目次:ロコイドは顔に塗っても大丈夫?

1. ロコイドは安心して使用できる?
(1) そもそもステロイド薬とは?
(2) ロコイドの強さは?
(3) ロコイドは顔に塗っても良い?
2. ステロイド薬の副作用が強いといわれる理由・誤解
3. ロコイドを使用する上での注意点
(1) 正しい使用方法を守りましょう
(2) 使用禁忌の症例があります
(3) 副作用に注意しましょう
(4) こまめに様子をみましょう。
4. ロコイドと同じ成分の市販薬はある?
5. おわりに

1. ロコイドは安心して使用できる?

(1) そもそもステロイド薬とは?

メディアや周囲の人の話から、なんととなく「ステロイド薬」のことを聞いたことがあるという方も、実は詳しく知っている方は、少ないのではないでしょうか?
ステロイドとは、私たちの体の中にある副腎皮質という器官で作られているホルモンの一種です。
ステロイドは、体内において様々な働きをもちます。(糖やタンパク質の代謝、抗炎症作用、免疫抑制作用、骨代謝など。)つまり、私たちが生きて行く上で、必要不可欠なホルモンなのです。

ステロイド薬とは、このステロイドホルモンを治療に応用するために、人工的に開発された薬です。今回の記事のテーマは、「塗り薬」ですが、実際には、飲み薬、吸入薬、点鼻薬、点眼薬、注射など、様々な分野で、様々な治療に対して、ステロイド薬は用いられます。
ステロイドの塗り薬は、主に炎症をおさえる「抗炎症作用」が期待され、湿疹、皮膚炎など皮膚疾患に対して幅広く使用されます。

(2) ロコイドの強さは?

医療の場では、ステロイドの塗り薬において、「強さ」をあらわす指標があります。医師がステロイドの塗り薬を処方する際には、使用する体の部位や症状の重症度などを考慮し、その強さを選択基準としています。
主に「血管収縮指数(血管がどの程度収縮するかを示し、指数が高いほど、作用が高いとされる)」と「臨床の効果」によって評価され、5つのランクに分けることができます。
●最も強い(Storongest)
●非常に強い(Very Strong)
●強い(Strong)
●普通(Medium)
●弱い(Weak)
ロコイドは、この5つのランクの中で、下から2番目である「普通(Medium)」に分類されます。一般的に症状が軽症の場合には、ロコイドなど普通(Medium)以下の強さのステロイドの塗り薬を用います。
また、小さなお子さんの場合、一般的に、成人に使用するステロイドの塗り薬よりも1ランク低い塗り薬が使用されます。
ただし、症状が軽症で、大人でも普通(Medium)や弱い(Weak)が使用されるケースでは、お子さんも同様のランクの塗り薬を使用するケースもあります。

(3) ロコイドは顔に塗っても良い?

小さなお子さんにロコイドが使用されることもあると分かった上で、顔に塗っても良いのか?という不安があると思います。

一般的には、顔まわりには、ロコイドなど普通(Medium)以下の強さのステロイドの塗り薬が用いられ、小さなお子さんにも使用されます。
ただし、顔まわりは、皮膚が薄く、高いお薬の吸収率をもっているため、お薬の副作用の発生には注意が必要となります。そのため、長期で使用しないことや、十分な管理下のもとで使用する必要があります。 以上のことに注意すれば、顔にロコイドを塗っても問題はありません。

2. ステロイド薬の副作用が強いといわれる理由・誤解

メディアやインターネットの情報により、「ステロイド=副作用が強い」というイメージを強く持たれている方も多く、ましてやお子さんに対して使用する場合に過度に心配しすぎてしまうケースも多いです。
塗り薬においては、医師の指示どおりに使用していれば、副作用の心配は少ないお薬です。
塗り薬は、局所的(塗った部分)に作用し、全身に対する副作用の心配はほとんどありません。副作用が強いイメージがあるのは、ステロイドの飲み薬のイメージと混同している可能性があります。飲み薬の場合には、特定の疾患で症状が強い場合や、広範囲(全身)に症状が及んでいる場合に使用されます。効果が全身に作用し、高い効果が期待できる反面、副作用が全身にわたって出る可能性もあるため、服用に関しては十分な管理のもと、慎重になる必要があります。
もちろん、ステロイドの塗り薬は、副作用が全くないわけではないため、ある程度慎重になるべきです。しかし、過度に心配しすぎて指示どおりに使用しなかった場合に、治りが遅くなったり、症状が悪化してしまうこともありますので、注意が必要です。

3. ロコイドを使用する上での注意点

ロコイドが、小さなお子さんにも使用されることがあり、顔まわりに塗っても問題ないことが分かった上で、次に使用する上での注意点を解説します。

(1) 正しい使用方法を守りましょう

同じロコイドでも、使用する場所や症状によって、使用期間や塗る回数など使用方法は異なります。まず大切なのは、自己判断で使用せず、医師の指示を守ることです。

また、次のような使用方法はしないようにしましょう。

・大量に、又は長い期間にわたって広い範囲に使用すること
・本来、ロコイドが処方された目的とは違う用途に対して使用すること
・本人以外の方に使用する、第三者からもらった薬を使用すること

(2) 使用禁忌の症例があります

ロコイドには、次の患者には使用できないと「禁忌」とされている疾患があります。詳しくは、医師や薬剤師にご確認ください。

1. 細菌・真菌・スピロヘータ・ウイルス皮膚感染症、及び動物性皮膚疾患(疥癬、けじらみ等)
〔→感染症及び動物性皮膚疾患症状を悪化させることがある。〕
2. 本剤に対して過敏症の既往歴のある患者
3. 鼓膜に穿孔のある湿疹性外耳道炎
〔→穿孔部位の治癒が遅れるおそれがある。また、感染のおそれがある。〕
4.潰瘍(ベーチェット病は除く)、第2度深在性以上の熱傷・凍傷
〔→皮膚の再生が抑制され、治癒が著しく遅れるおそれがある。また、感染のおそれがある。〕

又、皮膚感染を伴う湿疹・皮膚炎には使用しないことを原則としており、やむを得ず使用する必要がある場合には、あらかじめ適切な抗菌剤、抗真菌剤による治療を行うか、又はこれらとの併用を考慮する必要があります。

(3) 副作用に注意しましょう

ロコイドの代表的な副作用としては次のようなものがあります。
正しく使用していても、まれに下記のような副作用が局所的に出ることがあります。

皮膚炎・・・皮膚表面にできる炎症(ブツブツや水ぶくれなど)
乾皮様皮膚・・・皮膚の表面がガサガサする
ざ瘡様疹・・・ニキビのようなぶつぶつ
そう痒感・・・かゆみ
毛疱炎・・・毛穴周辺の細菌感染による炎症
過敏症・・・かぶれなど、成分に対するアレルギー症状

(4) こまめに様子をみましょう

副作用について記載しましたが、副作用のリスクが少ないお薬で、正しく使用していてもまれに、副作用症状がでることはあります。通常、使用の中止や、使用方法を改善することで良くなりますので、定期的に様子をみてチェックし、何かいつもと違うような症状が出ている場合には、はやめに医師や薬剤師に伝えることが大切です。
また、ロコイドを指示どおり使用していても症状の改善がみられなかったり、症状がひどくなっている場合には、そのまま使用を続けるのではなく、医師に早めに連絡し、指示を仰ぐようにしましょう。

症状が改善し、医師がもう塗らなくても良いといった指示があった場合には、使用を中止しましょう。
まれに、心配だから念のため(予防的)塗っているといった方がいらっしゃいますが、ステロイドの塗り薬は長期で使用せずに短期使用にとどめるべきお薬です。症状がない場合には使用するのは止めるようにしましょう。

4. ロコイドと同じ成分の市販薬はある?

実は、ロコイドと同じ成分を含む市販薬が販売されています。
ロコイドの成分は、「ヒドロコルチゾン酪酸エステル」というステロイドになります。ロコイド軟膏は、0.1%の濃度が含まれていますが、市販薬は含まれている濃度が違うため、全く同じというわけではありません。 ヒドロコルチゾン酪酸エステルを含む塗り薬として、次のような市販薬があります。その他にも多くの市販薬があります。[]内に含まれるヒドロコルチゾン酪酸エステルの濃度も記載します。

市販薬例

・セロナ軟膏[0.05%含む] / 佐藤製薬 第2類医薬品
・ロコイダン軟膏[0.05%含む] / クラシエ薬品 第2類医薬品
・ロバックHi[0.05%含む] / 武田薬品工業 第2類医薬品

5. おわりに

小さなお子さんに対して使用されることもある、ロコイドの塗り薬について参考になりましたでしょうか?

ステロイド薬と聞いて、不安を感じる方も多いと思いますが、小さなお子さんや皮膚の薄い顔まわりにも使用できる比較的安全な塗り薬です。

副作用の心配が少ないといっても、使用方法をしっかりと守り、様子をみながら使用することが大切ですが、必要以上に心配はせずに、安心して使用していただけますと幸いです。