1.ベンザブロックの種類とそれぞれの特徴
まずはベンザブロックとベンザブロックプラスの2つのシリーズのうち、前者のベンザブロックについて、成分の違いや特徴をご説明していきます。
ベンザブロックシリーズには、S、L、IPの3つがあります。
①ベンザブロックSの成分と特徴
ベンザブロックSは「鼻水・鼻づまり、咳」にお悩みの方に適しています。
〈成分〉
・アセトアミノフェン(解熱・鎮痛)
・ヨウ化イソプロパミド(鼻水)
・d-クロルフェニラミンマレイン酸塩(鼻水・鼻づまり)
・トラネキサム酸(のどの痛み)
・ジヒドロコデインリン酸塩(咳)
・dl-メチルエフェドリン塩酸塩(咳・痰・鼻づまり)
・無水カフェイン(頭痛)
・ヘスペリジン(栄養補給)
〈特徴〉
鼻水・鼻づまりを抑える成分としてはヨウ化イソプロパミドとd-クロルフェニラミンマレイン酸塩、dl-メチルエフェドリン塩酸塩が配合されています。ヨウ化イソプロパミドとd-クロルフェニラミンマレイン酸塩の鼻水を抑える効果は強め。しっかりと症状を抑えてくれます。さらに、d-クロルフェニラミンマレイン酸塩は抗ヒスタミン作用により鼻水だけでなく鼻づまりも抑えてくれる成分。dl-メチルエフェドリン塩酸塩は血管を収縮させることで鼻の粘膜が膨張するのを防ぎ、鼻づまりを抑えていきます。
解熱鎮痛効果を持つものとしては、アセトアミノフェンを配合。こちらは子どもからでも飲める成分のため効果は弱め。(解熱鎮痛効果はイブプロフェン>アセトアミノフェン)咳を抑える成分はジヒドロコデインリン酸塩を配合。こちらは咳止めの成分の中でも効果は強めです。
よって、ベンザブロックSの解熱鎮痛効果は低め、鼻水・鼻づまりに関しては強め、咳止めの効果も強めのお薬であると言えます。
②ベンザブロックLの成分と特徴
ベンザブロックLは「のど、熱、鼻水・鼻づまり、咳」にお悩みの方に適しています。
〈成分〉
・イブプロフェン(解熱・鎮痛)
・塩酸プソイドエフェドリン(鼻づまり)
・クロルフェニラミンマレイン酸塩(鼻水・鼻づまり)
・ジヒドロコデインリン酸塩(咳)
・無水カフェイン(頭痛)
〈特徴〉
銀色のパッケージのベンザブロックLは「のど」の痛みがある方をターゲットにしたお薬。のどの痛みを止める成分として市販の風邪薬に配合されている成分の中では効き目の高いイブプロフェンが配合されています。
その他の成分として鼻水をしっかり抑えてくれるクロルフェニラミンマレイン酸塩、咳止めの効果が高いジヒドロコデインリン酸塩などを配合。鼻づまりに対して効果の高い塩酸プソイドエフェドリンも配合しており、熱だけでなく鼻水や鼻づまり、咳にも効き目の良いお薬であると言えます。
③ベンザブロックIPの成分と特徴
ベンザブロックIPは「熱、のど、鼻水、咳」にお悩みの方に適しています。
〈成分〉
・イブプロフェン(解熱・鎮痛)
・クロルフェニラミンマレイン酸塩(鼻水・鼻づまり)
・dl-メチルエフェドリン塩酸塩(咳・痰・鼻づまり)
・ジヒドロコデインリン酸塩(咳)
・無水カフェイン(頭痛)
・ヘスペリジン(栄養補給)
〈特徴〉
青いパッケージのベンザブロックIPは「熱」にお悩みの方をターゲットとしたもの。市販の解熱鎮痛剤の中では効果が高めであるイブプロフェンを配合することにより、熱を下げていきます。
その他の成分として鼻水をしっかり抑えてくれるクロルフェニラミンマレイン酸塩、咳止めの効果が高いジヒドロコデインリン酸塩などを配合。熱だけでなく、鼻水や咳にも効き目の良いお薬であると言えます。正直言うと、ベンザブロックLと商品を分ける必要があったのか?というくらい違いはあまりありません。
2.ベンザブロックプラスの種類とそれぞれの特徴
先に紹介したベンザブロックシリーズよりも新しく、さらに効果が高まったものがベンザブロックプラスに共通する特徴です。次に、ベンザブロックプラスのシリーズについて、成分や特徴を見ていきましょう。
ベンザブロックプラスシリーズにも、S、L、IPの3つがあります。
①ベンザブロックSプラスの成分と特徴
ベンザブロックSプラスはベンザブロックSと同様に「鼻水・鼻づまり、咳」にお悩みの方に適しているお薬です。
〈成分〉
・アセトアミノフェン(解熱・鎮痛)
・ヨウ化イソプロパミド(鼻水)
・d-クロルフェニラミンマレイン酸塩(鼻水・鼻づまり)
・トラネキサム酸(のど)
・ジヒドロコデインリン酸塩(咳)
・dl-メチルエフェドリン塩酸塩(咳・痰・鼻づまり)
・無水カフェイン(頭痛)
・リボフラビン(栄養補給)
・ヘスペリジン(栄養補給)
〈特徴〉
ベンザブロックSプラスは「鼻水・鼻づまり」に悩まれる方をターゲットにしたもの。ベンザブロックSに栄養補給を目的としたリボフラビンが配合されたものがこのベンザブロックSプラスです。リボフラビンは体内でエネルギー生産を助ける働きのあるビタミン。風邪によって消耗した体力を補う手助けをします。
リボフラビン以外の成分はベンザブロックSと全く同じものです。そのため、ベンザブロックSと同様に解熱鎮痛効果は低め、鼻水・鼻づまりに関しては強め、咳止めの効果も強めのお薬であると言えます。
②ベンザブロックLプラスの成分と特徴
ベンザブロックLプラスは「のど、熱、鼻水・鼻づまり、咳、痰」にお悩みの方に適しています。
〈成分〉
・イブプロフェン(解熱・鎮痛)
・塩酸プソイドエフェドリン(鼻づまり)
・L-カルボシステイン(痰)
・d-クロルフェニラミンマレイン酸塩(鼻水・鼻づまり)
・ジヒドロコデインリン酸塩(咳)
・無水カフェイン(頭痛)
〈特徴〉
ベンザブロックLにL-カルボシステインが加わったものがこちらのベンザブロックLプラス。L-カルボシステインは痰の粘度を下げて痰を出しやすくする成分です。この成分が加わった以外は特にベンザブロックLと変わりありません。
解熱鎮痛剤のイブプロフェン、鼻水をしっかり抑えるd-クロルフェニラミンマレイン酸塩、咳止め効果の高いジヒドロコデインリン酸塩にL-カルボシステインが加わることで、熱や鼻水、咳、そして痰のからみを楽にしていきます。
③ベンザブロックIPプラスの成分と特徴
ベンザブロックIPプラスは、ベンザブロックIPと同様に「熱、のど、鼻水、咳」にお悩みの方に適しています。ただし、ベンザブロックIPプラスの方が熱やのどに対する効果は強めです。
〈成分〉
・イブプロフェン(解熱・鎮痛)
・アセトアミノフェン(解熱・鎮痛)
・d-クロルフェニラミンマレイン酸塩(鼻水・鼻づまり)
・dl-メチルエフェドリン塩酸塩(咳・痰・鼻づまり)
・ジヒドロコデインリン酸塩(咳)
・無水カフェイン(頭痛)
・アスコルビン酸カルシウム(栄養補給)
・ヘスペリジン(栄養補給)
〈特徴〉
ベンザブロックIPにアセトアミノフェン、アスコルビン酸カルシウムが加わったものがベンザブロックIPプラスです。アセトアミノフェンは解熱鎮痛剤、アスコルビン酸カルシウムは風邪のときに消耗しやすいビタミンを補給する目的で加えられています。イブプロフェンとアセトアミノフェンの2種類の解熱鎮痛剤を加えることでより高い効果が期待できる処方です。
3.ベンザブロックとベンザブロックプラスの比較
ここでは、分かりやすいように6種類のベンザブロックをグラフにまとめています。
〈成分比較表〉
|
成分名 |
効果 |
ベンザブロックS |
ベンザブロックSプラス |
ベンザブロックIP |
ベンザブロックIPプラス |
ベンザブロックL |
ベンザブロックLプラス |
|
イブプロフェン |
解熱・鎮痛 |
|
|
○ |
○ |
○ |
○ |
|
アセトアミノフェン |
解熱・鎮痛 |
○ |
○ |
|
○ |
|
|
|
ヨウ化イソプロバミド |
鼻水 |
○ |
○ |
|
|
|
|
|
トラネキサム酸 |
のど |
○ |
○ |
|
|
|
|
|
d-クロルフェニラミンマレイン酸塩 |
鼻水・鼻づまり |
○ |
○ |
|
○ |
|
○ |
|
クロルフェニラミンマレイン酸塩 |
鼻水・鼻づまり |
|
|
○ |
|
○ |
|
|
dl-メチルエフェドリン塩酸塩 |
咳・痰・鼻づまり |
○ |
○ |
○ |
○ |
|
|
|
塩酸プソイドエフェドリン |
鼻づまり |
|
|
|
|
○ |
○ |
|
L-カルボシステイン |
痰 |
|
|
|
|
|
○ |
|
ジヒドロコデインリン酸塩 |
咳 |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
|
無水カフェイン |
頭痛 |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
|
アスコルビン酸カルシウム |
栄養補給 |
|
|
|
○ |
|
|
|
リボフラビン |
栄養補給 |
|
○ |
|
|
|
|
|
ヘスペリジン |
栄養補給 |
○ |
○ |
○ |
○ |
|
|
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自分に本当に合う風邪薬の選び方
ベンザブロックといえば「鼻から来る人は黄色のベンザ」のように風邪の症状がどこから始まったのかによってお薬を選べるようにしているのが特徴。しかし、このCMの通りにどこから症状が始まったかによってお薬を選んでしまうと、自分に本当に合うものが選べなくなる原因にもなるので注意が必要です。
例えば、症状が鼻水から始まったけど今は鼻水の症状が落ち着き、熱やのどの症状がひどくなってきているとします。ここで「自分の風邪は鼻から始まったから青のベンザ」と安易に選んでしまうのはNG。青のベンザは確かに鼻に効き目が高い処方となっていますが、配合されている解熱鎮痛剤がアセトアミノフェンと効果が弱いものなので熱やのどに対しての効き目は弱め。飲んでもなかなか熱が下がらないという事態も起こりえます。
本来、風邪薬はどこから症状が始まったのかではなく、今ある症状に合わせて選んでいくべきもの。「のどから~、鼻から~…」という言葉に惑わされてはいけません。
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4.風邪薬は風邪を治すものではない?症状が長引くときは病院へ
風邪薬を買いに来られる多くの方が「1番早く治る風邪薬をください。」と相談しに来られます。風邪薬は残念ながら風邪を治すものではなく、症状を抑えて体を楽にしてあげるもの。風邪を治すのは自分の体自身なのです。
風邪を治すものじゃないということが分かれば、「風邪薬を飲んだのに風邪が治らない。」という発言がおかしいことも気づくはずです。
しかし、万が一風邪があまりに長引く場合は、風邪以外の疾患が隠れている可能性もあるので、いつもの風邪と様子が違うなと感じたらすぐに病院を受診するようにしてください。
5.まとめ
6種類もあるベンザブロックですが、大きな違いがあるものもあれば、あまり変わらないものもあります。「今」出ている症状に合わせてどのお薬が自分に合っているのかを見つけることで、気になる症状を抑えてくれることでしょう。
風邪の症状は多くの場合、2週間程度で落ち着きますが症状がいつもと違ったり、1ヶ月以上も症状が長引いたりする場合は風邪以外の疾患にかかっている可能性も。そのようなときは早めに受診しましょう。
