1.太田胃散とは?
「太田胃散」は、株式会社太田胃散が発売している「芳香性健胃消化薬」で、粉末状の市販薬です。市販薬の中でも「第2類医薬品」に分類されています。
「芳香性健胃消化薬」とは、独特の香りによって胃の機能を改善する生薬(自然の植物・鉱物・動物を乾燥させたり、刻んだり、簡単な加工を行ったもの)と消化を助ける成分が配合されている胃薬のことです。
1-1. 製品の種類
缶に入っていて1回量を付属のスプーンですくって服用する製品と1回量が小分け分包されている製品の2つが発売されています。
缶に入っているタイプは75g入り、140g入り、210g入りの商品が、小分け分包されているタイプは16包入り、32包入り、48包入りの商品があります。
どちらのタイプの商品も、中に入っているのは同じ薬ですので、効果や用法・用量などは全く同じです。
家では缶のもの、外出先では小分け分包されたもの、というように使い分けてみるといいかもしれません。
他に、太田胃散シリーズとしては、太田胃散A(錠剤)、太田漢方胃腸薬Ⅱ、太田漢方胃腸薬Ⅱ(錠剤)、太田胃散(内服薬)、太田胃酸チュアブルNEO、太田胃散整腸薬など様々なものがあります。
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2.効能効果は?
太田胃散は、以下の幅広い胃の症状に対して効果があります。
二日酔い予防にも効果ある?
上記にもあるように、太田胃散は飲みすぎや二日酔いによる吐き気に効果があります。
しかし、お酒を飲む直前やお酒と一緒に太田胃散を飲んだからといって二日酔いを予防できるわけではありません。
効果がないだけでなく、薬をお酒で服用したり、お酒と時間を空けずに服用するのはとても危険です。
アルコールを摂取すると、肝臓で薬物を代謝する酵素がアルコールを代謝するために消費されるため、一般的には薬の代謝が遅くなってしまいます。
すると、体の中から薬が出て行くのに時間がかかり、薬が効きすぎたり、副作用のリスクが上がってしまいます。
個人差はありますが、お酒を飲んだ後は6時間程度アルコールの影響を受けるとされているので注意してください。また、薬は必ず水やぬるま湯で服用するようにしましょう。
3.用法・用量は?
太田胃散は、1日3回食後または食間に服用することとなっています。
「食間」とは食事をしている間という意味ではなく、食事と食事の間という意味で、食事の約2時間後の空腹時に服用します。
用量は15歳以上で1回1.3g、8歳以上14歳未満で1回0.65g服用します。8歳未満の小児は服用することができません。
分包されている商品では、1包に1.3g入っているため、15歳以上で1回1包、8歳以上14歳未満で1回1/2包服用します。
4.有効成分は?
太田胃散は胃にどのように作用し、さまざまな症状を改善するのでしょうか?有効成分を見ていきましょう。
太田胃散には有効成分として、以下の健胃作用のある生薬、制酸薬、消化酵素が含有されています。
配合されているのは胃に対してのみ作用する成分のみなので、太田胃散は腸にまで効果がある「胃腸薬」ではありません。
しかし、胃での消化が促されることで腸の負担が軽減されて症状が改善されることも期待できます。
4-1. 健胃作用のある生薬
・ケイヒ
・ウイキョウ
・ニクスグ
・チョウジ
・チンピ
・ゲンチアナ
・ニガキ末
弱った胃の働きを正常化し、胃酸の分泌を整える作用のある生薬が配合されています。
これらの生薬が相乗的に働き効果を発揮し、胃もたれや胸焼けなどの症状を改善します。
4-2. 制酸薬
・炭酸水素ナトリウム
・沈降炭酸カルシウム
・合成ケイ酸アルミニウム
過剰に分泌された胃酸を中和し、酸性に傾いた胃内pHを調節することで、胃のムカつき、胸焼け、胃もたれ、呑酸などの症状を改善します。
作用時間の異なる制酸薬を配合することで、服用直後から長時間効果を発揮することができます。
4-3. 消化酵素
・ビオヂアスターゼ
デンプンやタンパク質などの消化を助ける消化酵素です。消化不良による胃もたれや胸焼け、胃・腸の膨満感、吐き気などの症状を改善します。
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「太田胃散」は100年以上日本人の胃腸を支え続けてる!
太田胃散はどのようにして生まれたのでしょうか?
その誕生秘話に長年愛されている理由が隠されているのでご紹介します。
長年胃痛で苦しんでいた株式会社太田胃散(当時の雪湖堂)の創業者である「太田信義」は、当時の名医と言われていた緒方出斎の診察を受けました。そこで処方された薬を服用すると今まで何をしても良くならなかった胃痛が嘘のように改善されたそうです。
緒方出斎によると、この処方は西洋で生まれたもので、オランダより来日した軍医により伝えられたとのことです。
太田信義は、この処方を譲り受け「太田胃散」として広く売り出しました。これが、明治12年のことです。
この薬はもともと肉中心の欧米人の食生活に適した処方として西洋で開発された処方ですが、日本においても食の欧米化が進んだことから、現在の日本人の胃にも適した処方になっています。
これが発売から現在まで100年以上も日本で売れ続けている理由です。
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5.妊婦さんにも使える?授乳中は?
胎児の発育に影響する成分は配合されていないため、妊娠中の方でも安心して服用することができます。
また、成分が母乳へ移行することがないことも確認されているため、授乳中の方でも問題なく服用できます。
6.飲み合わせの悪い薬と対処法
太田胃散を服用する際には他の薬との飲み合わせに注意が必要な場合があります。
有効成分の「沈降炭酸カルシウム」や「合成ケイ酸アルミニウム」により、以下の薬の作用に影響を与える場合があるためです。
【テトラサイクリン系抗生物質】
・ビブラマイシン
・ミノマイシン
・アクロマイシンV
・レダマイシン
【ニューキノロン系抗生物質】
・クラビット
・ジェニナック
・アベロックス
・オゼックス
・シプロキサン
【セフェム系抗生物質】
・セフゾン
【甲状腺低下症治療薬】
・チラーヂンS
【脂質異常症治療薬】
・クレストール
【抗アレルギー薬】
・アレグラ
これらの薬は、アルミニウムやカルシウムを含む医薬品と同時に服用すると、難容性の複合体を形成し吸収率が低下してしまうため効果が減弱してしまいます。
服用の時間をずらせば併用は問題ないため、これらの薬を服用中の方は、太田胃散との同時服用は避け上記薬を服用してから3時間後に太田胃散を服用するようにしましょう。
7.その他の注意事項
・副作用が少なく安全性の高い薬ですが、まれに発疹・発赤、痒みなどの皮膚障害が見られる場合があります。このような症状が見られる場合は服用を中止し、受診しましょう。
・腎臓が悪い方は、有効成分に含まれているアルミニウムを体の外に排出する機能が低下しているため、高アルミニウム血症を起こす可能性があります。服用する前に主治医に確認するようにしましょう。
・透析療法を受けている方は、有効成分に含まれているアルミニウムが透析に影響を与えるため服用することができません。
8.おわりに
現代の日本は食べ物に恵まれていて、美味しいものをついつい食べ過ぎちゃうことがありますよね。また、忙しくて朝を抜くことが多い、夜食べるのが遅いなど不規則な食生活になってしまっている方も多いのではないでしょうか?
そのような食生活を続けていると、知らない内に胃への負担が掛かってしまい、慢性的な胃もたれ、胃痛、胸焼けなどの症状が現れやすいのです。
胃への負担を軽減する太田胃散は、そんな現代の日本人にマッチした「いい薬です」と言えるでしょう。
