《花粉症初心者必見》病院の「処方薬」と「市販薬」どちらが良い?

花粉症は、スギなどの花粉が原因となって発症するアレルギー疾患の1つです。突如、くしゃみ、鼻水、目のかゆみなどの症状があらわれ、今まで平気だったのに突然、花粉症と診断されることもあります。 国民の約30%が花粉症といわれていますので1)、非常に多くの方が花粉症に悩まされ、花粉症シーズンには何らかのお薬を服用し、治療していると想定されます。 昨今、花粉症の市販薬も充実してきており、病院に行って薬を処方してもらうか、それとも市販のお薬を購入するか、どちらが良いのか迷われている方も多くいらっしゃいます。判断基準の1つとして、この記事を参考にしていただけると幸いです。

1. はじめて花粉症になったら

今までなかったのに、突然花粉症のような症状があらわれた場合、できれば、まずは病院にいくことをおすすめします。

理由としては、最初にその症状が本当に花粉症なのか判断してもらうことが大切だからです。風邪症状の可能性もあります。医療機関によっては、アレルギー検査を受けることもできますので、原因(抗原)が何であるかを調べてもらいましょう。

すでに症状に我慢できず、自分の判断で市販のお薬を購入して飲んでいる方もいるかもしれません。
その場合は、1-2週間たっても症状が良くならなければ、そのお薬がご自分に合っていなかったり、症状の原因が別にあったりすることが考えられますので、病院を受診するようにしましょう。

2. 病院の処方薬と市販の薬どちらが良いか?

毎年、花粉症に悩まされている方の中には、病院に通うのは、待ち時間もかかるし、行く手間もかかるので、市販薬でよく効くお薬があるのであれば、それで済ませたいと思っている方も多いはずです。実際に効き目の違いや、費用面の違いはどのくらいあるのでしょうか。

1) 病院の処方薬と市販薬、薬の効き目はどちらが強い?

昨今、もともと病院で処方されていたお薬が、市販薬としても発売されています。アレジオン20(エピナスチン:医療用と同量)やアレグラFX(フェキソフェナジン塩酸塩:医療用と同量)などCMでおなじみの商品も病院で処方されていたお薬です。

他にもストナリニZ(セチリジン塩酸塩:医療用と同量)、スカイナーAL(アゼラスチン塩酸塩:医療用と同量)、エバステルAL(エバスチン:医療用の半量)というお薬もあります。種類に関しては、徐々に市販薬が充実してきてはいますが、病院の薬と比較するとまだまだ少ないのが現状です。

市販薬は、気軽に購入できるという観点から、安全面を考慮し、副作用のリスクを軽減するために量を少なくして販売されているものもあります。しかし、アレジオン20やアレグラFXなど処方薬と同量の成分を含んでおり、同じ効果、同じ効き目の強さを期待できる市販薬も多くなってきましたので、効き目は処方薬、市販薬で同等のものがあると考えても良いでしょう。

2) 病院と市販薬、お金がかからないのはどっち?

次に気になるのが、費用面ですね。

病院の処方薬をもらうには、病院での診察にかかるお金に加え、薬局でもお金がかかります。通常は保険が適用されるので1割〜3割負担になります。通常、花粉症だと、14日~30日分のお薬をもらえることが一般的で、飲み薬だけではなく、症状に合わせて、目薬や点鼻薬なども一緒に処方されることがよくあります。

一方で、市販薬では、お薬代のみがかかります。ただ保険適用はもちろんないので、全額負担になります。症状に合わせて、飲み薬以外の目薬や点鼻薬を購入すると別途お金がかかってきます。

参考

■アレグラFX
14錠(7日分)  1314円(税別)
28錠(14日分) 1886円(税別)
■アレジオン20
6錠(6日分)  1380円(税別)
12錠(12日分) 1980円(税別)

両者を14日分のお薬で比較すると、病院の処方薬(診察代などもかかることも含め)と市販薬では、それほど値段の差はありません。

しかし、30日分や長期(毎年)で薬を服用する場合について考慮すると、病院で処方されるお薬のほうが圧倒的に安くなっていきます。また、ジェネリック医薬品を希望することで、さらに負担は減ります。

※ジェネリック医薬品
先発品(新薬)の特許がきれたあと、他のメーカーが先発品(新薬)と同じ有効成分で効能・効果が原則同じで販売します。開発コストを抑えて発売するため、先発品(新薬)より安くなります。

3)処方薬と市販薬では効能・効果が違う場合がある

例えば、市販薬のアレグラFXの場合は、花粉やハウスダストなどによるアレルギー性鼻炎に対してしか服用することができません。一方で、処方薬であるアレグラは、蕁麻疹や皮膚疾患などの症状に対しても利用されます。
市販薬が処方薬であるアレグラと同じように服用できない理由のひとつは、蕁麻疹などの症状の判断が難しいことや、症状が重症化したり、他の疾患に起因している可能性もあるため、医師の判断が必須で、自己判断でお薬を服用してしまうと危険が伴うことなどが考えられるためです。

市販薬の説明書をよく読み、ご自分の症状が効能・効果に含まれていない場合は、自己判断でお薬を飲まず、必ず医療機関を受診するようにしましょう。

4)処方薬と市販薬で服用可能な年齢が違う

お薬によっては、処方薬と市販薬で服用可能年齢が違う場合があります。

例えば、処方薬であるアレジオンは、医師の判断で小児でも量を調整して服用することができます。小児でも飲みやすいように細粒タイプもあります。一方で、市販薬であるアレジオンは、15歳未満のお子さんの服用はできません。小児に対しては、キッズバファリン鼻炎シロップS、新コンタック600プラス小児用などの市販薬があります。

小児に対するお薬の影響は大きく、量の微調整が必要で、慎重になる必要があります。そのため、お子さんの花粉症に関しては、勝手な判断で服用せず、必ず医療機関を受診するようにしましょう。

[結論]病院の薬と市販の薬どちらが良い?

結論としては、病院に行く時間がとれない、今すぐ薬が欲しい(緊急時)とされるときは、市販薬を購入しましょう。
ただし、待ち時間がなく、手軽に購入できる反面、自身の判断で服用するため副作用などの心配があります。購入される場合は、店舗にいる薬剤師や登録販売者としっかり相談されることをおすすめします。

症状がひどい、症状が続いている場合は医療機関を受診するようにしましょう。医師の診断を受け、相談していくことで、自分に合う花粉症の薬を見つけられますし、長期で服用していく場合は、病院の処方薬が安全性の面や、コスト的にも良いと思います。
症状に合わせて、飲み薬、点眼、点鼻薬など種類が豊富である病院の処方薬のほうが、選択肢が多くありますので、こちらも処方薬のメリットになります。

おわりに

私自身も花粉症に毎シーズン悩まされています。

急に症状がでて、我慢できないときは、市販薬を購入しますが、基本的には、病院でお薬を処方してもらうことが多く、自分によく効いて、かつ眠気が少ないお薬を理解しており、そのお薬で花粉症を乗り切っています。お薬の合う、合わないは個人差が大きいため、医師と相談しながら、お薬を指示どおりに飲むことが大切になります。市販薬、病院の処方薬に限らず、しばらく服用し、副作用がひどい場合や症状が改善しない場合は、すぐに病院を受診し、医師に相談するようにしましょう。

(参考文献)
1) 鼻アレルギー診療ガイドライン作成委員会. 鼻アレルギー診療ガイドライン 2016年版. ライフサイエンス.