クラリス(クラリシッド)の成分クラリスロマイシンについて
1)効能・効果
病原細菌の蛋白合成を阻害することによって抗菌作用を示します。
通常は、呼吸器感染症、中耳炎、皮膚感染症、尿道炎、子宮頸管炎、骨盤内炎症性疾患、外傷どの二次感染予防、ヘリコバクターピロリ菌の除菌など、様々な感染症に対して幅広く効果を発揮します。
2)薬のタイプ
3)飲み方
年齢や症状に応じて調整されます。
◆一般感染症に対して◆
《錠剤》
成人:1日400mg(成分量)を2回に分けて服用
小児: 1日10~15mg(成分量)/ (体重1kgあたり)を2~3回に分けて服用
《ドライシロップ》
小児:用時懸濁し、1日10~15mg(成分量)/ (体重1kgあたり)あたりを2~3回に分けて服用
※疾患・症状によっては、別途服用方法が異なりますので、医師の指示を守って服用するようにしましょう。
4)副作用
服用後は、いつもと違う症状が出ていないか様子をみるようにしましょう。発疹や蕁麻疹などのアレルギー反応や副作用が出る可能性があります。もし、そのような症状の変化がある場合は、医師や薬剤師にすぐに相談しましょう。
同じ系統であるマクロライド系の抗生物質でアレルギー症状を起こしたことがある場合には注意が必要で、必ず医師や薬剤師に申し出るようにしましょう。マクロライド系の抗生物質の一覧を下部に記載しますので、ご参考下さい。
>クラリス(クラリシッド)と同じマクロライド系の抗生物質一覧
マクロライド系の抗生物質の代表例を記載します。
●エリスロシン[成分名:エリスロマイシンステアリン塩]
●ジスロマック[成分名:アジスロマイシン]
●ルリッド[成分名:ロキシスロマイシン]
●ジョサマイシン[成分名:ジョサマイシン]
クラリス(クラリシッド)と注意すべきお薬との飲み合わせ
●オーラップ[成分:ピモジド] 統合失調症
●クリアミン、ジヒデルゴトなど[エルゴタミン含有製剤] 片頭痛
●アドシルカ[成分名:タダラフィル] 肺高血症
●スンベプラ[成分名:アスナプレビル] C型慢性肝炎
●バニヘップ[成分名:バニプレビル] C型慢性肝炎
●ベルソムラ[スポレキサント] 不眠症
⇒クラリスには、お薬を代謝する酵素を阻害する作用があり、これらのお薬の代謝を阻害し作用を強め、副作用のリスクが高まる可能性があります
※その他、クラリスがお薬を代謝する酵素に影響を及ぼすことから、併用に注意が必要とされるお薬が多数あります。
他のお薬を合わせて服用する場合は、医師や薬剤師に必ず相談するようにしましょう。
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ドライシロップの味と飲み合わせの味の工夫
色:微赤白色
味:ストロベリー風味
クラリス・クラリシッドの成分は、元々苦みがあるお薬で、苦みを抑え、飲みやすくするために薬の表面を、甘みのあるものでコーティングしてあります。噛んだり、すり潰すと、苦い味が出てきます。甘みのあるコーティングをしていますが、後味の苦さは残ります。
苦みが増す飲み合わせ
酸っぱいものの例としては、
・柑橘系のジュース(オレンジジュースなど)
・ヨーグルト
・乳酸菌飲料(ヤクルトなど)
・スポーツ飲料
などがあります。
また、他のお子さんのお粉のお薬でも酸性薬剤(ムコダイン、ムコソルバンなど)があるため、これらのお薬と合わせて一気に飲むと苦みを増してしまう可能性があります。そのため、クラリスは単独で服用しましょう。
苦みをおさえる飲み合わせ
又、薬局やドラッグストアで販売している服薬補助ゼリーも、味が何種類かあり、お薬専用に作られていますので、おすすめします。
ジェネリック医薬品の色・味
●クラリスロマイシンドライシロップ10%小児用「マイラン」
色:白色〜帯黄白色 味:フルーツ風味
●クラリスロマイシンドDS10%小児用「コーワ」
色:白色 味:バナナ
●クラリスロマイシンドDS10%小児用「サワイ」
色:白色 味:ストロベリー風味
●クラリスロマイシンドDS10%小児用「日医工」
色:白色 味:ストロベリー風味
●クラリスロマイシンドDS10%小児用「タカタ」
色:微黄白色〜微褐色 味:わずかに特異なにおい(バナナ)
味や色については、ジェネリック医薬品によっては、バナナ味、フルーツ風味など、先発品であるクラリス・クラリシッドと違う場合があります。味について気になる場合は、お薬を受け取る際に、薬剤師の方に確認しましょう。
又、ジェネリック医薬品の成分は同じですので、効果や飲み合わせについては、今回の記事を参考に、クラリスと同じようにお考え下さい。
※ジェネリック医薬品とは・・・
先発品(新薬)の特許がきれたあと、他のメーカーが先発品(新薬)と同じ有効成分で効能・効果が原則同じで販売できます。開発コストを抑えて発売するため、先発品(新薬)より安くなります。
[参考]クラリス(クラリシッド)とクラビットの違い
クラリスとクラビットは、違うお薬になります。
クラリスの成分であるクラリスロマイシンは、今回の説明であったように、「マクロライド系」とよばれる抗生物質のタイプに分類されます。
一方で、クラビットの成分であるレボフロキサシンは、「ニューキノロン系」とよばれる抗生物質のタイプになります。
たしかに、マクロライド系、ニューキノロン系の抗生物質はどちらも抗菌範囲が広く、いろいろな細菌に有効ですので、よく処方されるのですが、抗生物質としては、別のタイプになります。
そのため、クラリスとクラビットは、名称が似ていますが、タイプは違い、各々得意とされる感染症が違うため、用途に応じて、使い分けて処方されます。
おわりに
子どもは、苦みを嫌がりますので、今回ご紹介したおすすめの飲み合わせを参考にして下さい。
抗生物質は、途中で飲み忘れたり、途中で飲むのをやめたりするとしっかり効果が得られないことや、お薬に耐性を持った菌ができてしまうことがあります。症状が良くなったとしても、処方された日数分、しっかりと飲みきるようにしましょう。