漢方薬と一般的な医薬品はどう違うの?
漢方は、もともと中国で発達し、日本に渡ってきた伝統医学になります。植物、動物、鉱物などの天然物である生薬を2種類以上組み合わせて作る薬です。1つの薬に複数の生薬を含んでいるため、様々な効果が期待できます。
一方、一般的な医薬品は、症状に対して1番効果がある成分を抽出して、直接的に症状に効かせるイメージになります。市販薬の場合は、様々な効果を期待して、成分が何種類か入っている場合もあります。
漢方薬は、原料が天然物なので、副作用が少ないイメージですが、必ずしも副作用が起こらないわけではないので注意が必要です。
また、漢方薬では、その人の年齢や体型、体力、体質、その時の状態などによって、その人に合った漢方薬が処方されるため、同じ病気でも、違う漢方薬が処方されることや、違う病気でも、同じ漢方薬が処方されることがあります。
葛根湯の効果
そのため、すでに熱が高い状態や汗を多くかいている場合は、本来の効果が期待できない可能性もあります。そのため、まだ熱がでていない、汗をかいていないなど、風邪のひきはじめに飲むと効果がより期待できます。
具体的には、比較的体力がある方において次の症状に効果が期待できます。
・寒気、発熱
・鼻かぜ
・鼻炎
・頭痛
・肩こり
・筋肉痛
など
風邪症状以外でも、じんましんのかゆみ、はれ、赤みなどにも用いられることがあります。
葛根湯の成分
・葛根(カッコン)
・麻黄(マオウ)
・桂皮(ケイヒ)
・芍薬(シャクヤク)
・甘草(カンゾウ)
・大棗(タイソウ)
・生姜(ショウキョウ)
もちろん、名前の如く、葛根(カッコン)が多く含まれており、又、それぞれの生薬の効果によって、様々な風邪症状の改善を期待することができます。
葛根湯を飲むタイミング
食前・・・食事の30分前が目安
食間・・・食事と食事の間、食後2時間後が目安
胃に何も入っていない状態で飲むほうが吸収は良く、効果的であるため、「食前」又は「食間」に飲みます。ただ、先に飲むとどうしても気持ち悪くなって食欲がなくなる、食前に飲み忘れた、などの場合は、食後に飲むようにしましょう。
葛根湯の副作用・注意点
葛根湯の副作用
次の症状がみられた場合は、すぐに服用を中止し、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。
・食欲不振
・胃部不快感
・発汗過多
・頻脈
・動悸
・発疹、かゆみ
など
重篤な副作用
偽アルドステロン症・・・だるい、血圧上昇、むくみ、脱力感、筋肉痛
葛根湯の注意点
・葛根湯とは別に、他のお薬を服用する場合は、お薬の作用や成分に重複がないか確認が必要です。
・解熱剤で熱を下げる場合は、葛根湯の作用(発汗作用を促し、体温を下げる効果)と効果が逆に働き、飲み合わせとして適正ではない可能性もあります。
上記の注意点について、詳しいことは公的な文章を確認したり、主治医や薬剤師の方に必ず相談するようにしましょう。
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葛根湯以外で風邪症状に効果がある漢方薬
小青竜湯
ハンゲ、カンキョウ、カンゾウ、ケイヒ、ゴミシ、サイシン、シャクヤク、マオウ
◆効果
鼻水、鼻づまり、くしゃみなどの風邪症状や花粉症、アレルギー性鼻炎などの症状に効果があります。体力中等度又はやや虚弱の方向け。
柴胡桂枝湯
サイコ、ハンゲ、オウゴン、カンゾウ、ケイヒ、シャクヤク、タイソウ、ニンジン、ショウキョウ
◆効果
微熱や寒気、頭痛、食欲がない、吐き気などの長引く風邪症状に効果があります。又、腹痛を伴う胃腸炎などでも用いられます。体力中等度又はやや虚弱の方向け。
五虎湯
マオウ、キョウニン、カンゾウ、セッコウ、ソウハクヒ
◆効果
ひどい咳がでる風邪症状や、気管支喘息などに用いられます。比較的体力がある方向け。
麦門冬湯
バクモンドウ、コウペイ、ハンゲ、タイソウ、カンゾウ、ニンジン
◆効果
こみ上げてくるよう咳や、切れにくい痰、咳き込んでつらい、などの症状に効果があります。体力が中等度以下の方向け。
甘草湯
カンゾウトウ
◆効果
のどの痛みや、激しい咳などの症状に効果があります。体力に関係なく、使用できます。
麻黄湯
キョウニン、マオウ、ケイヒ、カンゾウ
◆効果
発汗作用があり、体の熱を発散することで熱を下げる効果があります。
風邪のひきはじめ、寒気があり、発熱、節々の体の痛みがあるときに効果があります。体力が十分ある方向け。
おわりに
漢方薬は、粉薬が苦くてどうしても苦手…という方には、錠剤タイプなどもありますので、お試しください。
今回の葛根湯の記事を参考にし、正しい服用方法でお飲みいただければと思います。