1.手足口病とは?

手足口病とは夏場に子どもに流行しやすい夏風邪の一種です。
ヘルパンギーナ、プール熱などとともに3大夏風邪として有名です。
名前のとおり、手や足、口に発疹ができます。

1-1. 手足口病の原因は?

手足口病の原因は、他の多くの風邪と同じように「ウイルス」です。
エンテロウイルスやコクサッキーウイルスなどエンテロウイルス属に分類される複数のウイルスが原因となります。
同じ夏風邪のヘルパンギーナもエンテロウイルス属が原因の感染症です。
ちなみにプール熱はアデノウイルスが原因です。

1-2. 手足口病の主な症状と期間

手足口病という名の通り、手のひらや足の裏、口内に水疱性の発疹ができます。しかし、患部はそこにとどまらず、太ももやお尻など、広い範囲に見られることもあります。
口の中の粘膜に水疱ができて、破れて潰瘍になるので、痛いです。口の中が痛むので、食事も摂れず、ミルクの飲みも悪くなります。

ヘルパンギーナやプール熱と比べて高熱が出ることは少なく、熱が出るのは全体の10%程度です。熱が出ても37~38℃台で、1~3日くらいで下がります。

手足口病は、発症してから症状が治まるまで1週間から10日程度はかかります。まれに髄膜炎や脳炎など中枢神経系の合併症などが起こる場合があります。子供がぐったりして意識がはっきりしないなどの場合には、医療機関にすぐかかるようにしてください。

「大人でもうつる?」

手足口病の好発年齢は乳幼児期で5歳未満の小児が90%を占めますが、大人でもうつります。
一度かかれば免疫ができて、終生免疫を得られるような感染症もありますが、手足口病は何度もかかります。
理由の一つとして、原因となるウイルスがエンテロウイルスやコクサッキーウイルスを始めとした10種類以上のウイルスがあるからです。

去年はコクサッキ―ウイルスA6型、今年はエンテロウイルス71型、といった具合に。
インフルエンザもA型、B型と同じ年に2回かかる人、いますよね。

2.手足口病の治療について

2-1. 手足口病の特効薬はある?

特効薬はありません。ウイルスなので抗生物質は効きません。
医者に来れば治してもらえると思っている親御さんも多いですが、医者は万能ではありません。
手足口病を治す薬はありません。

2-2. 対症療法として用いられるお薬

手足口病と診断されたら、処方される薬は対症療法薬です。症状を軽減する薬です。
熱があれば解熱剤、痛みがあれば痛み止め、痒みがあればかゆみ止め。
手足の発疹は通常、かゆみを伴うことは少ないので、解熱鎮痛剤だけが処方されることも多い。
小児に使われる解熱鎮痛剤といえば「アセトアミノフェン」です。
そのため、小児科からアセトアミノフェンだけの処方、というのも多いです。咽頭痛にはのどの炎症を抑える薬が処方されることがあります。

「抗生物質は手足口病に効く?」

抗生物質はウイルスには効きません。しかし、二次感染予防という名目で処方されることもあります。
ちなみに私はプール熱のとき、病院で抗生物質の点滴を受けました。意味があったのかどうかは不明です。
通常、手足口病に抗生物質が処方する意味はありませんが、いまだ処方する医師がいるのは、耐性菌に対する意識の低さもあるだろうと思います。

 

「ステロイドは手足口病に効く?」

ステロイドは基本的に感染症には禁忌です。
しかし、症状が重篤であれば使われることもあります。また、かゆみに対してステロイド外用薬が処方されることもあります。
しかし、水疱瘡との鑑別が難しい手足口病においては、ステロイド外用薬よりも亜鉛華軟膏やカチリなどの水疱瘡でも処方されるような塗り薬を用いたほうが無難。

 

3.感染対策、登園・登校はいつから?

手足口病の予防接種は無いので、予防法としては他の風邪同様、手洗い・うがいが基本となります。タオルの共用などはしないようにします。手足口病の感染は、くしゃみなどの際に出る飛沫によって感染する「飛沫感染」と、唾液や鼻水などが手が触れることで感染する「接触感染」があります。とくに乳幼児が集団生活をしている保育施設や幼稚園などでは注意が必要です。潜伏期間は、3〜6日くらいです。

また、インフルエンザや水疱瘡などと違って、学校保健法では手足口病の出席停止期間は定められていません。
そのため、元気になれば親の判断で登園・登校可能です。

4.こんなときは病院へ

症状が軽ければ「保育園で手足口病が流行っているので手足口病かも知れないな。」と思っても、家で安静にしていたほうが良いでしょう。
病院に行って診察してもらうのは、時間もかかり、他の病気をもらってしまう恐れもあります。
しかし、症状が重篤である場合は、病院で診てもらう必要があります。手足口病ではない可能性もあります。

手足口病と同じように、「発疹・発熱」を主症状とした感染症は多いです。水疱瘡、突発性発疹など、他の感染症との鑑別は難しいです。
親が仕事を休むために病院へ行く必要がある(おかしなことですが)ということもあります。

5.おわりに

結局、手足口病には特効薬はなく、安静にしているしかありません。
高熱が出て心配する親御さんは多いですが、むやみに熱を下げても風邪の治りを遅らせるだけです。
口内の発疹のため、食事もなかなかできない状態になるので、痛み止めを使いつつ、ゼリーを食べさせたり、脱水症状にならないように、麦茶やイオン飲料などで、こまめに水分補給をしましょう。