呼吸器専門医が解説!「医学的に最も効く咳止め」とは?|シロップやハチミツが効くって本当? – EPARKくすりの窓口コラム|ヘルスケア情報 呼吸器専門医が解説!「医学的に最も効く咳止め」とは?|シロップやハチミツが効くって本当? | EPARKくすりの窓口コラム|ヘルスケア情報

EPARKくすりの窓口

くすりのお役立ちコンテンツ

呼吸器専門医が解説!「医学的に最も効く咳止め」とは?|シロップやハチミツが効くって本当?

参考になった766

2024/12/25
1,884,150
医師が処方する薬剤から市販のかぜ薬まで、さまざまな咳止めがあります。

しかし、どれを飲んでもなかなか効果が出ないとヤキモキする方も多いでしょう。果たして一番効果的な咳止めは何なのか、解説したいと思います。

くすりの窓口医師・薬剤師が
選んだ市販薬を紹介

  • 経験① 現場でよく聞かれる質問
    経験① 現場でよく聞かれる質問
    現場で聞かれる薬の効果や副作用、飲み合わせの注意点等をご説明します。
  • 経験② 現場で教える医薬品
    経験② 現場で教える医薬品
    悩みに合った薬や普段から自分が案内する薬など、現場で案内するものを教えます。
  • 視点① ユーザー目線で解説
    視点① ユーザー目線で解説
    実際にどう使うのかや、ユーザー目線で
    必要な情報をお伝えします。
  • 医師・薬剤師が悩みにお答えします!

当コラムの掲載記事に関するご注意点

1. 当コラムに掲載されている情報については、原則として薬剤師、医師その他の医療及び健康管理関連の資格を持った方(以下「薬剤師等」といいます)による助言、評価等を掲載しております。当社自身でも掲載内容に不適切な表記がないか、細心の注意を払って確認をしておりますが、医療及び健康管理上の事由など、その内容の正確性や有効性などについて何らかの保証をできるものではありません。あくまで、読者皆様ご自身のご判断にてお読み頂き、ご参考にして頂ければと存じます。

2. 当コラムにおける一般医薬品に関する情報は、読者、消費者の方々に適切な商品選択をして頂くことを目的に、薬剤師等に対して当社より課題、テーマを提示の上、執筆を依頼しております。主眼は、商品より成分であり、特定の商品に関する執筆を依頼しているわけではなく、また特定の医薬品製造事業者等(以下「メーカー等」といいます)からの販売又は紹介に関する対価が発生するものではありません。

3. 当コラムにおける一般医薬品の各種ECサイト等へのアフィリエイトリンクにつきましても、読者、消費者の方々への購入の利便性目的に設置しており、前項同様、特定商品の販売により薬剤師等やメーカー等に報酬が入るものではなく(アフィリエイトリンクがメーカーサイト、商品公式サイト等である場合を含みます)、特定商品の誘引を企図したものではありません。なお、当コラム内に広告枠を設定する場合がありますが、この場合も、当コラムにおける薬剤師等又はメーカー等の依頼よるものではありません。また当該広告枠には広告表記を行います。

4. 当コラムにおける情報は、執筆時点の情報であり、掲載後の状況により、内容の変更が生じる場合があります。当社は、掲載されている情報を予告なしに変更、更新する場合があります。

5. 記事内で紹介している商品の価格や送料、URLは、JANコードをもとに、対象商品を販売するECサイトが提供するAPIを使用し、生成しています。掲載価格の変動、JANコードの誤登録等による情報相違等があることも考えられ、最新価格や商品の詳細等についてはECサイト、各販売店又はメーカー等よりご確認をお願いします。

6. 当社が行う、調剤薬局様における商品取り置きサービスにつきましても、あくまでユーザーの受け取りの簡便化が目的であり、特定商品及び特定薬局への誘引を企図したものではありません。

7. 当コラムに記載された商品又はサービスの名称は、当該商品又はサービスの提供者又は権利者等の商標又は登録商標です。

8. 前各項に関する事項により読者の皆様に生じた何らかの損失、損害等について、当社は、一切の責任を負うものではありません。

全部見る

咳止めの種類


咳止めの種類

医師

倉原 優さんのコメント

一口に咳止めと言っても、その種類は星の数ほど存在します。

いや、さすがにそれは言い過ぎか。市販されている咳止めのほとんどは、去痰薬や解熱鎮痛薬と一緒に配合されており、純粋な咳止めなんてまず売られていません。しかし、私たち医師が処方する薬剤には咳止めに特化した薬剤がいくつもあります。

咳止めには大きく分けて中枢性鎮咳薬末梢性鎮咳薬の2種類あります。

中枢性というのは、脳の咳中枢をブロックしてしまう薬のことで、末梢性というのは咳中枢ではなく気管や気管支に作用して咳を止める薬のことです。当然ながら、前者の方が効果が高いとされています。

効果の高い中枢性鎮咳薬には、麻薬性と非麻薬性のものがあります。「麻薬ってアレでしょ、モルヒネとかヘロインとか、危ないヤツでしょ。覚せい剤でこの間誰かが逮捕されたじゃない」。そんなことを患者さんからよく指摘されますが、これらはあくまで医療用麻薬でして、さほどコワイものではありません。

また、咳止めとして麻薬を用いる場合、極端に量を減らして使うので、麻薬の副作用が出ることはほとんどありません。日常臨床で経験する副作用は、せいぜい便秘くらいでしょうか。

効果の高い順に並べると、「中枢性麻薬性鎮咳薬中枢性非麻薬性鎮咳薬末梢性鎮咳薬」 になります。


最も効果の高い咳止め


最も効果の高い咳止め

医師

倉原 優さんのコメント

私たち医師が処方する咳止めで最も効果が高いとされているのは、デキストロメトルファン(メジコン®)リン酸コデイン(リンコデ)です。

メジコン®は錠剤で、リンコデは粉薬です。正直申し上げると、これら2つの薬が非常に効果が高いというよりも、これ以外の咳止めの効果が低すぎて、やむなくこれらをトップ2に位置づけた、という感じなのです。

そのため、メジコン®やリンコデでもなかなか咳が止まらない患者さんは多いです。

メジコン®には麻薬は含まれていませんが、リンコデにはコデインという麻薬が含まれています。実は、麻薬として良く知られているモルヒネも咳に効果があることが知られており、リンコデでいまいち効果が出ない場合には、少量のモルヒネを処方することがあります。

「モルヒネってがんの痛みに使うんじゃないの?」と言われそうですが、実は少量であれば「激しい咳」に対しても保険適用されるのです。しかも、一般的に懸念されているモルヒネの依存性はまず出現しません。

↓【今すぐチェック】薬剤師が厳選した市販の咳止めをこちらから確認できます


咳を抑える!?シロップやハチミツ


咳を抑える!?シロップやハチミツ

意外に効果が高いとされているのが、シロップハチミツです。

詳しいことは分かっていませんが、どうやら甘みを感じる神経は、咳を抑えるはたらきと関連しているようです。

肺がんの患者さんの咳というのはまことに頑固で、なかなか咳止めが効かないのですが、実はこんな咳に対してシロップが有効であるというアメリカのガイドラインが存在します1) 。

また、特に子どもの咳に対して就寝前のスプーン1杯のハチミツが非常に有効だという報告もあります2) 。大人の場合、コーヒーにハチミツを入れると咳止めとして有効という論文もあります3) 。コーヒーにも気管支を広げる作用があるので、ハチミツと組み合わせれば効果的ということです。

どうしても咳が止まらないという人には、私も就寝前のスプーン1杯程度のハチミツをおすすめしています。

私も一度ためしてみたことがあるのですが、ハチミツだけ飲むと結構クセが強いのでご注意を。 長期に咳があるからといって毎日シロップやハチミツをなめていると身体によくないので、あまりに咳が続くときは受診してください。

せき止めの売れ筋ランキングもチェック!

なお、ご参考までに、せき止めのAmazon、Yahoo!ショッピング、楽天の売れ筋ランキングは、以下のリンクからご確認ください。



売れ筋の商品はこちら

せき止めの売れ筋ランキング

Amazon

2025/01/13



大事なのは咳の原因


医師

倉原 優さんのコメント

長々と咳止めについて書いてきましたが、大事なのは咳の原因です。

喘息によって咳が出ているのに、メジコン®を飲んでハチミツコーヒーをガブガブ飲んでも治りません。ちゃんと吸入薬で気管支を広げてあげないといけません。

かぜをひいた後でも2~3週間くらい咳が続くことがありますが、それを超えて咳が続くときは一度受診して下さい。

とくに、4~8週間以上咳が続くときは、何か慢性的な病気が隠れている可能性が高いです。 咳があまりよくならないな、咳止めを飲もうか、と迷ったときは一度内科医に診てもらいましょう。
症状が悪化している場合は病院へ

EPARKお薬手帳 [PR]

4~8週間以上咳が続くとき・また症状が悪化している場合は早めに病院を受診してください。

咳が続く場合は、内科の受診をおすすめします。



まとめ


まとめ

・もっとも効果的な咳止めはメジコン®やリンコデと考えられている
・ハチミツ、シロップ、コーヒーなどにも咳止めの効果がある

↓メジコン®についてもっと知りたい方はこちらもチェック

↓つらい咳効果的なハチミツについての記事はこちら



参考文献

・1) Molassiotis A, et al. Symptomatic Treatment of Cough Among Adult Patients With Lung Cancer: CHEST Guidelines and Expert Panel Report. Chest. 2017 Jan 17. pii: S0012-3692(17)30022-3.

・2) Oduwole O, et al. Honey for acute cough in children. Cochrane Database Syst Rev. 2014 Dec 23;(12):CD007094.

・3) Raeessi MA, et al. Honey plus coffee versus systemic steroid in the treatment of persistent post-infectious cough: a randomised controlled trial. Prim Care Respir J. 2013 Sep;22(3):325-30.

※掲載内容は執筆時点での情報です。

  • 倉原 優 医師

    執筆・監修者

    2006年滋賀医科大学医学部医学科卒業。その後洛和会音羽病院で初期研修を行う。2008年近畿中央胸部疾患センター内科専修医、2011年同病院スタッフ。ブログ「呼吸器内科医」で医学論文の和訳やエッセイを書き綴っている。...

    プロフィールはこちら

 

この記事が参考になったら
投稿しよう。

参考になった

みなさまの投稿をサービス向上に
繋げてまいります。

この記事はいかがでしたか?

投稿ありがとうございました。

くすりの窓口は、この記事の情報及びこの情報を用いて行う利用者の判断について、責任を負うものではありません。この記事の情報を用いて行う行動に関する判断・決定は、利用者ご自身の責任において行っていただきますようお願いいたします。
記事内で紹介している商品の価格や送料・URLは、JANコードをもとにECサイトが提供するAPIを使用し、生成しています。
掲載価格に変動がある場合や、JANコードの登録ミスなどで情報が誤っている場合がありますので、最新価格や商品の詳細等についてはECサイト、各販売店やメーカーよりご確認ください。
記事で紹介した商品を購入すると、売上の一部が株式会社くすりの窓口に還元されることがあります。

この記事に関連するタグ

関連する記事

人気の記事

新着の記事

体の部位ごとから探す

のどの症状
  1. のどの痛み
  2. 喘息
  3. 気管支炎

特集