【医師監修】フィナステリドの効果と副作用 プロペシアとの違いも解説

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2022/11/8

【医師監修】フィナステリドの効果と副作用 プロペシアとの違いも解説

【医師監修】フィナステリドの効果と副作用 プロペシアとの違いも解説

年齢を重ねると徐々に抜け毛や薄毛が気になってきます。
髪を洗った時にいつもより多く髪が抜けていたり、朝起きた時に枕に抜け毛が多くついていたり、手櫛で髪をなでた時に抜け毛が多くついていたりなどの心当たりが有る方も多いのではないでしょうか。
年齢以外にもストレスなど他の原因で症状が現れる事もありますが、今回は男性の年齢による抜け毛や薄毛に効果がある、フィナステリドという成分について解説します。

フィナステリドのまとめ

効果
II型の5α還元酵素を阻害し、発毛、育毛・脱毛抑制効果を発揮
効果まで
の期間
6ヶ月※個人差あり
副作用
肝機能障害/勃起不全/リビドー減退/射精障害など
使用方法
1日1回1錠を服用
国内評価
AGAガイドライン:推奨度A

フィナステリドとは

フィナステリドとは男性型脱毛症(AGA)に適応のある成分です。

一般用医薬品としては販売されておらず、先発医薬品である「プロペシア」とジェネリック医薬品である「フィナステリド」が存在します。
使用するには、お近くの皮膚科に受診して医師から薬を処方してもらう必要があります。

フィナステリドの効果

フィナステリドは、

  • 発毛効果:髪の毛の成長期を長くすることでヘアサイクルを正常に戻す
  • 育毛、脱毛抑制効果:薄毛を予防して健康な髪の毛を長く育てる

という効果があります。

フィナステリドの効果

フィナステリドは頭髪の5α還元酵素Ⅱ型を阻害し、AGAの主な原因であるDHTの生成を抑制しAGAの進行を遅らせることが可能です。

発毛効果

数カ月薬の服用をする必要がありますが、発毛効果のエビデンスがあります。

約1~2年以上の薬を飲むと、脱毛部1㎠当たりの硬毛数はプラセボよりも有意に増加したという結果が出ています。
日本人男性に対するランダム化比較試験においても約11ヶ月以上薬を飲むと、頭頂部の写真撮影で軽度改善以上の効果が報告されています。
フィナステリドの発毛効果は男性型脱毛症にのみ適応があり、女性の脱毛症に対して有効性は認められていませんのでご注意ください。

育毛・脱毛抑制効果

毛母細胞の増殖阻害を抑制し頭髪の成長期が短縮する事を防ぎます。
フィナステリドを飲むことで髪を太く抜けづらくする効果が期待できます。

主な効果は、脱毛の予防による発毛・育毛効果です。積極的に頭髪を太くする成分はミノキシジル外用薬が推奨されています。成分濃度によって男女ともに使用することができます。

ミノキシジル外用薬は一般用医薬品のため薬剤師がいるドラックストアや保険薬局で購入可能ですが、内服薬をすでに使用しているのであれば病院・クリニックで処方してもらう方が二度手間になりません。

フィナステリドの効果はどのぐらいで出る?

フィナステリドは効果が確認できるまで通常6ヵ月の連日投与が必要とされています。

3ヶ月で効果が発現する場合もあるので個人差があるといえるでしょう。

男性型脱毛症に対するシステマティック・レビューでは1年~3年以上の服用で、脱毛部1㎠当たりの硬毛数はプラセボよりも有意に増加しています。日本人男性に対するランダム化比較試験においても約11ヶ月以上の内服で頭頂部の写真撮影で軽度改善以上の効果が報告されています。

フィナステリドの副作用

フィナステリドの重大な副作用は、頻度不明ですが、肝機能障害が起こる事があります。
生殖器に対する副作用は以下です。

  1. ①1-5%未満
    ・リビドー減退
  2. ②1%未満
    ・勃起機能不全
    ・射精障害
    ・精液量減少

臨床検査結果に及ぼす影響として、血清前立腺特異抗原(PSA)濃度が40-50%低下したとの報告もあます。
PSA検査は前立腺がんの早期発見に極めて重要です。PSA検査を受ける方でフィナステリドの内服をしている場合は、事前に検査を受ける病院・クリニックに薬を内服をしていることを伝えていただく必要がありますので注意してください。

フィナステリドの使用方法

フィナステリドは、1日1回1錠を服用します。殆どの人が3~6か月の連日投与で効果が発現しますが、
6カ月以上投与しても効果が確認できない場合は投薬を中止することと、内服量を増やしても効果の増強は確認されていないため医師の診断を受けながら個人に合った適切な量を内服する必要があります。
個人の判断で内服量をふやしても副作用が発現しやすくなるだけなので、必ず医師・薬剤師の指示通りに服用してください。

フィナステリドの国内での評価

日本では2005年に厚生労働省にAGA治療薬として承認され現在まで使用されています。 「日本皮膚科学会の男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」でフィナステリドの内服はAGAに対して推奨度A(強く勧める)となっており、日本人男性に対しても有効性が確立されています。

AGAガイドライン

プロペシアとフィナステリドに違いはある?

  フィナステリド プロペシア
区分 ジェネリック医薬品 先発医薬品
価格 安い 高い

先発医薬品であるプロペシアと、ジェネリック医薬品であるフィナステリドに大きな違いはありません。

有効成分は同じ「フィナステリド」であり、効果も同様に男性における男性型脱毛症の進行遅延」です。
ジェェネリック医薬品は先発医薬品と効果が同じか確認する試験が実施されています。そのためフィナステリドも安心して服用いただけます。

男性型脱毛症の診療・治療は保険適用外です。プロペシアとフィナステリドは病院・クリニックによって価格設定が自由に決められるため治療費が高額になる傾向にあります。
フィナステリドはジェネリック医薬品ですので、プロペシアに比べて治療費が安くなる傾向にあります。

プロペシアの効果

プロペシアはジェネリック医薬品フィナステリドと同様に、AGAの進行を抑制し、硬毛数を増加させる効果があります。

AGAの発症原因の一つにDHTがあります。
DHTは、テストステロンと5α還元酵素が結びつくことで生まれます。
プロペシアは5α還元酵素のⅡ型を阻害し、DHTの発生を抑えることが可能です。

血中のテストステロン量は男女差が大きく、男性に多いホルモンのため5α還元型酵素Ⅱ型の働きを阻害するプロペシアは女性には使用できません。
効果が表れるまでに3ー6ヵ月の連日投与が必要であり、効果を持続させるためには継続的に服用する必要があります。
個人によって1回の内服量も違うので服用する際は医師・薬剤師の指示通りに服用してください。

プロペシアの副作用

プロペシアの副作用はフィナステリドと同様に以下が報告されています。

  1. ①重大な副作用:頻度不明
    肝機能障害
  2. ②生殖器関係の副作用
    リビドー減退・勃起機能不全・射精障害・精液量減少
  3. ③その他の影響
    血清前立腺特異抗原(PSA)濃度の低下

リビドー減退・勃起機能不全・射精障害は内服を中止した後も継続したとの報告があるので、もしも自覚症状が出た際は医師・薬剤師への相談をする必要があります。

それ以外にも血清前立腺特異抗原(PSA)濃度が40-50%低下したとの報告もあります。

PSA検査は前立腺がんの早期発見に極めて重要であり、50歳以上の男性に対して検診受診が推奨されています。
PSA検査を受ける方でフィナステリドの内服をしている場合は、事前に検査を受ける病院・クリニックに薬を内服をしていることを伝えていただく必要がありますので注意してください。

デュタステリドとフィナステリドとの違いは?

  フィナステリド デュタステリド
作用 II型の
5α還元酵素を阻害
I型とII型の
5α還元酵素を阻害

フィナステリドは5α還元型酵素II型のみ阻害するのに対し、デュタステリドは、5α還元型酵素I型・II型の両方を阻害する効果のある成分です。
「日本皮膚科学会の男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」ではどちらの薬も同様に推奨度A(強く勧める)に該当しています。

またデュタステリド(0.5mg/day)とフィナステリド(1mg/day)を用いたランダム化比較試験において、全毛髪数と毛直径の増加についてはデュタステリドの方が優れた効果を示し、,直径60μm以上の硬毛数では両者間に有意な差はりませんでした。

フィナステリドとミノキシジル外用薬との併用について

フィナステリドの
主な作用
ミノキシジル外用薬の
主な作用
脱毛を抑制 発毛を促進

「日本皮膚科学会の男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」で、フィナステリドの内服とミノキシジルの外用薬は両方とも推奨度A(強く勧める)と記載されています。

フィナステリドはDHTの生成を抑制し頭髪の脱毛を抑えます。ミノキシジルは毛組織血流改善・毛乳頭細胞からの細胞成長因子の産生促進作用・毛母細胞のアポトーシス抑制のいずれかによって発毛効果が報告されています。
脱毛を抑えるフィナステリドの内服と、発毛を促すミノキシジルの外用薬の併用はより高い効果が期待できます。
ただし、個人の判断で併用するのではなく医師と相談し併用してください。

フィナステリドを使う際の注意点

フィナステリドを使用する場合は、基本的には医師の診断・指示のもと適切に使用する必要があります。
個人の体質・症状によって効果が出るかどうかは違いますし、効果が出るのに必要な内服量も違います。
ですので自分の判断で一回の内服量を増やしたり、服用回数を増やしたりしないでください。

フィナステリドについてのQ&A

フィナステリドについて、よくある質問にお答えします。
効果が表れるまでに時間がかかる薬ですし、正しく服用しなければしっかりと効果が表れません。
いくつか注意が必要なこともありますので併せて解説します。

フィナステリドは服用をやめたらどうなりますか?
フィナステリドの服用をやめると、体内のDHTが徐々に増え始め再度脱毛症の症状が表れます。
またフィナステリドの効果は脱毛症の遅延ですので、服用している間も僅かですが症状は進行します。
そのため服用期間にもよりますが、服用を中止すると服用前よりも症状が悪化する場合もあります。
フィナステリドは女性でも服用できますか?
フィナステリドは女性での有効性は認められていません。
男性型脱毛症の主な原因とされるDHTの生成を抑える成分ですので、女性型脱毛症には適応はありません。
女性型脱毛症への治療は別の成分や方法で行いますので、気になっている方はお近くの病院・クリニックへの受診をお勧めします。
フィナステリドの通販はありますか?
フィナステリドを使用するには病院・クリニックへの受診が必要です。
海外からの輸入品をインターネット上で販売していたりなどの通販が存在しますが、輸入品は偽薬であったり安全性が確保されていなかったりするので健康被害につながる可能性があります。
絶対に購入しないでください。
フィナステリドの服用による初期脱毛は起こりますか?
調べた限りではフィナステリドによる初期脱毛の正確な情報は見つけられませんでした。
髪は休止期と成長期にの二つのサイクルに分けられ休止期に脱毛が起こります。
そのため延長した休止期を正常なサイクルに戻すフィナステリドの効果により、一日当たりの脱毛が増える初期脱毛が起こる可能性があります。
治療の効果が出たら薬の量は減らせますか?
添付文書上にも記載があるように、効果を持続させるためには継続的に服用する必要があります。
フィナステリドは服用している期間中にDHTの生成を抑制するため、服用を中止したり減量した場合は効果が消失・減弱する可能性があります。

まとめ

脱毛症に使用できる薬はいくつかありますが原因によって使用する薬は違いますので、気になる方は病院・クリニックへの受診をしてみましょう。
また確実に効果を出すためにも、医師の指示に従って適切に使用しする必要があります。

野口 哲央

監修者:医師

野口 哲央
医師免許取得し初期臨床研修修了後、大学病院や市中総合病院で手術や外来業務に従事。
現在も医師として総合病院に勤務しながら、ライターとして一般の方に分かりやすく、読みやすい医療に関する情報を提供している。