リハビリは、術後の違和感や不快感を少しでもやわらげるため

腹式呼吸や、リンパの流れをよくするマッサージのあとに行ったのが、腕や肩周りを動かす、簡単な体操です。
まずは、理学療法士さんが、私の体を動かしながら、可動域を確かめてくれます。

私の場合は、もともとヨガをやっていたためか、術後すぐでも、それなりの可動域があったようです。理学療法士さんは、「ずいぶんよく動く肩甲骨ですね!」とおっしゃっていました。
でも、そんな私でも、手術した側の脇周りの皮膚感覚は鈍くなり、切開した箇所とは関係ないはずの二の腕がピリピリする感覚に不安を感じていました。

今回は、そういった術後の違和感や不快感を少しでもやわらげるために、リハビリで教わったことや、これまでのヨガの経験を活かして、私自身が入院中に実践していたことをご紹介します。

リハビリで教わった、腕肩周りをほぐす体操

術後3日後から始まったリハビリですが、「縫合した傷が開くんじゃないか?!」という不安が、少なからずありました。ドクターや看護師さん、理学療法士さんは大丈夫だとおっしゃいましたが、正直、半信半疑でした。

でも、“怖いから”、“痛いから”といって、術後に動かさないでおくと、筋肉がどんどん固まって、動きにくくなるそうです。それによって、日常生活での痛みや不調などのストレスが、かえって長期間にわたって続いてしまうこともあるとのこと。
一日でも早く、元の体に戻りたい気持ちもあったので、ゆっくりとマイペースに、自分の体の声を聞きながら、リハビリに励むことにしました。

肩回し

手を肩にのせ、ヒジを前から後ろにぐるりと回します。首周りや鎖骨、肩甲骨を動かすことも意識しながら、20回ほど行います。

真横からの腕の上げ下げ

手の平を前に向け、両手を床に。上がるところまで上げて、ゆっくりと下げます。これを5セット繰り返します。

この二つの体操は、私が入院中のリハビリで教わったものです。とてもシンプルな動きですが、術後すぐは、やっぱり、あちこち痛みや違和感がありました。

私は、胸や脇の傷はさほど痛むことなく、処方された痛み止めの薬も必要ないほどでした。
ただ、リンパ節を切除した手術の場合、“ドレーン”という、傷口周辺の皮下に溜まる血液やリンパ液を体外に排出する管が、手術した側の脇下あたりに刺さっていて、排液を溜めておく小さなタンクも常にポシェットにして持ち歩く状態になります。
リハビリで動かすことによって、このドレーンが出ている辺りに、違和感や痛みを感じることもありました。

また、なぜか、手術した傷とは関係ない二の腕のあたりに、ピリピリとした痛みがありました。腕を前から上げるときはさほど気になりませんが、真横から上に上げる動作のときに痛みが強く出ました。
脇のリンパ節をごっそり切除しているので、どうしても周辺の神経などに損傷があるのではないかとのことでした。

結果的に、このピリピリ感は、手術から7週間で解消され、今ではまったくなくなりました。

乳がん先輩からのアドバイス

入院中、二の腕のピリピリ解消のために、これらの体操にヨガ的アレンジとして、動作と呼吸を連動させるということを実践していました。

腕を上げる動作のときは息を吸い、下げる動作のときには息を吐きます。
そして、息を吸うときは、新鮮な酸素を患部に届けるイメージで深く吸い込みます。息を吐くときは、痛みやこわばりなど、ピリピリする刺激を体の外に出すイメージで最後の一息まで吐き切ります。

吸うときも、吐くときも、自分自身をいたわってあげる気持ちを忘れずに、ポジティブなイメージで行います。やさしい気持ちで、まずは心をリラックスさせることで、体もゆるみやすくなり、動かしやすくなります。
歯を食いしばらないように、口の中をやわらかくして、広角を上げて、笑顔をつくるのも効果的です。顔がリラックスしているときは、自然と体もリラックスしているものです。
また、痛すぎない範囲で行うことを心がけてくださいね。体は強い痛みを感じると、逆に、緊張して硬くこわばってしまうのです。

回すときは痛すぎない軌道で、上げるときは痛すぎない高さまで。痛みで呼吸が止まってしまわないように、深くおだやかな呼吸ができる範囲で動かすようにします。
それを繰り返すことで、“痛すぎない範囲”がじょじょに広がっていき、可動域を広げることにつながります。
これはリハビリに限らず、通常のヨガクラスでも同じことですので、ぜひ試してみてくださいね。
28 件