1.めまいってなに?

トラベルミン®配合錠について詳しくまとめていく前に、まずは、めまいについて簡単に説明したいと思います。

1-1. めまいと乗り物酔い

めまいと乗り物酔いは別の症状と思っている方が結構いるようですが、実は非常に似ています。というよりも、めまいは、乗り物酔いの症状の一つです。
一般的に「めまい」というと、メニエール病等の疾患により起こる症状というイメージが強いのですが、乗り物酔いにより、めまいを起こすこともあります。

1-2. めまいの種類

一口にめまいと言ってもいろんな症状があります。目の前がグルグル回ってしまうものを「回転性めまい」、体がグラグラ揺れているように感じるのを「動揺性めまい」、船に乗っているようにふわふわ感じるのを「浮動性めまい」と言います。

1-3. めまいの原因

めまいが脳の異常で起こることもありますが、メニエール病や乗り物酔いによるめまいは、耳の中の内耳という部分の働きに異常が生じることで起こります。
同じく内耳の調子が悪くなる病気で、良性発作性頭位めまいというタイプのめまいもよくみられますが、こちらで使われることも多いです。内耳はバランス感覚(平衡感覚)を保つ大切な役割を持った器官です。


内耳の中にはリンパ液という液体が詰まっています。体が動いたとき、内耳の中のリンパ液に流れが生じます。内耳はその流れを感じ取ることによって、体の傾きなどに関する情報を脳に伝えています。
ですが、内耳の炎症や血流障害などが起きると、その働きが保てなくなることがあります。

その結果、平衡感覚に異常が起き、めまいという症状が現れます。ただし脳梗塞の症状としてめまいが起きることもあるので、症状がめまいだけでなかったり、続く場合は医師に相談しましょう。

1-4. 乗り物酔いの原因


乗り物酔いにも内耳の働きが大きく影響しています。乗り物酔いの原因は目から入ってくる情報と内耳が感じる情報のギャップにより脳が混乱を起こしてしまうことが原因です。
実際に、自分で運転している場合には乗り物酔いって起こりにくく、助手席に座っているよりも後部座席に座っている方が起こりやすく、車の中で本を読んだり下を向いていたりすると起こりやすいのは、視覚と実際の揺れのギャップを考えると納得できるんじゃないかと思います。

2.トラベルミン®配合錠ってどんな薬?

2-1. トラベルミン®配合錠の成分


医療用のトラベルミン®の正式名称は「トラベルミン®配合錠」と言います。「配合」という言葉がついていますが、これは複数の成分が入っていることを表しています。実際に、トラベルミン®配合錠は以下の2つの成分を含んでいます。

 ・ジフェンヒドラミンサリチル酸塩(1錠あたり40mg)
 ・ジプロフィリン(1錠あたり26mg)

この2つの成分の働きにより、トラベルミン®は乗り物酔いや目眩いに対して効果を発揮します。

2-2. ジフェンヒドラミン


まず一つ目の成分、「ジフェンヒドラミンサリチル酸塩」です。
ジフェンヒドラミンは、第一世代抗ヒスタミン薬と呼ばれる成分です。抗ヒスタミン薬はアレルギー反応に関わるヒスタミンという物質を抑えることで鼻水やかゆみの症状を緩和します。実際に、ジフェンヒドラミンは医療用のアレルギー治療薬としてレスタミン®という名前で古くから使用されています。

アレルギー治療薬としての第一世代抗ヒスタミン薬には2つの欠点があります。1つは脳内に移行しやすいため、脳内のヒスタミンの働きを抑えてしまい、その結果、眠気の副作用を起こしてしまうこと。2つ目はアセチルコリンという神経物質の働きを抑えてしまう作用(抗コリン作用)を持っているため、喉が渇くなどの副作用を起こしてしまうことです。ですが、この欠点がめまいの薬としては都合がいいんです。


内耳による信号に異常が生じた時、ヒスタミンやアセチルコリンの働きが活発になってしまうことでめまいや吐き気が生じます。第一世代抗ヒスタミン薬はヒスタミンだけでなくアセチルコリンの働きを抑えることができ、脳内でもその効果を発揮することができるので、めまいに適した薬と言えますね。

2-3. ジプロフィリン

ジプロフィリンは、テオフィリン製剤と呼ばれる薬で、気管支喘息などに使用されている成分ですが、トラベルミン®配合錠に含まれているジプロフィリンは非常に少ない量です。
トラベルミン®配合錠において、ジプロフィリンは内耳の血流を改善し、その働きを改善することでめまいを緩和します。また、中枢神経を興奮させる作用を発揮することで、ジフェンヒドラミンによる眠気を緩和する効果が期待されています。

3.トラベルミン®配合錠の使用方法と注意点

ここからは添付文書を詳しく見ていきます。

3-1. トラベルミン®配合錠の使用方法

トラベルミン®配合錠は保険上、以下の使用方法が認められています。

効能又は効果
下記の疾患又は状態に伴う悪心・嘔吐・めまい
 ・動揺病
 ・メニエール症候群

動揺病というのがいわゆる乗り物酔いです。つまり、乗り物酔いやメニエール病による吐き気やめまいに対して使用することが可能です。

使用方法は以下の通りです。

用法及び用量
通常成人1回1錠を経口投与する。必要により1日3~4回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。


1日3〜4回使用することも可能ですが、頓服で使用されることも多い薬です。

3-2. トラベルミン®配合錠の注意点

ここからはトラベルミン®配合錠を飲むときの注意点についてまとめます。

●使ってはいけない人
トラベルミン®配合錠には禁忌として使ってはいけない人が定められています。

禁忌
1、緑内障の患者
2、前立腺肥大等下部尿路に閉塞性疾患のある患者


どちらもトラベルミン®配合錠の抗コリン作用が原因です。抗コリン作用をもつ薬は、緑内障の方の眼圧を上昇させてしまったり、前立腺肥大の方のおしっこを出にくくさせてしまったりする可能性があります。そのため、トラベルミン®配合錠も緑内障、前立腺肥大症の方には使用できなくなっています。

●注意したい副作用
トラベルミン®配合錠で注意したい副作用は眠気と口の乾きです。どちらも作用と表裏一体で、脳内のヒスタミンを抑えて効果を発揮する反面、眠気を起こしてしまいますし、アセチルコリンの働きを抑えることで効果を発揮する反面、唾液の分泌を減らして口の渇きを起こしてしまいます。

4.いろんなトラベルミン®の違い

ここまでは、医療用のトラベルミン®配合錠について説明しましたが、ここからはそれ以外のトラベルミン®について紹介したいと思います。

●トラベルミン®注射
医療用には注射も存在します。飲み薬と違い、直接血液の中に入るため成分の量が若干少なくなっていますが、成分の種類は一緒です。

●トラベルミン®(市販薬)
医療用のトラベルミン®配合錠と同じ成分が同じ量入っています。
ただ、市販薬は乗り物酔いのみを対象に作られています。
市販されているトラベルミン®には他にも様々なものがありますが、医療用のトラベルミン®とは成分等が異なるのでその点は注意してください。


 ・トラベルミン®チュロップぶどう味/レモン味
 ・トラベルミン®・ジュニア
 ・トラベルミン®内服液
 ・トラベルミン®ファミリー
 ・トラベルミン®1
 ・トラベルミン®R

5.まとめ

今回はトラベルミン®についてまとめました。市販薬では乗り物酔い。医療用ではメニエール病。そして成分だけ見るとアレルギーの薬。薬というものはその用途によって様々な働きを持ちます。トラベルミン®以外にもそういった薬は存在するので機会があれば紹介したいと思います。

 

参考資料
・トラベルミン配合錠 添付文書 エーザイ株式会社
・トラベルミン注 添付文書 エーザイ株式会社


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