目次
舌がヒリヒリするときに効く市販薬によく含まれている成分
これらの成分には炎症を抑える作用があります。
①:トリアムシノロンアセトニド
トリアムシノロンアセトニドはステロイド剤の一種で、抗炎症作用があります。したがって、炎症を起こしている部位に塗布することで、炎症を抑え、ヒリヒリを軽減する効果が期待できます。このため、主に口内炎の薬に含まれていることが多いです。
ステロイドは強い薬のイメージが強いですが、塗り薬として使用する場合は飲み薬と比べて、大きな副作用が出る可能性は低いと考えられます。
②:ロキソプロフェン
ロキソプロフェンの主な作用は、鎮痛や抗炎症、そして解熱作用の3つです。舌のヒリヒリに重要な抗炎症作用は、炎症の原因となるプロスタグランジンの合成を阻害することで効果を示すと考えられています。また、鎮痛作用があるため、ヒリヒリの痛みを和らげることが期待できます。
加えて、ロキソプロフェンは体内で吸収されてから活性型になるため、胃への負担を和らげることができます。
そして、処方せんにも記載される医薬品でもあるため、内科や整形外科でも頻繁に処方されている成分です。
舌のヒリヒリを緩和できる市販薬の選び方・ポイント
舌のヒリヒリを緩和できる市販薬には多くの種類があるため、どれを使えば良いか迷う方も多いと思います。
そこで、ここからはトリアムシノロンアセトニドやロキソプロフェンを含む市販薬を主に、3つのポイントで紹介します。
ポイント①:鎮痛作用を重視する
1つめの選び方は、鎮痛作用を重視する、です。そのメリットは、舌のヒリヒリする痛みをやわらげる効果が期待できるからです。 実際、ロキソプロフェンやアセトアミノフェンという成分には鎮痛作用があり、色々な痛みに対して使用することが可能です。したがって、鎮痛作用を重視するのは、非常に重要なポイントになります。
ポイント②:抗炎症作用を重視する
2つ目は、抗炎症作用を重視する選び方です。 舌のヒリヒリが炎症から来るものであれば、抗炎症作用をもつ薬剤を使用してもいいでしょう。 例えば、グリチルリチン酸やアズレンスルホン酸などには抗炎症作用があります。また、トリアムシノロンアセトニドは、舌に口内炎ができて炎症が起こっている場合に効果が期待できます。
ポイント③:殺菌作用を重視する
3つめの選び方としては、殺菌作用を重視すること、です。ヒリヒリの原因が細菌やウイルスによるものであれば、殺菌作用をもつ薬を選ぶのも良いかと思います。例えば、殺菌作用をもつ有効成分としては、ポピドンヨードやセチルピリジニウムがあります。 このグループの薬は、うがいやトローチの剤形であるため、子どもや妊婦や授乳婦の方でも比較的使いやすいです。
【厳選】舌のヒリヒリを緩和するおすすめの市販薬 9選
上記の3つのポイントごとにわけて、市販薬を実際に選びました。
ポイント①:鎮痛作用を重視した市販薬 3選
最も重要なことは、舌のヒリヒリの症状を和らげることです。鎮痛作用によって症状が改善すれば、生活も少しは楽になるでしょう。ここからは、鎮痛作用を重視した市販薬を3つ紹介いたします。
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こんな方に
舌の痛みに効く薬を飲みたい方に
眠くなるのが嫌な方に
胃が弱い方に
抗炎症作用と鎮痛作用がさっと効果を示す
ロキソプロフェンは鎮痛作用を示し、舌がヒリヒリする症状を和らげます。有効成分が1つだけなので、眠くなりやすい成分を含んでいません。また小型の錠剤であるため、必要な時にさっと飲むことができるのもメリットです。
分類 | 第1類医薬品 |
有効成分(含有量)/主成分(含有量) | 1錠中 ロキソプロフェン(60mg) |
効果・効能 | ●頭痛・月経痛(生理痛)・歯痛・抜歯後の疼痛・咽喉痛・腰痛・関節痛・神経痛・筋肉痛・肩こり痛・耳痛・打撲痛・骨折痛・ねんざ痛・外傷痛の鎮痛 ●悪寒・発熱時の解熱 |
用法・用量 | 成人:1回1錠 1日2回まで。再度症状あれば3回目の服用可。 |
タイプ | 錠剤 |
妊娠中・授乳中の使用 | 出産予定日12週以内の妊婦は使用不可 授乳中は要相談 |
使用が可能な年齢 | 15歳以上 |
錠剤・タブレットの大きさ | 9.0mm |
薬の風味 | 記載なし |
眠くなる成分 | × |
胃の粘膜を保護する成分 | × |
スーッとする成分 | × |
水なしで使用できるタイプ | × |
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こんな方に
舌の痛みを抑えたい方に
眠くなる成分を避けたい方に
胃への負担が心配な方に
胃にやさしい成分を配合した鎮痛薬
有効成分ロキソプロフェンに、胃に優しい酸化マグネシウムが配合された医薬品です。「ロキソニンを試したいけれど胃への負担が心配」という方におすすめです。また、小型の錠剤ですので持ち運びにも便利です。
分類 | 第1類医薬品 |
有効成分(含有量)/主成分(含有量) | 1錠中 ロキソプロフェン(60mg),酸化マグネシウム(33.3mg) |
効果・効能 | ●頭痛・月経痛(生理痛)・歯痛・抜歯後の疼痛・咽喉痛・腰痛・関節痛・神経痛・筋肉痛・肩こり痛・耳痛・打撲痛・骨折痛・ねんざ痛・外傷痛の鎮痛 ●悪寒・発熱時の解熱 |
用法・用量 | 成人:1回1錠 1日2回まで。再度症状あれば3回目の服用可。 |
タイプ | 錠剤 |
妊娠中・授乳中の使用 | 出産予定日12週以内の妊婦は使用不可 授乳中は要相談 |
使用が可能な年齢 | 15歳以上 |
錠剤・タブレットの大きさ | 直径約8mm |
薬の風味 | 記載なし |
眠くなる成分 | × |
胃の粘膜を保護する成分 | 酸化マグネシウム |
スーッとする成分 | × |
水なしで使用できるタイプ | × |
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こんな方に
舌の痛みがある方に
胃への負担が心配な方に
空腹時にも飲めるアセトアミノフェンを配合
有効成分アセトアミノフェンは、解熱と鎮痛作用をあわせもっており、舌の痛みに対して効果が期待できます。またアセトアミノフェンは他の薬品と異なり、胃酸から胃を保護する物質に影響を与えないため、空腹時でも服用することができます。
分類 | 第2類医薬品 |
有効成分(含有量)/主成分(含有量) | 1錠中 アセトアミノフェン(300mg) |
効果・効能 | ●頭痛・月経痛(生理痛)・歯痛・抜歯後の疼痛・咽喉痛・耳痛・関節痛・神経痛・腰痛・筋肉痛・肩こり痛・打撲痛・骨折痛・ねんざ痛・外傷痛の鎮痛 ●悪寒・発熱時の解熱 |
用法・用量 | 成人: 1回1錠 1日3回まで。 |
タイプ | 錠剤 |
妊娠中・授乳中の使用 | 妊娠:要相談、授乳中:記載なし |
使用が可能な年齢 | 15歳以上 |
錠剤・タブレットの大きさ | 長径:17.2mm、短径:5.7mm、厚さ:4.7mm |
薬の風味 | 記載なし |
眠くなる成分 | × |
胃の粘膜を保護する成分 | × |
スーッとする成分 | × |
水なしで使用できるタイプ | × |
ポイント②:抗炎症作用を重視した市販薬 3選
舌がヒリヒリするのは、口内炎などの炎症をおこしている可能性があります。炎症が原因であるならば、抗炎症作用をもつ市販薬を選びましょう。次に、抗炎症成分を配合した市販薬を紹介します。
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こんな方に
アフタ性口内炎の方に
舌にできた口内炎の方に
口内炎によるヒリヒリならこれで決まり
有効成分トリアムシノロンアセトニドは、抗炎症作用が期待できます。患部に直接作用することで、ヒリヒリとする炎症や痛み、はれをしずめ、口内炎を改善します。舌に口内炎ができてヒリヒリするときは、この薬がおすすめです。
分類 | 指定第2類医薬品 |
有効成分(含有量)/主成分(含有量) | 100g中 トリアムシノロンアセトニド (0.1g) |
効果・効能 | 口内炎(アフタ性) |
用法・用量 | 1日1~数回、適量を患部に塗布して下さい。 |
タイプ | 軟膏 |
妊娠中・授乳中の使用 | 要相談 |
使用が可能な年齢 | 制限なし |
ステロイドの強さ | medium |
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こんな方に
アフタ性以外の口内炎の方に
ステロイドを気にする方に
ステロイド不使用の抗炎症薬
アズレンスルホン酸ナトリウムとグリチルレチン酸という2つの抗炎症作用が、舌の炎症に効果をしめします。ステロイド不使用なので、ステロイドが気になる方にもおすすめです。
分類 | 第3類医薬品 |
有効成分(含有量)/主成分(含有量) | 100g中 アズレンスルホン酸ナトリウム水和物(0.02g)/グリチルレチン酸(0.3g)/アラントイン(0.3g)/セチルピリジニウム塩化物水和物(0.1g) |
効果・効能 | 口内炎、舌炎 |
用法・用量 | 1日2~4回、患部を清浄にした後、適量を塗布して下さい。 |
タイプ | 軟膏 |
妊娠中・授乳中の使用 | 使用可能 |
使用が可能な年齢 | 制限なし |
ステロイドの強さ | ステロイド使用なし |
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こんな方に
飲むタイプの炎症止めを探している方に
口内炎の方に
錠剤が苦手な子どもの方に
水なしで服用できる抗炎症薬
チュアブル錠は、お口の中ですばやく溶けて口内炎に効果を期待できる飲み薬です。錠剤が苦手な7歳以上の子どもでも飲みやすい形になっています。2つの抗炎症薬成分と3つのビタミン剤が症状を和らげます。
分類 | 第3類医薬品 |
有効成分(含有量)/主成分(含有量) | 6錠中 トラネキサム酸(750mg), グリチルリチン酸ニカリウム(63mg), ニコチン酸アミド(60mg), ピリドキシン塩酸塩(50mg), リボフラビン(12mg) |
効果・効能 | 口内炎、咽頭炎・扁桃炎(のどのはれ、のどの痛み) |
用法・用量 | 次の量をかむか、口中で溶かして服用してください。 15才以上:1回2錠 1日3回朝昼晩に服用してください 7~14才:1回1錠 1日3回朝昼晩に服用してください 7才未満:服用しないこと |
タイプ | チュアブル錠 |
妊娠中・授乳中の使用 | 妊娠中は要相談 |
使用が可能な年齢 | 7歳以上 |
錠剤・タブレットの大きさ | 記載なし |
薬の風味 | 記載なし |
眠くなる成分 | × |
胃の粘膜を保護する成分 | × |
スーッとする成分 | × |
水なしで使用できるタイプ | ○ |
ポイント③:殺菌作用を重視した市販薬 3選
ポピドンヨードやセチルピリジニウムという有効成分には、殺菌作用があります。下記に、殺菌作用を重視した市販薬を3つ紹介します。
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こんな方に
口のうがい薬を探している方に
うがい薬といえばイソジン
有効成分ポピドンヨードが、細菌やウイルスなどに対して殺菌効果を発揮します。子どもでも保護者の指導のもとに使用することが可能です。口のうがい薬を探している方におすすめです。
分類 | 第3類医薬品 |
有効成分(含有量)/主成分(含有量) | 1ml中 ポビドンヨード(70mg) |
効果・効能 | 口腔内およびのどの殺菌・消毒・洗浄、口臭の除去 |
用法・用量 | 1回,本剤2~4mLを水約60mLにうすめて,1日数回うがいしてください。 |
タイプ | うがい薬 |
妊娠中・授乳中の使用 | 記載なし |
使用が可能な年齢 | 記載なし |
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こんな方に
うがい薬タイプを探している方に
抗炎症作用がある薬を探している方に
抗炎症成分を配合したうがい薬
有効成分アズレンスルホン酸ナトリウムが抗炎症作用をしめすことで、ウィルスなどによる口やのどのはれに効果を発揮します。うがい薬のため、子どもや妊婦や授乳婦の方も使うことができます。
分類 | 第3類医薬品 |
有効成分(含有量)/主成分(含有量) | 100ml中 アズレンスルホン酸ナトリウム(500mg) |
効果・効能 | 口腔・咽喉のはれ、口腔内の洗浄 |
用法・用量 | 1回、本剤10~13滴(約0.4mL)を水又は微温水約100mLにうすめて、数回うがいしてください。これを1日数回行ってください。 |
タイプ | うがい薬 |
妊娠中・授乳中の使用 | 使用可能 |
使用が可能な年齢 | 記載なし |
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こんな方に
トローチタイプを探している方に
抗炎症作用がある薬を探している方に
殺菌作用がある薬を探している方に
殺菌作用と抗炎症作用をもつトローチ
有効成分セチルピリジニウムが殺菌作用をしめすことで、炎症やはれなどの症状を和らげます。トローチ剤なので5歳以上の子どもにも使用することができます。
分類 | 第3類医薬品 |
有効成分(含有量)/主成分(含有量) | アズレンスルホン酸ナトリウム(0.8mg)、グリチルリチン酸ニカリウム(2.5mg)、セチルピリジニウム塩化物水和物(1mg) |
効果・効能 | のどの炎症によるのどの痛み・のどのはれ・のどのあれ・声がれ・のどの不快感、口腔内の殺菌・消毒、口臭の除去 |
用法・用量 | 次の量をかまずに口中でゆっくり溶かしてください。 15才以上:1回1錠 1日4~6回 5~14才:1回1錠 1日2~3回 |
タイプ | トローチ |
妊娠中・授乳中の使用 | 記載なし |
使用が可能な年齢 | 5歳以上 |
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市販薬を使用するときのポイントや注意点について
また、市販薬を服用すべきでないケースや、今すぐに受診が必要なケースもあるため注意が必要です。 そこで、ここからは市販薬を使うときのポイントや注意点について書いていきます。
使用するときのポイント・副作用はあるの?
舌のヒリヒリを緩和する市販薬を正しく使うためには、まず用法用量をしっかり守りましょう。
各々の市販薬には、1日の回数や1回量、限度量や年齢制限について記載してあります。市販薬を飲みはじめる前に、まずはしっかりパッケージの説明を読むことが重要です。
舌のヒリヒリを緩和する市販薬で起こりやすい副作用は、胃腸障害です。胃への負担がかかることがあるため、多めの水でしっかり服用しましょう。また、食後に服用することで胃の負担を和らげることが可能です。
加えて、どんな薬でもまれにアレルギー症状が出ることがあります。万が一、発疹や蕁麻疹などが出たら飲むのをすぐに中止して、病院へ受診しましょう。
こんなときは病院へ
市販薬は簡単に購入できる一方、万能ではありません。 舌のヒリヒリに対して使う場合、以下のような場合には注意が必要です。
・舌のヒリヒリが悪化するとき
・市販薬を使って発疹やアレルギー症状が出たとき
・市販薬を使っても2-3日以内に改善しないとき
これらの症状があるときは、別の重要な病気が隠れている可能性があります。 なるべく早めに病院を受診しましょう。
『舌がヒリヒリする』に関するQ&A
最後に、「舌がヒリヒリする」に関するよくある疑問点について、Q&A方式でまとめました。
みなさんも市販薬を選ぶ上でぜひ参考にしてみてください。
一方、症状がどんどん悪化する場合、市販薬を使っても改善が見られない場合は、病院に受診することをおすすめします、 耳鼻科に受診することを提案します。
耳鼻科は耳鼻咽喉科とも呼ばれ、耳鼻だけでなく、口や喉を専門にしています。口の中の異常がある場合は、耳鼻科に受診しましょう。
また、薬を1週間ほど使用しても効果がない、または悪化しているようならば再度受診することをおすすめします。 今回、すでに処方せんの薬を使っていますので、市販薬を使うことはおすすめしません。
ご自身で判断されるより先に、まずは医師の診察を受けることをおすすめします。
まとめ
舌のヒリヒリには色々な原因がありますが、ロキソプロフェンやトリアムシノロンアセトニドなどの鎮痛・抗炎症作用をもつ成分が有効なケースがあります。
市販薬を選ぶポイントとして、鎮痛作用や抗炎症作用、あるいは殺菌作用をもつ成分かどうかという観点が役立つでしょう。
ただし市販薬は万能ではないため、使用するときの注意点やポイントがあります。 どの市販薬を選べば良いか迷ったときは、薬剤師に相談してみてください。
※掲載内容は執筆時点での情報です。