2022/11/8
【医師監修】ミノキシジル外用薬の効果と副作用 "リアップ"や"内服薬との違い"も解説
日本人男性の約半数が悩んでいると言われる薄毛・抜け毛。その多くはAGA(男性型脱毛症)と呼ばれるものです。
多くの男性があきらめてきたAGAですが、今では薬で改善することができるようになっています。
今回は、薬局やドラッグストアで買うことができるAGA治療薬・ミノキシジル外用薬の効果や副作用について説明します。
「最近抜け毛や薄毛が気になる」という方は、ぜひ参考にしてください。
ミノキシジル外用薬のまとめ
- 効果
- 乱れたヘアサイクルを正常に戻すことで、発毛・育毛を促進しAGAを改善
- 効果まで
の期間 - 3~6ヶ月※個人差あり
- 副作用
- かゆみやかぶれ、頭痛やめまいなど
- 使用方法
- 1日2回、頭皮に直接塗布
- 国内評価
- AGAガイドライン:推奨度A
ミノキシジル外用薬とは
ミノキシジル外用薬は、世界90カ国以上で発売されているAGA治療薬です。もともとは1979年、高血圧治療薬としてアメリカで承認された薬ですが、副作用として多毛が認められたことで、その後外用の発毛剤として開発・発売されました。
ミノキシジル外用薬は、いずれの商品も第一類医薬品に分類されるため、基本的には購入の際に医師・薬剤師による説明が必要となります。
ミノキシジル外用薬の効果
ミノキシジル外用薬の効能・効果は、「壮年性脱毛症における発毛・育毛および脱毛(抜け毛)の進行予防」です。
※壮年性脱毛症とは、AGAの一種です。
人の毛髪は、ヘアサイクル(成長期~後退期~休止期)により一定の周期で生え変わっていますが、AGAでは、このヘアサイクルが通常より短くなっています。
ミノキシジル外用薬は、乱れたヘアサイクルを正常に戻すことで、発毛・育毛を促進しAGAを改善します。
ここでは、ミノキシジル外用薬の発毛効果、育毛・脱毛抑制効果、効果の発現期間などについてご紹介します。
発毛効果
AGAでは、通常に比べてヘアサイクルの成長期が短く、髪が十分に成長しないうちに後退期・休止期に入るという悪循環が起こっています。
髪の毛は、毛包にある毛乳頭からの指令で、毛母細胞が細胞分裂を繰り返し成長します。
ミノキシジルには、毛包の休止期から成長期への移行を促進し、毛乳頭細胞の増殖と発毛因子の産生を助ける作用があります。この発毛因子により毛母細胞の分裂が活性化され新しい髪が作られると考えられます。
このようにミノキシジル外用薬は、髪を作り出す力、すなわち発毛作用があることが確認されている薬です。
育毛・脱毛抑制効果
ミノキシジルにはもう一つ、初期成長期から後期成長期への移行の促進と維持という作用もあります。
AGAでは、この後期成長期への移行がうまくいかず、毛包が十分成長しないうちに退行期をむかえます。そのため毛包は小さいままとなり髪も細く短く、視覚的にも薄毛の状態になってしまいます。
ミノキシジルは、成長期を延長することで、毛包が小さいまま休止期に移行することを防ぎ、小さくなった毛包を深く大きく、細くなった髪を太くハリのある髪に成長させます。
つまりミノキシジルによる成長期の延長が、育毛と脱毛抑制に関係していると考えられます。
ミノキシジル外用薬の効果はどのぐらいで出る?
臨床試験の結果から、ミノキシジルの効果発現には3ヶ月~6ヶ月程度かかると考えられます。ミノキシジル5%製剤の臨床試験データによると、使用開始から6ヶ月後の医師の評価では、9割以上で改善が見られるとされています。
また被験者本人の実感も、約3ヶ月後には半数近く、約1年後には9割以上で発毛効果を実感したとあります。
このようにミノキシジル外用薬の効果が感じるようになるまでの期間は人によって差があります。仮にAGAではない脱毛症だった場合、効果が全く出ないということにもなりかねません。しかし医師による処方のもと使用する場合は、効果の判定もきちんとしてもらえます。まずは専門医を受診し、しっかりと診断してもらってから使用を開始したほうが良いでしょう。
ミノキシジル外用薬の副作用
ミノキシジルは使用開始後2週間から8週間程度の間に「初期脱毛」という症状が見られることがあります。
この初期脱毛は、毛包が休止期から成長期に移行するときに、古い髪が新しい髪に押し出されることで起こる現象であるため、副作用ではありません。
ミノキシジルの効果が出ている証拠ですので、この段階で中止せず使用を続けてください。
ミノキシジル外用薬の主な副作用には以下のようなものがあります。このような症状が現れた場合は使用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。
-
①皮膚症状:頭皮の発疹・発赤、かゆみ、かぶれ、ふけ、局所の熱感。
※発赤は頭皮以外に出ることもあります。 - ②精神神経系:頭痛、めまい
- ③循環器系:胸痛、頻脈
- ④代謝系:原因不明の体重増加、むくみ
また、これまでに薬や化粧品などでアレルギー症状が出たことのある人、高血圧・低血圧の人、心臓や腎臓に障害のある人、むくみのある人は、症状を悪化させる恐れがあります。
このような方は、使用前に医師または薬剤師に相談してください。
診察料金0円
オンライン診療で薬の相談をするミノキシジル外用薬の使用方法
ミノキシジル外用薬の使用方法は、20歳以上の成人男性に、1日2回、1回1ml、脱毛している頭皮に塗布することとなっています。
計量方法は、各社1回量を計量できる容器となっていますので、それぞれの説明書に従って使用してください。
使用に際し、脱毛範囲の大小により薬液の使用量を変える必要はありません。
脱毛範囲が広いからといって多量に使用したり、1日の使用回数を増やしても、発毛効果は変わりません。また1回量の1mlで頭皮全体に十分行き渡る量になっています。
決められた用法、用量を守って使用してください。
ミノキシジル外用薬の国内での評価
日本皮膚科学会の「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」によると、ミノキシジル外用薬は推奨度Aにランクづけられており、使用を強くすすめると評価されています。
有効性の高い発毛剤として、男性、女性とも高く推奨されていますが、女性に対しては1%で十分な効果が得られていることから、男性には5%製剤、女性には1%製剤が推奨されています。
ミノキシジル外用薬と内服薬の違い
| ミノキシジル外用薬 | ミノキシジル内服薬 | |
|---|---|---|
| 使用 方法 |
頭皮に直接塗る | 薬を飲む |
| 国内 認可 |
認可されている | 認可されていない |
| 推奨度 | 推奨度:A 強く進められる |
推奨度:D 行わない方が良い |
ミノキシジルには外用薬と内服薬が存在します。
しかし日本国内で認可されているのは外用薬のみで、内服薬は未認可のため個人では購入できません。脱毛症の治療薬として認可された国はありません。
そのため安全性が保証されておらず、「日本皮膚科学会の男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」では推奨度D、内服薬は使用すべきではないとされています。
ミノキシジル内服薬の効果
なんども述べて来ましたが、ミノキシジルはもともと高血圧症に対する経口薬として開発された薬です。臨床試験の段階で、服用した患者に多毛症の副作用が多く見られたことから、発毛効果があることがわかり、脱毛症の治療薬として用いられるようになりました。
しかしミノキシジルの内服薬は、日本では臨床試験が行われいないため未認可であり、その有効性も認められていません。
ガイドラインでも、「利益と危険性が十分に検証されていないため行わないように強く勧める」とされています。
ミノキシジル内服薬の副作用
ミノキシジル内服薬は日本では臨床試験が行われていないため、正確な副作用の情報はありません。
海外での臨床データによると、頻度は不明ですが、
胸痛、心拍数増加、動悸・息切れ、呼吸困難、うっ血性心不全、むくみ、体重増加といった副作用の記載があり、重大な心血管系障害がおこる可能性もあります。これらの副作用中には、外用薬の添付文書にも記載されているものもありますが、外用薬に比べると内服薬の方が確率ははるかに高いものと推察できます。
もともと血管を拡張させて血圧を下げる作用があるため、高血圧や低血圧、心疾患の持病がある人は特に注意が必要です。
内服薬は国内で認可されていないことから、インターネットなどを通じて個人輸入をする人がいるという話もよく聞きます。
しかしながらミノキシジル内服薬の副作用は明らかになっていないものが多く、大きなリスクを伴うことを十分理解する必要があります。
どうしてもミノキシジル内服薬を試してみたいと思う方は、AGAの専門医を受診し相談をしてください。
個人輸入による使用は自己責任であり、高いリスクを伴うため決して行わないようお願いします。
リアップとミノキシジルに違いはある?
| ミノキシジル外用薬 | リアップ | |
|---|---|---|
| 区分 | ジェネリック医薬品 | 先発医薬品 |
| 価格 | 安い | 高い |
| 有効 成分 |
皮脂分泌を抑える成分、血行促進の成分、清涼感を与える成分など、製品により様々 | |
現在ミノキシジル外用薬には、先発品である大正製薬の「リアップ」シリーズと、ジェネリック医薬品が数多く存在しています。これら先発品とジェネリック医薬品の間にはどのような違いがあるのでしょうか。「リアップX5プラスネオ」と同等のミノキシジル5%配合製剤で比較してみたいと思います。
いずれの商品もミノキシジル5%含有であることは同じですが、その他の有効成分が入っているかどうか、またどのような有効成分が入っているのかで違います。有効成分には、皮脂の分泌を抑える「ピリドキシン塩酸塩」、血行を促進する「トコフェロール酢酸エステル」、清涼感を与える「l-メントール」などがあります。
このように、「リアップ」とその他のミノキシジル外用薬の間には、頭皮ケア成分や添加物など、ミノキシジル以外の成分や価格に違いがあります。
主成分であるミノキシジルの含有量、効能効果には違いがないため、お求めの際はその他の成分の内容や価格を参考にすると良いでしょう。
リアップの効果
大正製薬の「リアップ」は、日本初の脱毛症用薬として1999年2月に発売されました。
現在そのラインナップは、ミノキシジル1%製剤の「リアップ」「リアッププラス」「リアップジェット」「リアップEXジェット」と、5%製剤の「リアップX5プラスネオ」があります。
ミノキシジル5%製剤の臨床試験における医師の評価によると、使用開始4週間後から軽度の改善が見られるようになり、8週間後には1割以上、12週間後には6割近くの人に「軽度改善」が見られています。
約6ヶ月継続使用した場合は、9割以上の人に「軽度」「中等度」「著名」のいずれかの改善が見られ、それ以降は「軽度改善」よりも「中等度改善」の割合が高くなっていることもわかっています。
また、約被験者本人の評価としては、使用開始後12週で4割、52週で9割の人が発毛効果を実感しているとあります。
毛髪数の変化についても、使用開始4週間から24週間の間で明らかな増加が確認されています。
リアップの副作用
リアップの副作用については、他のミノキシジル外用薬と大きく違うことはなく、初期脱毛、皮膚症状、動悸・息切れ、頭痛・めまい、手足のむくみなどです。
厚生労働省から発表されたリアップX5・リアップ5の特別調査(モニター店による調査)では、3,072例中271例(8.82%)、378件の副作用が報告されています。
また大正製薬のリアップX5プラスネオの臨床試験データによると、副作用の発現率は8.0%と、厚生労働省の発表とほぼ同等なものでした。
報告された副作用はほとんどが深刻なものではありませんでしたが、わずかながら以下のような重篤な事例も報告されています。
- 心不全
- 突発難聴
- アナフィラキシー反応
- 肝機能検査異常
いずれの事例も極めて稀な例であり、ミノキシジルの使用との因果関係は明らかではありません。
これらの報告から、リアップによる副作用は、極めて少ないと言えるでしょう。
もし副作用が疑われた場合は、すぐに医師・薬剤師に相談してください。
ミノキシジル外用薬と他内服薬との併用について
| ミノキシジル外用薬の 主な作用 |
フィナステリド・デュタステリドの 主な作用 |
|---|---|
| 発毛促進 | 脱毛防止 |
現在日本国内で認可されているAGAの治療薬には、外用薬であるミノキシジル以外に、内服薬のフィナステリドとデュタステリドがあり、いずれも、ガイドラインでAGAに対する治療薬として推奨度Aの評価を獲得しています。
この2つの薬は、男性ホルモンであるテストステロンが、髪の軟毛化を促進するジヒドロテストステロン(DHT)に変換されるのを阻害することで脱毛を防ぐ作用があります。
つまり、ミノキシジル外用薬とこれらの内服薬は作用機序も投与経路も異なるため、併用により高い効果が期待できます。
※フィナステリドとデュタステリドによる治療には、医師の処方が必要になっています。
※フィナステリドとデュタステリドは女性には禁忌です。
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オンライン診療で薬の相談をするフィナステリドとミノキシジル外用薬との併用
フィナステリドは、テストステロンをDHTに変換する5α-還元酵素を阻害する作用があり、アメリカでは前立腺肥大症治療薬としても認可されています。
日本では、前立腺肥大症の適応はなく、AGA治療薬としてのみ認可されています。
有効な薬として単独またはミノキシジル外用薬との併用で利用されます。
デュタステリドとミノキシジル外用薬との併用
デュタステリドは、フィナステリドと類似した作用を持つAGA治療薬です。欧米では前立腺肥大治療薬としての適応のみ認可されていますが、日本ではAGA治療の内服薬として認可されています。
フィナステリド同様、単独またはミノキシジル外用薬との併用による治療が行われています。
ミノキシジル外用薬を使う際の注意点
これまで説明してきたように、ミノキシジル外用薬は、OTC医薬品であり、医師の処方がなくても購入可能な薬です。
しかしAGA以外の脱毛症であった場合には効果が得られません。
正確な診断を受けるためにも、使用の際には医師の診断を受けましょう。
ミノキシジル外用薬についてのQ&A
ミノキシジル外用薬の効果や副作用などにについて解説しましたが、これ以外にも疑問や不安に思う点もあるかもしれません。
以下によくある質問をQ&Aとしてまとめました。ぜひご参考にしてください。
- ミノキシジルは女性でも使えますか?
-
ミノキシジル外用薬は女性にも使用できます。日本皮膚科学会のガイドラインでも、女性型脱毛症に対してはミノキシジル外用薬だけが推奨度Aに分類されています。
ただし、日本ではミノキシジル5%製剤の女性に対する臨床試験は行われていないため、ご使用の際は女性用の1%製剤をご購入ください。
- 高血圧の人でもミノキシジル外用薬は使用できますか?
-
ミノキシジルは、もともと高血圧の薬として開発されたものであり、血管を拡張させる作用があります。
このため、外用薬といえども、高血圧の方は、血圧に影響を及ぼす可能性があります。
購入の際は、医師または薬剤師にご相談ください。
- ミノキシジル外用薬をやめるとどうなりますか?
-
ミノキシジル外用薬の使用をやめると、せっかく改善されたヘアサイクルが再び乱れてしまい、髪も徐々に元の状態に戻っていきます。
せっかく得られた効果を持続させるためにも、継続的に使用することをおすすめします。
- ミノキシジル外用薬が効かない場合はどうすればいいですか?
-
ミノキシジル外用薬は使え始めてから効果が出るまでに3ヶ月から6ヶ月程度かかると言われています。
効果の発現までには個人差がありますので、諦めずに継続使用をしてください。
ただし、6ヶ月以上使用しても効果がない場合は、他の脱毛症である可能性もあるため、医師・薬剤師に相談してください。
- ミノキシジルを使ってると耐性がつくって本当ですか?
-
ミノキシジルの薬剤耐性については、今のところ報告がありません。
長く使用している人の中には、効果があまり感じられなくなる人がいますが、大抵の場合、生活習慣の乱れが原因であったり、実は症状が安定している状態であったりします。
気になった場合は、一度使用を中止したり、生活習慣を見直すといいかもしれません。
まとめ
AGA治療薬の中で唯一発毛作用が確認されている、ミノキシジル外用薬について解説してきました。
ミノキシジル外用薬が日本で初めて「発毛剤」として発売されてから約20年。今では多くの会社からそれぞれ独自の特徴を打ち出した商品が発売されています。
手頃な価格ではじめられますので、興味のある方はぜひ一度医師・薬剤師に相談してみてください。

監修者:医師
- 野口 哲央
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医師免許取得し初期臨床研修修了後、大学病院や市中総合病院で手術や外来業務に従事。
現在も医師として総合病院に勤務しながら、ライターとして一般の方に分かりやすく、読みやすい医療に関する情報を提供している。
