目次
唇のかゆみに効く市販薬によく含まれている成分
できるだけ免疫力を下げている習慣を改善しそれでも難しい場合は以下で解説する医薬品を試してみましょう。
①:かゆみや炎症を抑える成分
唇のかゆみでは何らかの原因で、アレルギー物質であるヒスタミンが分泌されることで起こります。ヒスタミンは肥満細胞と言われる細胞から分泌され、これが知覚神経に働きかけ、脳へとかゆみを伝えます。抗ヒスタミン薬はこのヒスタミンの働きを抑えることでかゆみを感じなくさせます。
また、かゆみがひどく荒れがひどい場合は、炎症を抑えるステロイドを用いてしっかり治しましょう。
②:体質を改善する成分
唇のかゆみでは口唇炎や口角炎が多いです。これらは、生活習慣や栄養バランスの乱れによって起こりやすくなります。ビタミンB2,B6は口腔などの粘膜の健康に大きく関わっているため、これらを積極的に摂るようにしましょう。しかし、日常生活で不足を補うのが難しい場合はこれらを含んだ医薬品での補給がおすすめです。また、体質を改善する漢方薬での治療も効果的です。③:ウィルスやカンジダを抑える成分
多くの人は一度はヘルペスウィルスに感染し、体内にヘルペスウィルスを持っています。このウィルスは免疫力が低下したときに活発になり、唇に水疱ができたり、ピリピリした痛みを出したりします。また、口の中にはカンジダと言われるカビ菌の1種がいると言われています。このカビ菌も免疫力の低下により活発になり白い苔のようなものができたり、かゆみを引き起こします。
抗ヘルペスウィルス薬や抗真菌薬はヘルペスウィルスやカンジダの働きを抑えて、かゆみの原因から治療していきます。
唇のかゆみを緩和できる市販薬の選び方・ポイント
原因が異なれば対処法も異なり、重視するポイントも変わってくるでしょう。
ポイント①:かゆみや炎症を抑える効果を重視する
かゆみがひどく、すぐに抑えたい方は、かゆみや炎症を抑える成分がおすすめです。かゆみや腫れ、赤み、唇の荒れは抗ヒスタミン薬やステロイドの配合された市販薬で抑えることができます。かゆみがひどく、搔き壊してしまった場合や荒れがひどい場合はステロイドの配合された市販薬でしっかり治しましょう。ただ、ステロイドはカンジダや口唇ヘルペスを悪化させる恐れがあるのでこれらとの鑑別が重要です。すぐにかゆみを抑えたい場合は抗ヒスタミン薬がおすすめです。
ポイント②:体質の改善を重視する
何度も唇のかゆみや腫れを繰り返す方には、ビタミンや漢方薬での体質改善がおすすめです。ビタミンの不足を補ったり、漢方薬を用いて体質の改善をすることでからだの中から口角炎や口唇炎を治し、唇のかゆみができづらい体質を目指すことができます。ビタミンでは上述のビタミンB2,B6が配合された市販薬あがあります。
漢方薬は最近では様々な種類が市販されており、体質に合ったものを選ぶことが重要です。
ポイント③:原因菌、ウィルスへの作用を重視する
かゆみの他に、患部に白い苔のようなものが生えている場合はカンジダの感染が考えられます。このような場合は抗真菌薬も配合された市販薬を選びましょう。また、小さな水疱があり、ピリピリ痛む時は口唇ヘルペスを疑います。口唇ヘルペスには抗ヘルペスウィルス薬が市販されていますので、これらを用いて原因からしっかり治しましょう。
【厳選】唇のかゆみを緩和するのにおすすめの市販薬 9選
では、これらのポイント別に、唇のかゆみを緩和するおすすめの市販薬をご紹介していきます。こちらを参考にぜひご自身に合った市販薬を選んでみてください。
ポイント①:かゆみや炎症を抑える効果を重視した市販薬 3選
かゆみや炎症を抑える抗ヒスタミン薬やステロイドの配合された外用薬がおすすめです。これらが配合された市販薬をご紹介してきます。PR
こんな方に
かゆみをすばやく抑えたい方に
ステロイドを使用したくない方に
4つの有効成分がかゆみをすばやく抑えます
抗ヒスタミン薬ジフェンヒドラミンに加え局所麻酔薬リドカインがかゆみのもとをすばやく抑えます。また、組織修復成分アラントインとグリチルリチン酸が荒れた唇を修復します。
分類 | 第2類医薬品 |
有効成分(含有量)/主成分(含有量) | ジフェンヒドラミン(20mg)、リドカイン(5mg)、アラントイン(2mg)、グリチルリチン酸二カリウム(5mg) |
効果・効能 | かゆみ、湿疹、皮膚炎、かぶれ、じんましん、ただれ、あせも、虫さされ、しもやけ |
用法・用量 | 1日数回、患部に適量を塗布 |
妊娠中・授乳中の使用 | 使用可 |
使用が可能な年齢 | 記載なし |
剤形 | クリーム |
色 | 白色 |
ステロイドの有無 | なし |
スーッとする成分の有無 | なし |
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こんな方に
治りにくいかゆみのある方に
目立たない塗り薬が欲しい方に
治りずらい唇のかゆみに
ステロイドであるプレドニゾロンがかゆみの原因である炎症を抑え、殺菌作用のあるセチリピリジニウムが化膿を防ぎます。
白色半透明で口元に塗っても目立ちません。
分類 | 指定第2類医薬品 |
有効成分(含有量)/主成分(含有量) | プレドニゾロン(0.2g)、セチリピリジニウム塩化物水和物(0.1g) |
効果・効能 | 口唇炎、口角炎、口内炎、歯肉炎、歯齦炎 |
用法・用量 | 1日数回、適当量を清潔な指先、又は脱脂綿につけて、患部に塗擦 |
妊娠中・授乳中の使用 | 使用可 |
使用が可能な年齢 | 3歳以上 |
剤形 | クリーム |
色 | 白色半透明 |
ステロイドの有無 | あり |
スーッとする成分の有無 | なし |
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こんな方に
べたつかないかゆみ止めをお求めの方に
かゆみをすぐに抑えたい方に
スティックタイプで手軽に唇のケア
有効成分グリチルレチン酸が炎症を抑え、アラントイン、ビタミンB6、ビタミンEが組織修復を促進します。
スティックタイプなので携帯性がよく、すばやく手軽に唇のケアをすることができます。
分類 | 指定医薬部外品 |
有効成分(含有量)/主成分(含有量) | ピリドキシン塩酸塩(ビタミンB6)0.1g、アラントイン 0.5g、グリチルレチン酸 0.3g、トコフェロール酢酸エステル(ビタミンE)0.2g |
効果・効能 | 口唇のひびわれ、口唇のただれ、口唇炎、口角炎 |
用法・用量 | 1日数回、適量を患部に塗布 |
妊娠中・授乳中の使用 | 使用可 |
使用が可能な年齢 | 記載なし |
剤形 | スティック |
ステロイドの有無 | なし |
スーッとする成分の有無 | なし |
ポイント②:体質の改善を重視した市販薬 3選
体質を改善して唇のかゆみが起きづらくすることができます。体質を改善する漢方薬をご紹介します。日ごろからビタミンが不足していると感じている方はビタミンB2、B6 の配合された市販薬がおすすめです。PR
こんな方に
体力があり、イライラする傾向のある唇のかゆみのある方に
体質を改善し、かゆみのできづらいからだに
体力中等度以上で、イライラして落ち着かない傾向のある人の皮膚のかゆみや口内炎などに用いられる漢方薬です。漢方薬は体質に合ったものを見つけるのが難しいですが、うまく合うと体質を改善しかゆみのできづらいからだになります。
分類 | 第2類医薬品 |
有効成分(含有量)/主成分(含有量) | 日局オウゴン(1.5g)、日局オウレン(1.0g)、日局サンシシ(1.0g)、日局オウバク(0.75g) |
効果・効能 | 体力中等度以上で、のぼせぎみで顔色赤く、いらいらして落ち着かない傾向のあるものの次の諸症:鼻出血、不眠症、神経症、胃炎、二日酔、血の道症注)、めまい、動悸、 更年期障害、湿疹・皮膚炎、皮膚のかゆみ、口内炎 |
用法・用量 | 成人(15歳以上)1回1包を1日2回服用してください |
妊娠中・授乳中の使用 | 妊娠中は要相談 |
使用が可能な年齢 | 2歳以上 |
剤形 | 顆粒 |
ステロイドの有無 | なし |
スーッとする成分の有無 | なし |
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こんな方に
十分にビタミンを摂れていない方に
子どもでも使用できる薬をお求めの方に
1日1回でからだの内側から改善します
ビタミンB2,B6を最大量配合し、1日1回の服用で粘膜の健康を保つビタミン群を補給できます。7歳から服用できるので小さな子どもの唇のかゆみにもお使いいただけます。
分類 | 第3類医薬品 |
有効成分(含有量)/主成分(含有量) | リボフラビン酪酸エステル(ビタミンB2酪酸エステル)(20mg)、ピリドキシン塩酸塩(ビタミンB6)(100mg)、アスコルビン酸(ビタミンC)(110mg)、ヨクイニンエキス(107.7mg)、L-システイン(40mg)、ニコチン酸アミド(30mg)、ビオチン(ビタミンH)(0.05mg) |
効果・効能 | 次の諸症状の緩和:口内炎、舌の炎症、口角炎(唇の両端の腫れ・ひび割れ)、口唇炎(唇の腫れ・ひび割れ)、肌あれ、にきび・吹き出物、皮膚炎、湿疹、かぶれ、ただれ |
用法・用量 | 成人(15歳以上)1回2錠を1日1回服用してください |
妊娠中・授乳中の使用 | 使用可 |
使用が可能な年齢 | 7歳以上 |
剤形 | 錠剤 |
ステロイドの有無 | なし |
スーッとする成分の有無 | なし |
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こんな方に
疲れからくる唇のかゆみを改善したい方に
疲れを伴う唇のかゆみに
粘膜を健康に保つビタミンB2,B6に加え、疲労にも効果のあるビタミンB1が高単位配合されており、疲労からくる唇の荒れ、かゆみに効果があります。
分類 | 第3類医薬品 |
有効成分(含有量)/主成分(含有量) | リボフラビンリン酸エステルナトリウム(ビタミンB2リン酸エステル)(38mg)、ピリドキシン塩酸塩(ビタミンB6)(50mg)、チアミン硝化物(ビタミンB1硝酸塩)(20mg)、ニコチン酸アミド(40mg)、パントテン酸カルシウム(20mg) |
効果・効能 | 次の諸症状の緩和:肌あれ、にきび・吹き出物*、口内炎、口角炎(唇の両端の腫れ・ひび割れ)*、 口唇炎(唇の腫れ・ひび割れ)*、皮膚炎、湿疹、かぶれ、ただれ、舌の炎症、 赤ら顔に伴う顔のほてり*、目の充血、目のかゆみ |
用法・用量 | 成人(15歳以上)1回1錠を1日2回服用してください |
妊娠中・授乳中の使用 | 使用可 |
使用が可能な年齢 | 15歳以上 |
剤形 | 錠剤 |
ステロイドの有無 | なし |
スーッとする成分の有無 | なし |
ポイント③:原因菌、ウィルスへの作用を重視した市販薬 3選
唇のかゆみの原因として口唇ヘルペスや、カンジダ感染によるものもあります。この場合は抗ヘルペスウィルス薬や抗真菌薬を使ってしっかり治療することが重要です。ただ、口唇ヘルペスの市販薬は、過去に医師の診断・治療を受けたことのある再発の方に限られることに注意しましょう。
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こんな方に
口唇ヘルペスの再発した方に
あまり目立たない薬が欲しい方に
目立たないクリーム剤で口唇ヘルペスのもとから治す
ビラダビンがヘルペスウィルスの増殖を抑え、唇のピリピリ感やかゆみなどの再発した口唇ヘルペスを緩和します。クリーム剤なのであまり目立たず塗りやすいです。
ただ、過去に医師の診断・治療を受けたことのある方にのみ使用できることに注意しましょう。
分類 | 第1類医薬品 |
有効成分(含有量)/主成分(含有量) | ビダラビン(30mg) |
効果・効能 | 口唇ヘルペスの再発(過去に医師の診断・治療を受けた方に限る) |
用法・用量 | 1日1〜4回就寝前に、患部に適量を塗布 |
妊娠中・授乳中の使用 | 要相談 |
使用が可能な年齢 | 6歳以上 |
剤形 | クリーム |
ステロイドの有無 | なし |
スーッとする成分の有無 | なし |
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こんな方に
口唇ヘルペスの再発した方に
患部の保護もしっかりしたい方に
患部を保護し口唇ヘルペスのもとから治す
抗ヘルペスウィルス薬アシクロビルがヘルペスウィルスに作用して再発した口唇ヘルペスを治します。
保湿作用のあるマクロゴールが配合されており、患部を保護してうるおいを与えます。
こちらも、過去に医師の診断・治療を受けたことのある方にのみ使用できることに注意しましょう。
分類 | 第1類医薬品 |
有効成分(含有量)/主成分(含有量) | アシクロビル(50mg) |
効果・効能 | 口唇ヘルペスの再発(過去に医師の診断・治療を受けた方に限る) |
用法・用量 | 1日3~5回、適量を患部に塗布する。(唇やそのまわりにピリピリ、チクチクなどの違和感をおぼえたら、すぐに塗布する) |
妊娠中・授乳中の使用 | 要相談 |
使用が可能な年齢 | 6歳以上 |
剤形 | 軟膏 |
ステロイドの有無 | なし |
スーッとする成分の有無 | なし |
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こんな方に
かゆみの原因からしっかり治したい方に
3種の抗菌成分でもとから治す
3種の抗菌成分クロラムフェニコール、フラジオマイシン、ナイスタチンが原因菌の増殖を抑え、口のかゆみをもとから治します。
軟膏タイプの基材で患部をしっかり保護します。
分類 | 第2類医薬品 |
有効成分(含有量)/主成分(含有量) | クロラムフェニコール(20mg(力価))、フラジオマイシン硫酸塩(5mg(力価))、ナイスタチン(10万単位) |
効果・効能 | 化膿性皮膚疾患(とびひ、めんちょう、毛のう炎) |
用法・用量 | 1日1~数回、適量を患部に塗布して下さい。 |
妊娠中・授乳中の使用 | 使用可 |
使用が可能な年齢 | 年齢制限なし |
剤形 | 軟膏 |
ステロイドの有無 | なし |
スーッとする成分の有無 | なし |
商品比較表
市販薬を使用するときのポイントや注意点について
塗り薬にはあまり副作用がなく安全と思われがちですが、実は飲み薬と同様に副作用があります。そのため、使用上の注意や用法用量を守り正しく使うことが重要です。安全にお使いいただくためのポイントや注意点について解説していきます。
使用するときのポイントは?
ステロイド外用薬では副作用があり恐いというイメージをお持ちの方が多いかと思います。しかし、使用法を守り適切に漫然と使用しなければ、大きな副作用があるわけではありません。ステロイド外用薬は、ヘルペスやカンジダなどの感染症を悪化させることがあります。口唇ヘルペスの特徴である水疱やピリピリ感がある時や、カンジダの特徴である白い苔のようなものができているときは、ステロイドを使わないようにしましょう。ご自身での判断が難しい場合は、医師、または薬剤師にご相談ください。
こんなときは病院へ
上でご紹介してきた塗り薬は基本的に2週間を目安に使用しますが、5日間使用しても改善が見られない時は使用を止め、直ちに皮膚科を受診するようにしましょう。その時は、使用していたお薬もお伝えいただけると治療に役立つかと思います。唇のかゆみの他に、体のかゆみや発熱、のどの痛み、目や鼻の粘膜にも充血や目やになどの症状が出る場合は、重大な病気の可能性があるのですぐに受診するようにしましょう。これに限らず、何かおかしいと感じたらすぐに受診するようにしましょう。
『唇のかゆみ』に関するQ&A
唇のかゆみに使われる市販薬について解説してきましたが、生活習慣などよく聞かれる質問があります。Q &A形式でまとめたので詳しく見ていきましょう。
また、乾燥でも悪化するのでリップクリームなどで適宜保湿するのがよいでしょう。
まとめ
唇のかゆみには様々な原因があり、間違った対処をしてしまうと悪化してしまうこともあります。ご自分での判断が難しい場場合は医師、あるいは薬剤師にご相談ください。
薬は正しく使って初めて効果を発揮します。自己判断での使用は避けて、用法用量を守って正しく使いましょう。
※掲載内容は執筆時点での情報です。