏に雑菌が増殖し不潔になる可能性もあります。予防的に使用することはおすすめできません。




傷を治そうと体が反応する結果、リンパ液やクラスティと呼ばれる液体が出てくることがあります。
リンパ液はサラサラとしていますが、クラスティは膿が固まったようになることもあります。悪いものではないので、無理に剥がしたり出そうと刺激を与えないようにしましょう。数日で落ち着いてくるとされています。あまりに長く続くようなら医師に相談しましょう。
ピアスが耳に癒着してしまうといいう話を耳にしたことがあるかもしれませんが、人体と異物が癒着することはありません。無理にピアスを動かしたりすると、治りかけの傷をこするのと同じで悪化したり治りが悪くなりますのでやめましょう。

まとめ
ピアスホールの膿はよくあるトラブルです。
ただし、ケアを間違うと痕が残ったりケロイドになったりすることも。
予防のためには、普段から清潔にすることを心がけましょう。
ただし、予防的に塗り薬を使用するのは逆効果になることもありますので注意しましょう。
膿などの症状が現れたら、軽度の場合は市販薬を使用してケアを行い、症状が強い場合は早めに受診するようにしましょう。
※掲載内容は執筆時点での情報です。