漢方薬とは?

現在日本で一般的に使われている漢方薬は、もともとは中国で発達したものが日本へ渡ってきた伝統医学になります。
植物、動物、鉱物などの天然物である生薬を2種類以上組み合わせて作るお薬です。1つの薬に複数の生薬を含んでおり、様々な効果が期待できます。

一般的な医療用医薬品は、症状に対して1番効果がある成分を抽出し、1つの症状に効果が期待できるイメージなります。

一方、漢方医学の特徴は、病気の症状だけを見るのではなく、患者の身体の状態や体質に基づいて処方する薬を決めるところにあります。

一方、漢方医学の特徴は、病気の症状だけを見るのではなく、患者の身体の状態や体質に基づいて処方する薬を決めるところにあります。

西洋医学で、基本的には同じ症状の患者に同一の薬を処方しますが、

漢方医学では、その方の年齢、体型、体力、体質など、その時の状態によってお薬を変えるため、同じ症状でも薬が異なる場合があります。

また、違う症状でも同じ薬が処方されることもあります。

代表的な医療用漢方薬メーカーの特徴

メーカーによって、同じ漢方薬でも、剤型や生薬成分の配合比、用量・用法が異なることがあります。

飲み心地、味などが違うため、どのメーカーが良いかは好みで選択する方もいらっしゃいます。ツムラ、クラシエ、コタローについて説明していきます。

ツムラの漢方薬

医療用漢方薬の市場では、8割以上を占めているのがツムラになります。品目数も非常に多くあります。
安全かつ適正に生薬を生産するための基準として、「株式会社ツムラ 生薬生産の管理に関する基準」を明文化しています。生薬の輸入を80%中国に頼っているため、「ツムラ中国協力会」を設立し現地の栽培、加工技術レベルの向上を図っています。

ツムラの漢方薬の剤型の特徴は、顆粒(荒い粒状)になります。

クラシエの漢方薬

医療用漢方薬の市場では、ツムラに続き2番目に多いのがクラシエになります。

一部の生薬では、『日本薬局方』基準に加え独自の規格を設定し、品質確保に努める一方で、品質維持のために保存方法にも細心の注意を払っています。
1988年に「青島華鐘製薬有限公司」を設立し、日本の製造と同様の基準に基づいた生産を行なっています。

クラシエの漢方薬の剤型の特徴は、粉薬(細かい粒状)になります。

コタローの漢方薬

医療用漢方薬の市場では、規模はやや小さいですが、処方されることがあります。

業界に先駆けて、日本で初めて古来から伝わる「漢方薬」を手軽に服用できるようにエキス剤とし、錠剤や散剤を作ったのが小太郎漢方製薬株式会社です。
漢方の原典に忠実に従い、化学薬品は一切加えていません。

コタローの漢方薬の剤型の特徴は、粉薬(細かい粒状)になります。

ツムラとクラシエとコタローの違いまとめ

上記3社の製剤過程に大きな差はなく、厳しく管理された工場で作られ、品質の均一化も徹底されています。

ただ、同じ漢方薬でも、飲み心地、味などが異なるため、好みで選択される方もいらっしゃいます。

同じ漢方薬でも成分や量が違う場合がある?

例:葛根湯

日本薬局方では、漢方によってどの生薬をどのくらい使うのかを厳密に定めています。

たとえば、葛根湯の処方は全部で4種類あり、それぞれの生薬成分のバランスが微妙に異なります。

同じ「葛根湯」でもメーカーによって生薬の量が違うのはこのためでです。参考として、下記に、ツムラ、クラシエ、コタローの葛根湯の成分・成分量を記載します。微妙に量が異なることが分かります。

ツムラ葛根湯エキス顆粒

本品7.5g中、下記の割合の混合生薬の乾燥エキス3.75gを含有する。
日局カッコン   4.0g
日局タイソウ   3.0g
日局マオウ    3.0g
日局カンゾウ   2.0g
日局ケイヒ    2.0g
日局シャクヤク  2.0g
日局ショウキョウ 2.0g

クラシエ葛根湯エキス顆粒

本薬1日量 (7.5g) 中
日局カッコン   8.0g
日局タイソウ   4.0g
日局マオウ    4.0g
日局カンゾウ   2.0g
日局ケイヒ    3.0g
日局シャクヤク  3.0g
日局ショウキョウ 1.0g
上記の混合生薬より抽出した、日局葛根湯エキス5,200mgを含有する。

コタロー葛根湯エキス細粒

本剤7.5g中
日局 カッコン 4.0g
日局 マオウ 4.0g
日局 タイソウ 3.0g
日局 ケイヒ 2.0g
日局 シャクヤク 2.0g
日局 カンゾウ 2.0g
日局 ショウキョウ 1.0g
上記の混合生薬より抽出した葛根湯の水製乾燥エキス4.8gを含有する。

メーカーによって効果に差がある?

メーカーによって同じ名前の漢方でも生薬の量・比率が違うことは述べましたが、実際の治療効果に大きな影響は認められないことがほとんどです。ただ、メーカーによって、剤型(粉、顆粒の違いなど)や味の違いから飲み心地が違うことがあります。

漢方は患者の体質や体調、季節などを考慮して処方されますから、濃度が高いほど効くということはありませんし、逆に効きすぎると副作用の心配も出てきます。ご自分の体質や好みにあった漢方薬を選ぶことが大切になります。

おわりに

医療用漢方薬のメーカーであるツムラ、クラシエ、コタローの3社の漢方薬の違いについてお話しさせていただきましたが参考になりましたでしょうか?

漢方に精通した医師や薬剤師が漢方を勧める場合、体質や症状などのヒアリングをしっかりと行い、その方に適した漢方薬を処方してくれます。漢方薬を希望される場合は、気軽に相談してみると良いでしょう。