今回は、ジルテックとザイザルの作用や副作用の違いについて説明します。

ジルテックとザイザルの成分の違い

まずは、ジルテックとザイザルの成分の違いについて比較してみましょう。

ジルテックの成分

ジルテックは、1998年に販売されており、販売元は第一三共株式会社になります。ジルテックの成分は、「セチリジン塩酸塩」になります。

「抗ヒスタミン薬」とよばれるタイプのアレルギー症状を抑えるお薬に分類されます。

アレルギー症状の原因となる体内物質であるヒスタミンの作用を抑えることで、アレルギー症状に効果があります。具体的には、ヒスタミン受容体をブロックすることによって作用を示します。アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、皮膚疾患(湿疹・皮膚炎・皮膚そう痒症、アトピー性皮膚炎)に伴うかゆみの症状などにも効果が期待できます。

抗ヒスタミン薬の中でも、第2世代とよばれる比較的新しいタイプのお薬で、従来の抗ヒスタミン薬で多くあった副作用、口の乾きや排尿障害、又、眠気症状などが少ないとされています。

ザイザルの成分

ザイザルは、2010年より販売されており、販売元はグラクソ・スミスクライン株式会社になります。ザイザルの成分は、「レボセチリジン塩酸塩」になります。ジルテックの成分であるセチリジン塩酸塩と名称がよく似ております。
というのも、レボセチリジンは、セチリジンと同じ物質であり、「光学異性体※」とよばれるものになります。

セチリジンには、鏡像関係にある「R体」と「S体」とよばれる2つの物質が存在しています。実際に作用を示すのはR体であり、「R体」だけのほうが、作用が持続したり、眠気の作用を起こしづらいなどの性質があります。そこで、「R体」だけの物質をとりだしたお薬が、ザイザルの成分であるレボセチリジン塩酸塩になります。

※光学異性体・・・光学異性体とは、成分の組成は同じで、鏡像関係にある対照的な立体構造をもつ化合物のことをいいます。簡単にいうと、組成は同じだけれど、立体構造が違うものと考えて下さい。

ジルテックとザイザルの違い

ザイザルとジルテックの違いのポイントは大きく2つあります。
①効果が持続する
②副作用である眠気が出にくい

効果が持続する

R体は、S体と比べて、ヒスタミン受容体をブロックする作用が強く、又、ブロックし続ける時間が長いとされています。実際に効果を示しているのはR体ともいわれています。

そのため、R体だけで構成されるザイザルは、ジルテックの半分の量で同じ効果を発揮し(ザイザルは通常5mgで服用、ジルテックは通常10mgで服用)、1日1回の服用で24時間、効果がしっかり持続します。

眠気が出にくい

一般的にアレルギー症状をおさえる抗ヒスタミン薬の特徴として、副作用に眠気の作用があります。これは、お薬が脳内のヒスタミン受容体にも作用することが原因で眠気を起こすとされています。

R体とS体では、脳内への移行にも差があり、R体はS体よりも眠気の副作用が少ないとされています。
そのため、ザイザルは、ジルテックより眠気が出にくいといわれています。

ただ、勘違いしてはいけないのですが、ザイザルが眠気が全くないということではありません。眠気を引き起こす作用には個人差が大きく、人によっては、ザイザルよりもジルテックのほうが眠気が出ないと感じている方もいらっしゃいます。
そのため、ザイザルは、眠気が出にくいという傾向はあるものの、ご自分に適したお薬を飲むことが重要です。


ジルテックとザイザルの副作用の違い

ジルテックとザイザルでは副作用に大きな差はありません。詳細は公的文書、又は医師、薬剤師にご確認下さい。

ジルテック、ザイザルともに第2世代とよばれる抗ヒスタミン薬であり、眠気などの副作用が従来のお薬より出にくいとされていますが、個人差があり、下記の副作用症状がでる可能性があります。
・口の渇き
・眠気
・便秘
・下痢
・頭痛

ここで挙げているものは一例ですので、いつもと違うような気になる症状が出た場合は、医師や薬剤師に早めに相談するようにしましょう。

(参考)ジルテックと同じ成分の市販薬

ザイザルでは、同じ成分の市販薬は販売されていませんが、ジルテックと同じ成分「セチリジン塩酸塩」を含む市販薬は販売されています。

●コンタック鼻炎Z 第1類医薬品 グラクソ・スミスクライン・CHJ
●ストナリニZ 第1類医薬品 佐藤製薬

どちらも、医療用のジルテックと同じ、セチリジン塩酸塩を10mg含んでいるため、同等の効果を期待することができます。

おわりに

ジルテックとザイザルの作用や副作用の違いについて、参考になりましたでしょうか?

同じ組成の成分であっても、立体構造が違うだけで効果が変わると聞くと不思議なものですよね。同じように、光学異性体の関係になっているお薬は他にもあります。これを機に、飲んでいるお薬がどのような作用で効果をもたらしているのか、少しでも興味をもっていただければと思います。