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【薬剤師が解説】防已黄耆湯の効果・効能は?飲み合わせや副作用についても

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2024/9/13
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身体がむくんだり、肥満に悩んでいて「防己黄耆湯」を試したい方、またはすでに試している方は多いのではないでしょうか。
この記事では防己黄耆湯の効能・効果や注意点について紹介するとともに、市販薬として購入することができる防己黄耆湯について紹介します。また防己黄耆湯と他の医薬品との飲み合わせについても紹介します。
有名な「防風通聖散」との違いについても解説していますので、ぜひ参考にしてください。

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防已黄耆湯について


薬剤師

山本恭平さんのコメント

漢方薬の1つである「防已黄耆湯」とはどのような薬なのでしょうか?
まずは、構成している生薬や効能・効果、飲み合わせについて説明します。

防已黄耆湯とは

防己黄耆湯は漢方薬の一種で、消化吸収を助けながら、体に溜まった水を取り除くことで全身の機能を高める効果が期待できます。防己黄耆湯を構成する生薬はボウイ(防已)、オウギ(黄耆)、ビャクジュツ(白朮)、タイソウ(大棗)、カンゾウ(甘草)、ショウキョウ(生姜)です。中心となるボウイは炎症を抑えたり、体の中の水を調節したり、鎮痛作用があったりといった作用が報告されています。もうひとつの代表的な生薬であるオウギは汗を止めたり、おしっこを出しやすくする利尿作用や強壮作用があるとされています。

防已黄耆湯の効果・効能

防己黄耆湯の効能・効果は以下のとおりです。

体力中等度以下で、疲れやすく、汗のかきやすい傾向があるものの次の諸症:
肥満に伴う関節の腫れや痛み、むくみ、多汗症、肥満症(筋肉にしまりのない、いわゆる水ぶとり)

防已黄耆湯と防風通聖散どっちがいい?

ダイエット目的で防己黄耆湯を用いている方からは、「防風通聖散との違いは何か?」という質問をよく受けます。
結論から言うと、適応となる「証」いわゆる体質が異なります。防己黄耆湯は先ほどの効能・効果で述べたように体力中等度以下で疲れやすい方、つまり弱弱しくて水太りした方で汗っかきの方が良い適応となります。一方、防風通聖散は「体力充実して、腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちなもの」と記載されており、エネルギッシュで脂肪が多い方によい適応となります。

防已黄耆湯で改善が期待できる症状

防己黄耆湯の効能・効果から、「体力中等度以下で、疲れやすく、汗をかきやすい方」の、いわゆる多汗症の症状や水太りの肥満、肥満に伴う関節の痛みなどの症状に対して効果を発揮すると考えられます。

防已黄耆湯はどこで購入できる?

防己黄耆湯は医療用医薬品でも一般用医薬品でも製品があります。医療用医薬品は医師の処方せんを基に薬局で薬剤師に調剤をしてもらう必要がありますが、一般用医薬品、いわゆる市販薬は薬局やドラッグストアで購入可能です。

飲み合わせに注意は必要?

漢方薬の飲み合わせについては基本的に構成生薬が重複することに注意が必要です。防己黄耆湯には多くの漢方薬に含まれる「甘草(カンゾウ)」が含有されています。甘草の服用量が増えることで、副作用として高血圧や低カリウム血症などを生じる偽アルドステロン症となることがあります。


漢方薬のメリット・デメリット


漢方薬のメリット・デメリット

漢方薬のメリットは薬を使用できない方、いわゆる禁忌と呼ばれるものが少なく子どもから高齢者まで使用可能である点や自分の体質や症状に合わせて漢方薬を選択できること、飲み合わせに注意するものが少ないことが挙げられます。
デメリットとしては、体質に合わなければ効果が出ないことが挙げられます。効能・効果の項目でも記載しましたが防己黄耆湯は「体力中等度以下で、疲れやすく、汗のかきやすい傾向があるものの」の肥満症などの適応を有しますので、自分の体質に合っているか確認をする必要があるでしょう。


その他の治療方法のメリット・デメリット


その他いわゆる西洋薬の治療方法におけるメリットとしては体質に大きな影響を受けず一定の効果が期待できることや、即効性が期待できるものが多いことが挙げられます。

一方で、薬によっては禁忌が多数あったり小児や妊婦に使用できない薬があったりと、さまざまな注意事項があることがデメリットとして挙げられます。

【参考】防已黄耆湯おすすめ 5選

薬剤師 山本恭平さん厳選

ここからは市販薬で購入することのできる防己黄耆湯を5つ紹介します。
よくある粉末タイプのほか、錠剤タイプや大容量タイプのものをご紹介しています。


薬剤師おすすめ
ツムラ

ツムラ漢方 防己黄耆湯 エキス顆粒 20包

最安値 1,675

むくみや水太りが気になるときに

有効成分である防己黄耆湯が体の水分バランスを整えるとともに消化吸収を助け、水太り傾向の肥満に対して効果を発揮します。1日2回服用である点も飲みやすくてよいです。

分類 第2類医薬品
形状 顆粒剤
1回服用量 用法・用量の項目参照
用法・用量 成人(15歳以上):1回1包、1日2回
7歳以上15歳未満:1回2/3包、1日2回
4歳以上7歳未満:1回1/2包、1日2回
2歳以上4歳未満:1回1/3包、1日2回
食前に服用
1日の服用回数 1日2回
服用対象年齢 2歳以上
効能効果 体力中等度以下で、疲れやすく、汗のかきやすい傾向があるものの次の諸症:肥満に伴う関節の腫れや痛み、むくみ、多汗症、肥満症( 筋肉にしまりのない、いわゆる水ぶとり)
内容量 20包

薬剤師おすすめ
クラシエ薬品

コッコアポL 312錠

最安値 2,460

錠剤で毎日服用して水太りに効く

有効成分である防己黄耆湯が体の水分バランスを整えるとともに消化吸収を助け、水太り傾向の肥満に対して効果を発揮します。漢方薬ですが錠剤なので粉薬が苦手な方におすすめです。

分類 第2類医薬品
形状 錠剤
1回服用量 用法・用量の項目参照
用法・用量 成人(15歳以上):1回4錠、1日3回
5歳以上15歳未満:1回2錠、1日3回
食前に服用
1日の服用回数 1日3回
服用対象年齢 5歳以上
効能効果 体力中等度以下で、疲れやすく、汗のかきやすい傾向があるものの次の諸症:肥満に伴う関節の腫れや痛み、むくみ、多汗症、肥満症( 筋肉にしまりのない、いわゆる水ぶとり)
内容量 312錠

薬剤師おすすめ
クラシエ薬品

クラシエ防巳黄耆湯エキス錠 96錠

最安値 1,294

水太りの方に錠剤で効く

有効成分である防己黄耆湯が体の水分バランスを整えるとともに消化吸収を助け、水太り傾向の肥満に対して効果を発揮します。漢方薬ですが錠剤なので粉薬が苦手な方におすすめです。始めやすい8日分タイプです。

分類 第2類医薬品
形状 錠剤
1回服用量 用法・用量の項目参照
用法・用量 成人(15歳以上):1回4錠、1日3回
5歳以上15歳未満:1回2錠、1日3回
食前に服用
1日の服用回数 1日3回
服用対象年齢 5歳以上
効能効果 体力中等度以下で、疲れやすく、汗のかきやすい傾向があるものの次の諸症:肥満に伴う関節の腫れや痛み、むくみ、多汗症、肥満症( 筋肉にしまりのない、いわゆる水ぶとり)
内容量 96錠

薬剤師おすすめ
ロート製薬

和漢箋ラクリア 36錠

最安値 752

むくみやひざの関節の痛みに漢方で対応

有効成分である防己黄耆湯が体の水分バランスを整えるとともに消化吸収を助け、水太り傾向の肥満に対して効果を発揮します。漢方薬ですが錠剤なので粉薬が苦手な方におすすめです。パウチタイプで場所を取らず3日分から始められます。

分類 第2類医薬品
形状 錠剤
1回服用量 用法・用量の項目参照
用法・用量 成人(15歳以上):1回4錠、1日3回
5歳以上15歳未満:1回2錠、1日3回
食前に服用
1日の服用回数 1日3回
服用対象年齢 5歳以上
効能効果 体力中等度以下で、疲れやすく、汗のかきやすい傾向があるものの次の諸症:肥満に伴う関節の腫れや痛み、むくみ、多汗症、肥満症( 筋肉にしまりのない、いわゆる水ぶとり)
内容量 36錠

薬剤師おすすめ
小林製薬

ビスラットアクリアEX

最安値 2,780

水分バランスを調節しむくみ脂肪を落とす

有効成分である防己黄耆湯が体の水分バランスを整えるとともに消化吸収を助け、水太り傾向の肥満に対して効果を発揮します。漢方薬ですが錠剤なので粉薬が苦手な方におすすめです。1日2回服用かつ錠剤タイプで飲みやすいです。

分類 第2類医薬品
形状 錠剤
1回服用量 用法・用量の項目参照
用法・用量 成人(15歳以上):1回5錠、1日2回
食前または食間
1日の服用回数 1日2回
服用対象年齢 15歳以上
効能効果 体力中等度以下で、疲れやすく、汗のかきやすい傾向があるものの次の諸症:
肥満症(筋肉にしまりのない、いわゆる水ぶとり)、むくみ、肥満に伴う関節の腫れや痛み、多汗症
内容量 210錠

商品比較表


商品名

ツムラツムラ漢方 防己黄耆湯 エキス顆粒 20包

クラシエ薬品コッコアポL 312錠

クラシエ薬品クラシエ防巳黄耆湯エキス錠 96錠

ロート製薬和漢箋ラクリア 36錠

小林製薬ビスラットアクリアEX

最安値

1,675

送料:別 Yahoo! 詳細を見る

2,460

送料:別 Yahoo! 詳細を見る

1,294

送料:別 Yahoo! 詳細を見る

752

送料:別 Yahoo! 詳細を見る

2,780

送料:別 Yahoo! 詳細を見る
特徴 むくみや水太りが気になるときに 錠剤で毎日服用して水太りに効く 水太りの方に錠剤で効く むくみやひざの関節の痛みに漢方で対応 水分バランスを調節しむくみ脂肪を落とす
商品リンク

注意点・副作用について


薬剤師

山本恭平さんのコメント

防己黄耆湯の重大な副作用として、間質性肺炎、偽アルドステロン症、ミオパチー、肝機能障害が挙げられています。(参考:ツムラ防已黄耆湯 添付文書)
間質性肺炎はコンコンとした痰が絡まないような咳や微熱、呼吸困難・息切れなどが症状として挙げられます。偽アルドステロン症は先ほど説明したように血圧上昇や低カリウム血症の他にむくみなどを生じることがあります。ミオパチーは脱力感や四肢のけいれんなどの症状が出ることで気づくことがあります。肝機能障害は基本的には採血をしないと確認がしにくい副作用です。

こんなときは病院へ

先ほど説明した間質性肺炎や偽アルドステロン症、ミオパチーの症状が認められた場合や健診等で血液検査をして肝機能検査値が異常だった場合などは病院を受診した方がよいでしょう。また1カ月ほど服用しても症状がよくならない場合は服用を中止し受診した方がよいと考えられます。

飲み方のポイント

漢方薬は味が苦手であったり、顆粒が苦手な方もいると思います。飲み方のポイントとしては「水または白湯を先に含んでから漢方薬を飲む」ことと「必要に応じてオブラートを使用する」ことが挙げられます。

漢方薬を口に入れる前に、水などを先に口に含んだ状態で漢方薬を水の上に落とし一気に水と漢方薬を飲むことで漢方薬の苦みを感じる前に飲むことができます。オブラートは、使用することで薬の味を感じにくくする「食べられる包み紙」のようなものですが、最近では服薬ゼリーなども販売されています。気になる方は薬剤師や登録販売者に相談してみてください。


『防已黄耆湯』『漢方』に関するQ&A


『防已黄耆湯』『漢方』に関するQ&A

ここからは防己黄耆湯や漢方薬に関するよくある質問について、Q&A形式で紹介します。

効果が出るまでどのくらいかかる?
具体的に何日で効果を発揮すると言いにくいのが漢方薬です。西洋薬の痛み止めのように飲んだらその日の内に効いてきて効果を実感するというのが難しいと考えます。市販の防己黄耆湯の製品の説明書では「1カ月位服用しても症状がよくならない場合は服用を中止し、この文書を持って医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください」と記載がありますのでひとつの目安として1ヶ月までには効果が出始めると考えてよろしいかと思います。
防已黄耆湯を服用すると下痢の症状が出るって本当?
防已黄耆湯を服用すると下痢の症状が出るって本当?
黄連解毒湯の副作用についてはツムラ防已黄耆湯エキス顆粒(医療用)を参考にしますと下痢の記載はありません。
併用禁忌はある?
ツムラ黄連解毒湯エキス顆粒(医療用)を参考にしますと併用禁忌、つまり一緒に使用してはいけない薬は2024年9月現在ではありません。

まとめ


まとめ

ここまで防己黄耆湯の構成生薬や効能効果、使用するにあたっての注意事項や実際に購入することができる市販薬について紹介しました。防己黄耆湯は主に肥満症に対して使用されている方が多いと思いますが、体質に合っている方が使用することがとても重要です。自分の体質に合った漢方薬がわからない場合はぜひ薬局やドラッグストアの薬剤師に相談してみてください。

※掲載内容は執筆時点での情報です。

 

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