1.ビソルボンとムコダインの違い

1-1. ビソルボンの成分と効果

ビソルボンに含まれている成分は、ブロムヘキシンで「気道粘液分泌促進薬」とも呼ばれています。

 

痰の粘り気が高いと気道に留まり体外から排出しにくくなり、無理に出そうとして咳症状が重症化しやすくなります。そのため痰を出しやすくするためには痰の粘り気を下げることが必要になってきます。

 

ビソルボンはサラサラとした粘液を気道から分泌させることで痰を薄めていくと同時に痰の粘性の原因となるムチン等の糖タンパク質を溶かすことで粘性を下げて痰を体外に排出しやすくします。

 

糖タンパク質を溶かす仕組みはビソルボンの特徴と言える作用で粘り気が高くてこびりつくような痰に効果的と言えます。

 

1-2. ビソルボンはどんな場合に使用される?

痰を構成しているムコ多糖類を溶かす作用やサラサラした粘液を出して痰を薄める効果から気道にへばりつくようなキレの悪い喀痰に使用することが多いです。去痰に特化した薬剤と言えるでしょう。

 

1-3. ムコダインの成分と効果

一方、ムコダインに含まれている成分は、カルボシステインで「気道粘液修復薬」とも呼ばれています。

 

気道粘膜の細胞を健康時の状態に戻して粘膜の炎症を抑える効果があり、痰の粘り気の原因となるムチンなどの糖タンパク質の分泌量を減らします。気道粘膜を健康状態に修復することで痰を出しやすくします。

また、痰を構成しているシアル酸とフコースの比率がフコースに傾くと粘性が高くなりますが、ムコダインは痰を構成している成分のバランスを健康時のものに戻して痰の粘り気を低くします。

 

1-4. ムコダインどんな場合に使用される?

ムコダインには粘膜細胞を修復する作用があるため炎症を抑えて粘液を出す量や痰の粘り気を健康状態に近づけていくので大量に痰がでる場合に有効です。

また、粘膜細胞を正常化する作用から副鼻腔炎や中耳炎など粘液を伴う炎症にも効果的であり、痰以外の症状にも使われます。そして粘膜細胞を修復する作用から使用が長期的になることもあります。粘液細胞を健康時の状態に近づけて症状を抑えるイメージの薬剤と言えるでしょう。

 

1-5. ビソルボンとムコダインの違い・使い分けまとめ

使い分けとしては痰が大量に出て困っているという方にはムコダインを使用することが多いです。痰の量はそんなに多くないけどベトベトするような痰が喉に引っかかって、胸に詰まるような感じがして困っているとう方にはビソルボンを使用することが多いです。

ムコダインは粘膜を健康状態にして痰の粘り気と量を減らしていく薬でビソルボンはサラサラした粘液を出して痰を薄めると同時に痰の構成成分を分解して痰の粘り気を減らしていく薬になります。

 

2.ビソルボンとムコダインには更にジェネリック医薬品がある

2-1. ジェネリック医薬品とは?

ジェネリック医薬品は製薬会社が開発した医薬品の特許が切れることによって後発メーカーが開発費を掛けずに同成分の薬剤を販売することができるため、先発医薬品に比べて安価に供給できることが最大のメリットと言えます。ムコダインとビソルボンは両方とも特許が切れているためジェネリック医薬品が存在しています。

 

お薬代を安くすませたいと考えているなら薬局によっては在庫していない場合もありますが、薬局にジェネリック医薬品を希望することを伝えることでジェネリック医薬品でお薬を揃えてもらうことができます。

 

3.ビソルボンとムコダイン服用の注意点

ビソルボンはサラサラとした粘液を出して痰の粘り気を低くする特性上、粘り気の高い痰には有効ですが粘り気の少なく、量の多い痰に対してはさらに量が多くなってしまい却って症状が悪化してしまうことがあります。

 

ビソルボンの使用法は錠剤や水剤だけではなくネブライザーという機械を使用して吸入する方法があります。この場合は気道に直接作用するので即効性を期待できるという利点がありますが、ビソルボン吸入液に関してはパラベンという成分が含まれておりアスピリン喘息を悪化させることがあります。

 

一方、ムコダインは粘膜を健康状態に戻して痰の粘り気と量を減らしていくので大量に痰が出るという症状には効果的ですが即効性が期待できないので、痰の切れが悪くて呼吸が苦しい状態ですぐに対応しなければならい時には力不足と言えます。

4.その他の痰切りの薬

ムコソルバン

ビソルボンの活性代謝物がムコソルバンになります。そのためサラサラした粘液を出して粘り気を低くして体外に出させやすくするなどビソルボンと似た作用を持っていますが、痰の糖タンパク質を溶かす作用を持っていませんので気道に絡みつくような粘性の高い痰にはビソルボンが有効と言えます。

 

ムコソルボンの特徴として徐放製剤が存在することです。徐放製剤とは徐々に薬剤が体内に吸収されるように設計されている製剤のことで、本来であれば1日複数回服用しなければならない薬剤を1日1回で済むようなりますので飲み忘れを減らすことができます。

 

ムコフィリン

気道粘液溶解薬に分類される薬剤で痰の粘り気を高める要因となっている化学結合を分解することで粘りつくような痰に効果を発揮します。そのため粘性の低い、量の多い痰には効果が薄いと言えますが痰に直接作用する特性上、急性期の粘り気の高い痰には効果を発揮します。

 

5.痰切りの薬は市販で購入できる?

病院に行くほどではないけど痰が絡んで気になってしまうという方には、薬局やドラッグストアでOTC医薬品を買うことも選択肢に入ります。

 

浅田飴から去痰CB錠という商品が発売されています。この商品はムコダインとビソルボンと同じ成分のものが配合されていて、痰切れに対して医療用医薬品と有効成分が同じであるため同等の効果を期待できます。ドラッグストアの薬剤師に症状を相談して購入してみるのがいいでしょう。

ただし、ドラッグストアで買った医薬品を服用しても症状が改善しない場合は医師に診察してもらいましょう。

 

6.おわりに

ビソルボンとムコダインは去痰薬としてよく病院で処方される薬剤です。両薬剤は一見して去痰薬という分類上似ていますが細かい作用の違いがあります。

 

ムコダインは痰の粘性を下げるだけではなく気道の細胞と粘液を健康状態に戻して炎症を抑える効果があります。一方、ビソルボンは気道粘液分泌を促進した上で痰の糖タンパクを溶かすので粘り気の高い痰に効果的です。そのため、両薬剤の特徴を活かすために併用して処方されることもあります。効果が似ている薬ですが効く仕組みが異なるため一緒に使っても以前同じ薬で副作用を起こしたことがあるとかがなければ問題はないです。

 

似たような効果を持つ薬剤が多いですが、このように細かい違いを理解して使い分けることで治療効果を高めることができますので、ドラッグストアで医薬品を自分で探す場合には薬剤の特性を理解しておくと自分にあった薬品を見つけやすくなります。

 

しかし、症状が改善しない場合は喘息など去痰だけでは症状を改善することができない疾患の可能性もあるので耳鼻咽喉科など専門の医療機関に相談することが必要です。