1.アレルギー性鼻炎とは?

アレルギー性鼻炎は、花粉やハウスダストなどのアレルゲンにより起こるアレルギー疾患で、症状として鼻水、くしゃみ、鼻づまりの症状が現れます。

 

アレルゲンが鼻粘膜に付着すると免疫細胞がアレルゲンを取り込み、「ヒスタミン」や「ロイコトリエン」などのアレルギー反応に関与する物質(ケミカルメディエーター)を分泌します。ケミカルメディエーターが鼻粘膜の知覚神経や毛細血管を刺激することで、くしゃみ、鼻水、鼻づまりが起こります。

 

薬物治療では、アレルギーを抑える薬、免疫活動を抑える薬、血管を収縮させる薬により症状を改善させます。

 

最近では、舌下免疫療法という、免疫細胞がアレルゲンに反応しないようにする治療も保険診療で受けることができるようになりました。

 

 

 

2.「アジェンテ点鼻薬AG」について

2-1. 概要

「アジェンテ点鼻薬AG」は、ドラッグストアのツルハドラッグが企画・販売している、鼻炎用点鼻薬です。

 

点鼻薬とは、薬液を鼻粘膜に噴霧することで、鼻粘膜から有効成分を吸収させ、効果を発揮する薬です。

点鼻薬の多くは、有効成分の大部分が鼻粘膜で局所的に作用するため、内服薬より少ない量で効果が得られ、また、全身性の副作用が少ないとされています。

 

「アジェンテ点鼻薬AG」は、「第2類医薬品」に分類されているため、ドラッグストアや薬店、インターネットでも購入することができますが、ツルハドラッグのプライベートブランド(PB)「Medis’ one(メディズワン)」の商品であるため、ツルハホールディングスの店舗や販売サイトでのみ販売されています。

 

 

プライベートブランド(PB)商品とは?

 

スーパーやコンビニなどで、その企業やグループのみで販売されている商品ブランドがありますよね。例えば、イオングループの「トップバリュ」やセブン&アイグループの「セブンプレミアム」などです。

それらをプライベートブランド(PB)といいます。

 

PB商品では、商品開発の企画段階から小売業者が参加することで、独占的に商品を販売することができます。

反対に、どの小売店舗でも広く販売されている商品をナショナルブランド(NB)といいます。

 

市販薬(OTC医薬品)にもPBの医薬品が増えてきています。

PB医薬品はNB医薬品と比べて価格が安いですが、品質には問題ありません。

 

価格が安い理由は、広告販売費が抑えられること、中間業者を挟むことなく仕入れを行えること、配送コストを抑えるられるためで、有効性と安全性はNB医薬品と変わりありません。

 

 

2-2. 有効成分と作用

「アジェンテ点鼻薬AG」には、以下の3つの有効成分が配合されています。

 

 

クロモグリク酸ナトリウム

ヒスタミンやロイコトリエンなどのケミカルメディエーターの分泌を抑制することで、アレルギー反応を抑えます。

 

 

ナファゾリン塩酸塩

強い血管収縮作用があります。鼻粘膜の充血や腫れを抑えて、鼻づまりに対して即効性で高い効果があります。

使い過ぎると効果に耐性が出来てしまい、効き目が低下するだけでなく、症状が悪化してしまうので使用回数には注意が必要です。

 

 

クロルフェニラミンマレイン酸塩

アレルギー反応を誘発するヒスタミンの作用を抑制することで、くしゃみ、鼻水などのアレルギー症状を抑えます。

 

 

2-3. 効能・効果

「アジェンテ点鼻薬AG」の効能・効果は以下のとおりです。

 

 

2-4. 使用方法

7歳以上の方は、1日3~5回、1回1噴霧ずつ、両鼻腔内に噴霧します。

7歳未満のお子さんは使用できません。

 

初めて使用する場合には、ノズルに入っている空気を抜くために、空中で何度か空押しし、薬液が霧状で出るのを確認してから使用します。

 

使用する前に鼻をよく噛み、使用後は薬液が垂れてこないように15秒ほど上を向くと効果的です。

 

 

2-5. 副作用

全身性の副作用は少ないですが、有効成分の一部が鼻粘膜から全身の血流に乗り、全身で作用することがあります。

 

使用後に次のような症状があれば、医師または薬剤師に相談しましょう。

 

【主な副作用症状】

  発疹・発赤、痒み、腫れ、鼻血、頭痛、息苦しい、喉の痒み、動機 など

 

また、眠気が起こることがあるので、使用後は車の運転や危険を伴う機械の操作は避けましょう。

 

 

 

2-6. 類似薬との比較(作用と価格)

ツルハドラッグのPB市販薬「アジェンテ点鼻薬AG」と類似のNB市販薬を、作用と価格で比較してみましょう。

 

①有効成分と作用

エージーノーズ アレルカット C/S/M(第一三共ヘルスケア)

 

「アジェンテ点鼻薬AG」の3つの有効成分と、アレルギーによる炎症を抑える作用のある「グリチルリチン酸二カリウム」が配合されています。

メートールが配合されていて爽快感のあるC、メントール無配合のS、液だれしにくいMの3タイプ発売されています。

 

【有効成分】

・クロモグリク酸ナトリウム(抗アレルギー作用)

・ナファゾリン塩酸塩(血管収縮作用)

・クロルフェニラミンマレイン酸塩(抗ヒスタミン作用)

・グリチルリチン酸二カリウム(抗炎症作用)

 

 

ロートアルガードST鼻炎スプレー(ロート製薬)

 

「アジェンテ点鼻薬AG」の3つの有効成分と、殺菌作用のある「ベンゼトニウム塩化物」が高濃度で配合されいるため、細菌による鼻粘膜の炎症を抑制します。

 

【有効成分】

・クロモグリク酸ナトリウム(抗アレルギー作用)

・ナファゾリン塩酸塩(血管収縮作用)

・クロルフェニラミンマレイン酸塩(抗ヒスタミン作用)

・ベンゼトニウム塩化物(殺菌作用)

 

 

ナザールブロック(佐藤製薬:現在は製造中止)

 

「アジェンテ点鼻薬AG」と同じ有効成分が同じ量配合されているため、効果も全く同じといえます。

※ 2015年に製造中止となりましたが、価格比較がしやすいため参考として載せています。

 

【有効成分】

・クロモグリク酸ナトリウム(抗アレルギー作用)

・ナファゾリン塩酸塩(血管収縮作用)

・クロルフェニラミンマレイン酸塩(抗ヒスタミン作用)

 

「ナザールブロック」以外は配合されている有効成分の違いがあるため、単純に比較は出来ませんが、類似薬の中ではPB商品である「アジェンテ点鼻薬AG」の価格が最も安いことがわかります。

 

2-7. 使い過ぎには注意!

「ナファゾリン塩酸塩」などの血管収縮剤を含む点鼻薬は、即効性があり、使用後に直ぐ効果が実感できますが、持続時間は長くありません。

そのため、短時間の内に何度も繰り返し使用しがちになってしまいます。

 

しかし、血管収縮剤の使い過ぎは、「点鼻薬性鼻炎」を引き起こしてしまうので、注意が必要です。

 

点鼻薬性鼻炎とは、鼻粘膜に血管収縮剤を継続的に使用した場合に、鼻粘膜の毛細血管の周囲の組織が変性して硬くなってしまう症状です。

こうなると常に鼻が詰まったような状態になり、血管収縮剤も効果がありません。

 

期間にして1ヶ月以上、1日の回数として6回以上継続して使用すると、点鼻薬性鼻炎になる危険性が高まります。

 

点鼻薬性鼻炎の治療薬はなく、症状を改善するには、血管収縮剤を含む点鼻薬を中止し、組織が新しく生まれ変わるのを待つしかありません。点鼻薬を中止してから、1〜2週間程度で症状が改善されます。

 

点鼻薬性鼻炎になってしまった場合は、まずは点鼻薬の使用を中止し、耳鼻科を受診しましょう。

また、点鼻薬性鼻炎にならないために、血管収縮剤が含まれる点鼻薬の使用は最低限にとどめましょう。

 

 

2-8. その他の注意事項

・3日間使用しても症状が改善されない場合は、使用を中止し、医師または薬剤師にご相談ください。

 

・高血圧、心臓病、糖尿病、甲状腺機能障害、緑内障と診断された方は、病状や治療に影響することがあるので、使用前に医師または薬剤師にご相談ください。

 

・使用後は、清潔なティッシュペーパーやガーゼなどでノズルを拭き、キャップをして保管してください。

 

 

4.他のオススメ点鼻薬

点鼻薬性鼻炎は、血管収縮剤を含まない点鼻薬を選ぶことで回避できます。

 

以下の市販の点鼻薬には、血管収縮剤が入っていないので効果は弱めですが、点鼻薬性鼻炎の心配がなく、症状の軽い鼻炎にはオススメです。

 

 

ナザール α AR (佐藤製薬)

 

有効成分の「ベクロメタゾンプロピオン酸エステル」により、鼻粘膜での炎症を抑え、くしゃみ、鼻水、鼻づまりを改善します。

いわゆるステロイド剤ですが、鼻粘膜で効果を発揮した後、体内に吸収された場合には、作用の弱い物質に分解されるステロイドです。

 

有効成分:ベクロメタゾンプロピオン酸エステル

 

 

ザジテンAL鼻炎スプレー α(グラクソ・スミスクライン)

 

有効成分の「ケトチフェンフマル酸塩」により、ヒスタミンやロイコトリエンなどのケミカルメディエーターの分泌を抑え、またそれらの作用を阻害することで、アレルギー症状を抑制します。

メントールが配合されたクールタイプも発売されています。

 

有効成分:ケトチフェンフマル酸塩

 

 

 

5.終わりに

 

くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの鼻症状には、「アジェンテ点鼻薬AG」などの血管収縮剤を含む点鼻薬が良く効き、即効性があるため、ついつい使い過ぎてしまいます。

しかし、使い過ぎると「点鼻薬性鼻炎」へと移行してしまうので注意しましょう。

点鼻薬性鼻炎にならないように、軽い症状には血管収縮剤を含まない点鼻薬を使用し、特に症状の酷い時のみに血管収縮剤を含むものを最小限で使用する、というように使い分けるといいでしょう。