実際に、購入する薬を決めるにあたっては、この両者の効果や安全性がどの程度異なるのか気になることでしょう。そこで、この疑問に関するエビデンスを調査しました。

まず、安全性面に関しては、結論を言えば両者に大きな差はないと考えてよいでしょう。批判的吟味した3つの臨床研究では、いずれも両薬剤の副作用頻度などに明らかな差は認められませんでした(2~4)。

共通する副作用としては、下痢・吐き気・腹痛など胃腸に関連するもの、発疹など皮膚に関するものがあります。また、喘息持ちの方の中には、これらの成分で発作を起こす可能性があるので、購入の際に薬剤師に相談するようにしてください。

一方で、効果に関しても大きな差はないと考えられています。ただし、痛みや発熱に対して、イブプロフェンの効果が高いという報告も一部あります(3)。ただし、イブプロフェンは妊娠している方 (特に妊娠後期) や特定の薬を服用している人には使用できない制約もあります。

こうしたことを総合すれば、両者は一長一短で、どちらが優れているとは一概に言えないという結論になるでしょう。一緒に配合されている他の成分を参考に選択すればよいと思います。

鎮咳去痰成分

■主な成分

●鎮咳成分:ジヒドロコデイン、dl-メチルエフェドリン、デキストロメトルファン、ノスカピン
●去痰成分:グアヤコール、L-カルボシステイン、ブロムヘキシン

「鎮咳」は「咳止め」、「去痰」は「たんきり」のことを意味します。いずれものどに関する症状を和らげる効果のある成分です。

鎮咳成分

鎮咳成分は、その働きによってさらに2つに分類できます。1つ目は、脳の中で咳の発生に関与する部位の働きを抑えるタイプです。上記のうちジヒドロコデイン・デキストロメトルファン・ノスカピンが該当します。

もう1つは、空気の通り道である気管支を広げることで、呼吸を楽にするタイプです。これにはdl-メチルエフェドリンが該当します。

このうち、気管支を広げるタイプは、直接的に咳を鎮める効果はないので、他の成分にプラスアルファで配合されることが多いものです。したがって、購入の際には他の成分のうちどれが入っているかをチェックするのがよいでしょう。

咳を鎮める効果は、一般的に、ジヒドロコデイン>デキストロメトルファン>ノスカピンの順と考えられていますが(1)、ジヒドロコデインとデキストロメトルファンにはあまり差がないことを示唆する報告もあるので(4)、そこまでこだわる必要はないかもしれません。

鎮咳成分に共通する副作用には、便秘や眠気などが挙げられます。これは、ジヒドロコデインで比較的多いとされるので、便秘がちの方は、これ以外の成分の方が適していると言えるでしょう。

去痰成分

去痰成分は、「たん」の粘り気を減らして、排泄しやすくする効果があります。特に「ゴホゴホ」という、痰の絡んだ咳がある場合に効果的と考えられます。反対に「コンコン」という乾いた咳の場合には、そこまで必要性のない成分です。

抗鼻汁成分

■主な成分

●抗ヒスタミン剤:クロルフェニラミン、ジフェニルピラリン、トリプロリジン
●抗コリン剤:ベラドンナ総アルカロイド、ヨウ化イソプロパミド

抗鼻汁成分は私の造語ですが、読んで字のごとく「鼻水を止める成分」です。体内での働きによって、上に記した2つのグループに分けられます。

抗ヒスタミン剤と抗コリン剤の違い

「ヒスタミン」と「コリン (=アセチルコリン)」は、いずれも鼻水などの分泌を促す物質です。したがって、これらの働きを抑える成分が、それぞれ鼻水を止める効果を持ちます。

これら2つの成分グループで大きく異なるのは、副作用です。特に、抗ヒスタミン剤は眠気を起こす成分として知られています。一方、抗コリン剤の方は、瞳孔を開く作用があるため、服用すると一時的に光をまぶしく感じるようになります。

また、どちらのグループも緑内障や前立腺肥大などがある方は服用できない場合があります(6.7)。こうした注意点が多い成分ですので、特に持病のある方は購入の際に、薬剤師によく確認するようにしてください。

その他の成分

風邪薬に含まれるその他の成分として、頭痛を抑えるカフェイン、ビタミンCなどのビタミン類、葛根湯など漢方成分などがあります。

ストナシリーズ各商品の成分・効果(参考8)

ここからは、風邪薬「ストナ」シリーズ各商品の成分・効果について解説いたします。
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