1.おたふく風邪の初期症状

おたふく風邪は大人も子どもも発症する可能性のある病気です。しかし、免疫力の弱い子どものほうが発症しやすく、幼稚園や小学校で流行することもあります。

 

おたふく風邪の原因は「ムンプスウイルス」というウイルスで、風邪やインフルエンザと同じくウイルス性の感染症に該当します。おたふく風邪の正式名称は「流行性耳下腺炎」といい、その名の通りに耳下腺に炎症が発生します。耳下腺は耳の付け根の部分にある唾液腺の一つで、ここに炎症が発生することでまるでおたふくのような特徴的な腫れが生じます。

 

おたふく風邪はムンプスウイルスに感染してから2-3週間の潜伏期間を経て発症します。発症後、24時間以内に耳下腺の腫れが生じて38度を超えるような発熱とそれに伴う頭痛やのどの痛み、せき、くしゃみなどの症状が現れます。

 

ただし、発症してから症状が治まるまでは比較的早く、症状のピークは2日以内に迎えそこから徐々に良くなっていきます。適切な治療を施せば一週間以内に快癒するでしょう。

 

1-2. おたふく風邪の合併症


適切に治療を行えばおたふく風邪の症状が重くなることはほとんどありません。しかし、稀に合併症が生じることがあります。その中でも合併症の生じる可能性が高いのが「ムンプス難聴」というものになります。ムンプス難聴はムンプスウイルスが内耳という耳の器官に感染することで生じます。

 

15歳以下の小児のおたふく風邪の合併症として現れることが多く、1000人から10万人に一人の割合で発症すると考えられています。ムンプス難聴では聴力の低下が生じます。ほとんどの場合、片耳で聴力の低下が生じますが、稀に両耳でも聴力の低下が見られます。

 

どの程度、聴力が低下するかは個人差によります。ほんの少し聴こえづらくなる人もいれば、耳鳴りが続くようになってしまう人、ほとんど聞こえなくなってしまう人など様々です。ムンプス難聴による聴力低下はほとんどの場合で回復しません。ムンプス難聴を防ぐ意味でも、後述する予防接種が重要になります。

 

2.おたふく風邪の治療のポイント


おたふく風邪は抗生物質のようなムンプスウイルスに直接的に効果のある薬が存在しません。そのため治療の基本は「対症療法」になります。

 

対症療法とは病気に伴う症状を和らげて、自然治癒力を高める治療法です。特別なことをするのではなく、きちんと安静にして睡眠をしっかりと取り、栄養と水分を補給するようにします。また、熱や頭痛などがつらい場合は解熱鎮痛剤や痛み止めが処方されることもあります。

 

子どものおたふく風邪の場合は、診療科は内科、もしくは小児科となります。かかりつけのクリニックがあるならば、そこで見てもらいましょう。

 

耳下腺が腫れると食べ物を咀嚼するときに痛みが生じることもあります。そのため、食事はなるべく柔らかいもののほうがよいでしょう。ゼリーやプリンといったのど越しのよいもの、おかゆやスープなどのあまり噛まなくても食べられるものなどがおすすめです。

 

3.治療期間はどのくらい?


おたふく風邪の治療期間はおおよそ1週間です。耳下腺の腫れや高熱は1-2日程度でピークを迎えて、徐々に回復していきます。おたふく風邪はウイルス性の感染症であるため、発症してから学校などは出席停止となります。再登校できる基準は以下のようになっています。

 

「流行性耳下腺炎」は第2種の感染症に定められており、耳下腺、顎下腺又は舌下線の腫脹が発現した後5日を経過し、かつ全身状態が良好になるまで出席停止とされている。ただし、病状により学校医その他の医師において感染の恐れがないと認めたときは、この限りでない。

 

熱が下がったからと言ってすぐに登校させるのではなく、流行を防ぐためにも医師の診察を受けてから登校させるようにしましょう。

 

4.おたふくかぜは感染する?

おたふく風邪の原因はムンプスウイルスです。ムンプスウイルスは比較的感染力が強いため、流行しやすい傾向にあります。しかし、おたふく風邪の原因となるムンプスウイルスにはワクチンが存在しています。

そのため、小さいうちに予防接種を済ませておけば、ムンプスウイルスに感染しないもしくは感染したとしても症状を軽く抑えることができます。

 

流行を避けるためにもあらかじめ、予防接種を受けておくようにしましょう。予防接種を受けたからと言って100%発症を防げるわけではありませんが、発症するリスクを低下させることができます。また症状を軽くすることもできるため、ムンプス難聴などの合併症のリスクを低下させることにも繋がります。

 

5.まとめ

おたふく風邪はムンプスウイルスにより発症するウイルス性の感染症です。大人にも子供にも発症する可能性がありますが、免疫力の弱い子どものほうが多くします。高熱や耳下腺の腫れなどが特徴的ですが、安静にしてしっかりと睡眠、栄養を取れば1週間程度で快癒します。

 

ただしおたふく風邪の合併症であるムンプス難聴には注意が必要です。ムンプス難聴で起こる聴力の低下は一生涯付き合っていくことになります。おたふく風邪やムンプス難聴を予防するためにも、あらかじめの予防接種が重要です。