目次
クラリチンとアレグラの作用の違い
クラリチンの作用
クラリチンの成分名は「ロラタジン」となり、医療用医薬品としては2002年9月に販売されました。
「抗ヒスタミン薬」と呼ばれるタイプのアレルギー症状を抑える薬に分類されます。花粉症などの季節性のアレルギー性鼻炎や、ハウスダストなどが原因で起こる通年性のアレルギー性鼻炎をはじめ、蕁麻疹などの症状に対して用いられます。
アレルギー症状を引き起こす原因となる体内物質、ヒスタミンの作用を抑えることによって、アレルギー症状を和らげる作用があります。
抗ヒスタミン薬の中でも、第2世代とよばれる比較的新しいタイプの薬で、従来のヒスタミン薬で多くあった副作用である、口の渇きや排尿障害、又、眠気症状などが少ないとされています。
作用発現時間が2時間と比較的はやく、作用持続時間が14時間と長く効くため、1日1回の服用となっています。
また医療用医薬品ではジェネリック医薬品も多数でており、ロラタジン錠10mg「●●」などの薬名となっています。
アレグラの作用
アレグラの成分名は「フェキソフェナジン」となり、医療用医薬品としては2000年9月より販売されました。
クラリチンと同様に「抗ヒスタミン薬」であり、第2世代とよばれる比較的新しい薬です。同様に副作用が少ないとされており、作用や効果については実は、クラリチンと大きな差はありません。但し、実際の効果の強さや副作用の実感には、個人差があります。
目安として、作用発現時間(Tmax)は2.2時間で比較的はやく、作用持続時間(T1/2)は9.6時間となり、クラリチンと比較するとやや短めです。そのため1日2回の服用となっています。
また医療用医薬品ではジェネリック医薬品も多数でており、フェキソフェナジン塩酸塩錠60mg「●●」などの薬名となっています。
まとめ
・クラリチンとアレグラは、同じ第2世代抗ヒスタミン薬になる。どちらも副作用は少なく、作用や効果については大きな差はない。
・選ぶ基準としては、まずは飲む回数で1日1回で済ませたい場合はクラリチン、1日2回でも十分に効果を持続させたい場合はアレグラを選ぶと良い。
・実際の効果の強さや副作用の実感には個人差があるので、飲んでみて自分に合わないと感じた場合は、もう一方を再度飲んで試してみるのも良い。
クラリチンとアレグラの飲み方の違い
クラリチンEXの飲み方
成人(15才以上)、1回1錠、1日1回食後に服用してください。なお、毎回同じ時間帯に服用してください。
「食後」となっていますが、臨床試験の際、すべて食後投与の条件で実施されたために、食後投与と定められています。実際には、食事の影響は認められなかったという臨床データがあり、食前に服用しても効果に差はないと考えられます。
アレグラFXの飲み方
成人(15才以上)、1回1錠、1日2回朝夕に服用してください。
アレグラは、食後に服用した場合、空腹時に服用した時よりも、効果の指標となる血中濃度が14%程度減少するといった、食事の影響を受けるという臨床データがあります。そのため、飲み方としては、「食後」とは記載されていません。
しかし実際には、それほどこの差は気にはされず、食後に服用するように指示される場合も多くあります。
まとめ
・クラリチンは1日1回、食後に服用することとなっている。特に、朝昼夕など飲むタイミングは決まっておらず、毎回同じ時間帯に飲むよう指示されている。
・アレグラは1日2回、朝夕に服用することとなっている。空腹時に服用したほうが効果は若干高いが、実際にはそれほど気にされてはいない。
クラリチンとアレグラの市販薬について
市販薬のクラリチン
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クラリチンEX 14錠
最安値 1,045円
但し、クラリチンEXの場合は、15才未満の方は服用できませんのでご注意ください。また、蕁麻疹などに対して服用することもできません。診断やお薬の服用に慎重になるべきで、医師の判断が必要なためです。
※クラリチンレディタブ錠とは
口の中で、速やかに崩壊するように作られており、水なしでも服用することができます。水なしの場合は、唾液で飲み込むことが必要です。
市販薬のアレグラ
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アレグラFX 28錠
最安値 978円
市販薬である「アレグラFX」の成分は、フェキソフェナジン塩酸塩を60mg含んでおり、医療用のアレグラ錠60mgと同じです。
アレグラFXは、以前まで第1類医薬品でしたが、今は第2類医薬品に分類され、ネットでも購入することが可能です。成分量だけではなく、錠剤の大きさ、剤型、添加物も同じです。外観を区別できるよう、錠剤の刻印が違っています。
但し、アレグラFXの場合は、15才未満の方は服用できませんのでご注意ください。また、蕁麻疹などに対して服用することもできません。診断やお薬の服用に慎重になるべきで、医師の判断が必要なためです。
※アレグラOD錠60mgとは
レディタブ錠と同様で、口の中で、速やかに崩壊するように作られており、水なしでも服用することができます。水なしの場合は、唾液で飲み込むことが必要です。
まとめ
・クラリチンとアレグラは、同じ第2世代抗ヒスタミン薬になる。どちらも副作用は少なく、作用や効果については大きな差はない。
・選ぶ基準としては、まずは飲む回数で1日1回で済ませたい場合はクラリチン、1日2回でも十分に効果を持続させたい場合はアレグラを選ぶと良い。
・実際の効果の強さや副作用の実感には個人差があるので、飲んでみて自分に合わないと感じた場合は、もう一方を再度飲んで試してみるのも良い。
クラリチンとアレグラの副作用の違いと注意点
共通する副作用
クラリチン、アレグラともに第2世代の抗ヒスタミン薬に分類され、眠気などの副作用が従来の薬と比較するとほとんどでません。但し個人差があり、下記のような副作用症状が出る可能性もあります。
・口の渇き
・便秘
・下痢
・眠気
・頭痛
ここで挙げている副作用症状は一例ですので、いつもと違うような気になる症状が出た場合には、医師や薬剤師に早めに相談するようにしましょう。
服用上の注意点
<市販薬の適応や服用できる年齢に注意しましょう。>
市販薬では、クラリチンEX、アレグラFXともに15才未満のお子さんは服用できません。また、蕁麻疹に対して服用することもできません。医師の診断と適切な治療が必要となるためです。勝手な自己判断で服用せず、必ず医療機関を受診するようにしましょう。
<授乳中>
レグラ、クラリチンともに、授乳中は服用しないか、もしくは、服用する場合には、授乳を避けるようにしましょう。乳汁中にお薬の成分が移行することが報告されています。
<飲み合わせに注意しましょう>
薬の飲み合わせに注意が必要な場合があります。
≪クラリチン≫
・抗生物質のエリスロマイシン
・胃の薬であるシメチジン
⇒一緒に飲むと、クラリチンの血中濃度が上昇する可能性があります。
≪アレグラ≫
・制酸剤(水酸化アルミニウム
・水酸化マグネシウム含有製剤)
⇒一緒に飲むと、作用を弱める可能性があります。
・抗生物質のエリスロマイシン
⇒一緒に飲むと、アレグラの血中濃度を上昇させる可能性があります。
<共通>
・飲酒
⇒服用前後は、飲酒をしないようにしましょう。副作用が強く出たり、酔いの症状が出やすくなるなどの可能性が高まります。
・その他の抗ヒスタミン剤が含まれている薬
⇒抗ヒスタミン薬は、一般的に市販で販売されている風邪薬などにも含まれていることがあります。一緒に飲むと、効果が重複し、副作用のリスクが高まりますので注意しましょう。購入時には、下記の成分が含まれていないかを確認し、飲み合わせに気をつけましょう。
<市販の風邪薬に含まれている抗ヒスタミン剤の成分例>
・マレイン酸クロルフェニラミン
・フマル酸クレマスチン
・マレイン酸カルビノキサミン
・塩酸ジフェンヒドラミン
・塩酸ジフェニルピラリン
・フマル酸ケトチフェン
・メキタジン など
こんなときは病院へ
・1週間程度市販薬を飲んでみたが症状が変わっていない、悪化している
・症状が治まらず、長期にわたって市販薬を服用している
・アレルギー性の鼻炎なのか、風邪なのか、他の病気が原因なのかが判断つかない
・発熱、倦怠感、吐き気など全身症状がみられる
・副作用症状がみられる
・妊婦又は妊娠している可能性がある
おわりに
今回は市販で気軽に購入できるようになった、クラリチンとアレグラの作用や効果・副作用の違いなどについて解説しました。
病院に行く時間がない、急に花粉症などのアレルギー症状が出たなどの場合は、市販薬で対処できるのは嬉しいですよね。クラリチン、アレグラ共に、医療用と同成分・同量の薬が市販薬で販売されています。
今回の記事を、薬を選ぶための判断材料として頂ければ幸いです。
※掲載内容は執筆時点での情報です。