溶連菌感染症とは?

溶連菌って何?

溶連菌とは、正式には「溶血性連鎖球菌」と呼ばれる菌になります。咽頭炎や扁桃炎と関連しているのは、その中でもA群β溶血性連鎖球菌です。この菌は 主に喉に感染し、2~5日程度の潜伏期間を経て、突然、症状があらわれます。冬や春から夏にかけて多く発生し、学校などで集団感染を起こすこともあります。

感染経路は、主に接触感染です。特に急性期の感染については家族内で起こるものが最多とされています。 感染している人の咳やくしゃみなどによる感染(=飛沫感染)、食べ物や手などを介して口に入ることによる感染(=経口感染)などの経路も考えられます。インフルエンザ等で使われるような予防用のワクチンは現状ありませんので、予防には感染している人との接触を控えたり、うがい・手洗いなどが重要になります。

溶連菌かどうかの診断は、まず医師が溶連菌感染症らしいか判断することから始まります。具体的には、①38℃以上の発熱、②咳がないこと、③扁桃腺が白くなっている(白苔といいます)、④痛みを伴う前頚部リンパ節の腫れ、がそろえば溶連菌感染症らしいと言えます(Centor基準)。この基準を2つ以上満たすような場合には、次に述べる検査にうつります。

検査は、溶連菌迅速診断キット(咽頭A群レンサ球菌迅速抗原検査)および咽頭細菌培養検査などがあります。前者の方が5~10分で結果が出るため、よく使われています。

溶連菌感染症の症状は?

主な症状は、
・発熱(38度〜39度)
・のどの痛み
・嘔吐
・かゆみを伴う赤い発疹(体や手足)
・舌にブツブツができる(イチゴのようなのでイチゴ舌と呼ばれる)
・リンパ節の腫れ
・手足の皮がふやけ、むける(上記症状がおさまった後)
などがあります。発症初めは、主に発熱とのどの痛みがあり、その後に発疹やイチゴ舌が現れてきます。風邪症状と違う点としては、基本的には、咳や鼻水などの症状はほとんどありません。

重要な点として、のどの痛みがあまりにもひどいとき(人生最大の痛み)、つばが飲み込めない、声がいつもと違う、息をすると音がする、といった場合は重症に陥っている可能性が高いので注意が必要です。

溶連菌感染症に効果のあるお薬

溶連菌感染症の治療に使われるお薬としては、主に、原因となる菌を取り除く抗生物質と熱やのどの痛みなどの症状を和らげる解熱鎮痛剤などのお薬などが処方されます。症状によっても、処方されるお薬は変わってきますので、必ず医師の指示に従って服用するようにしましょう。

お薬:抗生物質について

治療としては、症状の原因となっている細菌を取り除くことがメインとなります。そのため、抗生物質の飲み薬(内服薬)が処方されます。抗生物質は、次の2つの理由で処方された日数分をしっかりと飲みきる必要があります。

・効果を十分に出すため(症状の改善が1日程度早くなる)
・合併症の予防(リウマチ熱、扁桃周囲膿瘍、中耳炎など)
※糸球体腎炎の予防に抗菌薬の効果があるかは現時点では不明です。

特に、溶連菌感染症の合併症として、リウマチ熱 などの重大な疾患があります。途中で治療を止めてしまうと、効果が不十分になり、合併症を引き起こすリスクも高まります。症状がすっかりよくなって、元気になったとしても、処方されている日数分は必ず飲みきる必要があります。医師の指示に従い、最後まで治療を続けるようにしましょう。

溶連菌感染症に有効な代表的な飲み薬としては、
■ペニシリン系抗生物質
サワシリン(アモキシシリン)、パセトシン(アモキシシリン)など
■セフェム系抗生物質
ケフレックス(セファレキシン)、メイアクト(セフジトレンピボキシル)など
■マクロライド系抗生物質
エリスロマイシン(エリスロマイシン)など
があります。

基本的に10日間の治療ですが、セフェム系抗生物質は5日間の治療が可能とされています。ただし、耐性菌の出現や消化管での吸収の懸念があることから、第一選択はペニシリン系抗菌薬であることを明記しておきます。 アレルギー歴によっては、他の抗生物質が処方されることもあります。これらは医師の指示による処方せんがないともらうことができないお薬で、市販では購入することができません。

お薬:解熱鎮痛剤について

解熱剤としてお子さんに処方される解熱鎮痛剤としては、アセトアミノフェンの成分を含むカロナールやアンヒバ等の座薬などがあります。副作用が少なく、効果が穏やかであるとされているため、お子さんでも安全に使用することができます。頓服で服用する場合は、1度服用したら、最低でも4時間以上空けるようにしましょう。
大人の場合は、症状に応じて、ロキソニン(成分:ロキソプロフェン)やボルタレン(成分:ジクロフェナクナトリウム)などを代表とする非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs )が処方されることもあります。

溶連菌感染症に市販薬は効果があるの?

溶連菌感染症の治療は、医師による専門的な判断が必要となり、市販では購入することができないお薬が必要とされます。

治療せずに放っておいたり、治療が遅れてしまうと、症状が悪化したり、感染している細菌によって、他の病気が起きることがあります。そのため、溶連菌感染症の症状が出た場合、必ず医療機関を受診するようにしましょう。
感染を拡げないためにも、早めに受診することがとても重要です。

おわりに

溶連菌感染症についてと、治療に利用されるお薬について参考になりましたでしょうか?

溶連菌感染症は、主に発熱とのどの痛みの症状からはじまり、その後に発疹やイチゴ舌などの症状が現れます。お子さんに感染することが多く、学校などで集団感染を起こすこともあります。大人にも感染しますので注意が必要です。治療としては、主に抗生物質と熱やのどの痛みなどの症状を和らげるお薬が処方されます。

市販薬では、治療することができないため、症状が悪化する前に、できるだけ早く医療機関を受診することが重要になります。