1. ステロイド薬とは?

1)ステロイド薬って何?

実はステロイド薬のステロイドとは、ホルモンの一種なのです。私たちの体の中にある副腎皮質という器官で、作られています。

ステロイドは、体内において、糖やタンパク質の代謝、抗炎症作用、免疫抑制作用、骨代謝など様々な働きをもっています。つまり、ステロイドは私たちが生きていく上で、なくてはならない重要なホルモンなのです。

このステロイドを治療に応用できないかと、人工的に開発されたものがステロイド薬になります。

2)様々な医療の場で利用されるステロイド薬

ステロイドと聞いて、一般の方がよくイメージされるのは、塗り薬(外用剤)ですが、実際には、飲み薬(内服薬)、吸入薬、点鼻薬、点眼薬、注射など、多くの種類があります。

主な効能・効果としては、抗炎症作用と免疫抑制作用になります。

気管支喘息などの呼吸器系の病気、クローン病などの消化器系の病気、皮膚の病気、膠原病、関節リウマチなど、軽度なものから重病まで、様々な疾患・症状に対して利用されています。

2.ステロイドの塗り薬と飲み薬の違い

多くの種類があるステロイド薬ですが、今回は、塗り薬(外用剤)と飲み薬(内服薬)についてそれぞれの特徴と注意点をお話します。

1)ステロイド塗り薬(外用剤)について

(特徴)
皮膚の炎症などに対して、塗り薬として局所的に利用されるものがステロイド塗り薬になります。

体内への吸収度の違いにより、「最も強力」、「かなり強力」、「強力」、「中程度」、「弱い」の5段階に分類されています。これらは、体の部位、症状に合わせて、処方されます。

(注意点)
外用薬は、局所的に作用するため、全身に作用することはほとんどありません。そのため、医師の指示どおりに利用していれば、副作用の心配は少なく、全身に対する副作用はほとんど心配ありません。ただ、正しく使用していても、まれに下記のような副作用が局所的に出ることがあります。通常、使用の中止や、使用方法を変更することで改善することで症状は良くなりますので、定期的に医師にチェックしてもらうようにしましょう。

<代表的な副作用>
・毛細血管拡張・・・血管が浮き出てみえる
・皮膚萎縮・・・皮膚が薄くなる
・皮膚に赤みがでる
・にきび
・感染症
・接触性皮膚炎・・・かぶれ、全ての塗り薬に共通する副作用

※医師の指示どおりに、使用部位、使用期間を守るようにしましょう。

2)ステロイド飲み薬(内服薬)について

(特徴)
特定の疾患で症状が強かったり、広範囲(全身)に症状が及んでいる、原因が特定している場合などに医師の指示のもと処方されるのがステロイド飲み薬になります。

膠原病や重度のアレルギー症状などで、免疫抑制剤として使われることもあります。効果は全身に作用し、期待される効果も高いです。
  

(注意点)
効果が全身に作用し、効果が高い反面、副作用が全身にわたって出る可能性があります。

また、ステロイド内服薬を長期で服用すると、体内でステロイドを作っている副腎機能の働きが低下する可能性があり、急に服用をやめると、体内のステロイドが不足し、悪影響が体に出てくる可能性があります。

そのため、症状が良くなっても、急に服用をやめず、医師の指示に合わせて、慎重に減量していきます。

<代表的な副作用>
・感染症
・糖尿病
・満月様顔貌(顔が月のように丸くなる)
・多毛症
・消化潰瘍
・骨粗しょう症
・副腎機能の低下
・高血圧


※自分の判断で、減量したり、中止してはいけません。医師の指示どおりに必ず服用するようにしましょう。

3. 誤解の多いステロイドの副作用

患者さんからも、ステロイドの塗り薬がでる度に、この薬は強い?弱い?など、過剰に副作用を気にする方が多くいらっしゃいます。

「ステロイド=副作用が強い」イメージのお持ちの方は、塗り薬と飲み薬を混同してしまっているかもしれません。

外用薬においては、医師の指示どおりに利用していれば、副作用は少ないお薬です。ステロイド薬は、お子様にも利用されますし、正しく使えば、安全で効果的なお薬なのです。

4.おわりに

ステロイドとひと言でいっても、様々な疾患で、多様な形で幅広く利用されています。臨床で利用されている期間も非常に長く、安全性に関するデータも多くあります。

そのため、塗り薬、飲み薬であっても、医師の指示を守って利用することで、多くの患者さんが救われています。過度に恐れたりせず、正しい理解のもと、ステロイド薬と向き合っていきましょう。