1.ドライアイの原因・症状
ドライアイとは単純に「眼の乾燥」です。何か大したことがないような感じがしますね。
ところがどっこい、結構、辛く生活の支障をきたす厄介な症状を呈します。
1-1. ドライアイの原因
眼の乾燥とは「涙液量の減少」です。涙は悲しい、嬉しい時にでるだけでなく、流れ落ちない程度に眼球の表面に存在しています。ドライアイは眼球の表面にある涙液が減少することでおきます。涙液は単なる水分ではありません。
涙液は油層・水層・ムチン層という3層構造になっています。
この3つの層の中で一番多いのが水層(98%)です。とはいえ、油層やムチン層もドライアイ防止に重要な層です。
では、どんな場合に涙液は減少するのでしょうか?
体質的に涙液の量が少ない人や涙液や唾液の分泌量が減るシェーグレン症候群がありますが、大体がスマホやパソコンなどが原因です。
その他にコンタクトレンズの使用、エアコンによる空気の乾燥などもドライアイに関係してきます。
1-2. ドライアイの症状
涙液は外部からの雑菌侵入を防いだり、角膜の保護、栄養補給に欠かせない成分です。そのため、涙液が減少すると、不快な症状が出てきます。
・眼がショボショボ、ゴロゴロする
・眩しい
・見えにくくなった感じがする
・涙液減少によって自浄力が低下し、目やにが増える
・ちょっとした刺激で反射的に涙が出る
その他、浴室など加湿環境に身を置くと、瞬時に眼の調子が良くなる人は、ドライアイの兆候があるかもしれません。
1-3. ドライアイとパソコン(VDT作業)
パソコン、スマホ、テレビゲームとドライアイは密接な関係があります。どれも画面を凝視するため、いつもより瞬きの回数がかなり減っています。
実は涙液は瞬きのたびに分泌され、眼の表面を常に覆っています。そのため、瞬きが減る行為やVDT作業はドライアイを発症、進行させることになります。
VDTとは「Visual Display Terminals」の略語です。ディスプレイのついた機器で作業することをVDT作業と言われています。
そして、VDT作業を長時間することで症状が出現する病気をVDT症候群と言います。ドライアイは、まさにVDT症候群の数ある症状の一つです。
近年、VDT作業を必要とする職種や仕事が増え、VDT症候群は社会問題になっています。その深刻さは厚生労働省が「VDT作業における労働衛生管理のためのガイドライン」を出していることからもよくわかります。
2.ドライアイの市販目薬
今、ドラッグストアに行くと、ドライアイのためのケア製品や目薬がたくさん並んでいます。
私たちが手軽に買えるドライアイの目薬は主にどんな症状を改善してくれるのでしょうか?
2-1. ドライアイに市販目薬がどのように効く?
最近の市販ドライアイ目薬は、ドライアイ改善に効果的で高品質な成分が選択されて入っています。
たとえば、コンドロイチン硫酸エステルナトリウムなど、病院でも処方される角膜保護用剤が含まれています。
また、角膜保護、保湿の効果があるビタミンAが含まれた目薬も販売されています。
目薬の粘度にも配慮したものがあります。粘りを出すことで薬液が眼の表面に長くとどまることができ、眼の乾燥を防ごうとします。
その他、涙液が減少を補う人口涙液も含まれています。
ほとんどの市販用のドライアイ目薬は眼の充血や、目の疲れなどに使用される血管収縮剤が入っていないので、安全面から考えても使いやすい目薬です。
通常の目の疲れなのか、ドライアイから目の疲れなのか判断が難しい場合、まずはドライアイ用の目薬を試してみられることをおすすめします。
2-2. ドラッグストアなどにある市販目薬の選び方と商品紹介
ドラッグストアにはたくさんのドライアイ用目薬があります。特にコンタクトレンズ対応のドライアイ用目薬は、色々なバージョンが揃っています。
特にコンタクトレンズ装用の人は、必ず専用の目薬を選ぶ必要があります、一般の目薬には防腐剤として塩化ベンザルコニウム(逆性石けん)が含まれていることがよくあります。
裸眼には影響のない濃度であるため、表示通り使用すればいいのですが、コンタクトレンズはこの防腐剤を吸着しやすい性質をもっています。
コンタクトレンズ用目薬は塩化ベンザルコニウムが含まれていないのでコンタクトレンズ装用の人は必ず、専用の目薬を使いましょう。
その一方で、防腐剤が含まれていないということは保存期間が短いということですから、購入時はまず、使用期限の確認をしましょう。
その他、ドライアイ用目薬でも人口涙液だけでなく、ビタミンや眼に良い成分が含まれているものもあります。それでも、眼の乾燥が解消されただけでも眼の疲れが解消されたり、見え方が良くなることも多いので、まずは人口涙液の目薬を使われてみてはいかかですか?
では、ドラッグストアで買える代表的なドライアイ用目薬をいくつかご紹介します
■ソフトサンテイア(5ml×4)参天製薬
人口涙液のみで眼科でドライアイと診断がつくと、よく処方される目薬です。容器が眼科医でもらう目薬と同じ形です。
コンタクトレンズ装用中でも気軽に使えます。
■アイリスCL-Iネオ 大正製薬
人口涙液タイプでコンタクトレンズ装用中でも使えます。その上、一回ごとの使いきりタイプなので、衛生的であり、保存性も高まります。
■ロートドライエイド ロート製薬
薬液に工夫がしてあります。従来の目薬より粘性の強い液体になっています。より乾燥を防ぎ、高い保湿性を保つことができます。
医師が処方する目薬にも、このような種類のものがあります。
■ロートリセコンタクト ロート製薬
ドライアイ改善はもちろんのこと、コンタクトレンズの装用を簡単にしてくれる目薬です。コンタクトレンズを使い始めでまだ慣れない人におすすめです。
上記の目薬は、コンタクトレンズを使わないドライアイの人にももちろんOkです。
2-3. 市販目薬の副作用と使用に関する注意点
市販のドライアイに適応した目薬は、一般用目薬と比べても副作用が少なく使いやすいのですが、コンタクトレンズを装用している場合は、通常以上に目薬の選択に拘ってほしいものです。
何故なら、先述しましたように塩化ベンザルコニウムのような防腐剤を使用していない目薬を選ぶ必要があるためです。
コンタクトレンズをしない人は、自分の症状を優先して目薬を自由に選択することができます。
とはいえ、説明書に記載されている注意事項を読んでから使用しましょう。
3.医師が処方するドライアイの目薬はどんな目薬?
以前のドライアイ治療薬は少なくなった涙液の補充や傷ついた角膜の保護に重点をおいた目薬が主流でした。
しかし、最近、医師が処方する目薬は新しくなりました。もちろん、従来の目薬も処方しますが、涙液の層に直接、働きかけて改善しようとする目薬が選択されることが多くなってきました。
例えば、ジクアス3%点眼液とムコスタ点眼液UD2%という目薬です。
涙液は油層・水層・ムチン層からなっています。ジクアスは水分とムチンの分泌を促し、ムコスタ点眼液UD2%はムチンの分泌を促します。
どちらも従来の治療では改善されなかった重度のドライアイの改善、ドライアイによる視力低下回復に有効とされています。
ただ、使用感に個人差があるため、医師と相談して決めることが多いようです。
この二つの薬は、市販されてないためドラッグストアにはありません。
市販の目薬で改善されなければ、早めに病院を受診しましょう、
4.こんなときは早めに眼科へ
ドライアイは他の眼の病気でも見られる症状が多くあります。そこで市販の目薬などでは簡単に治らない、ドライアイとよく似た症状の病気をご紹介します。
■シェーグレン症候群
膠原病の一つです。目だけでなく口なども乾燥が強くなります。リウマチ関連の病気を併発しやすく、専門医の診察が必要となります。
ドライアイだけでなく、口渇が見られるようであれば、受診して精密検査受けましょう。
■薬の副作用
病院や市販の薬の中にはドライアイを思わせるような症状を呈するものがたくさんあります。
毎日飲んでいた薬を止めたら眼の乾きが消えたということがよくあります。病院の薬は自己判断で止めるのは危険ですから、目の乾きが薬のせいかもしれないと感じたら主治医に相談して、原因を究明してもらいましょう。
■白内障
角膜が白濁する病気です。日常でもよく見られる病気ですが、白内障の有無は受診して検査しなければわかりません。そのため、ドライアイの症状にもある眩しさ、視力低下などが見られ40歳以降であれば、定期的に検査をしましょう。
■緑内障
視野が欠けていく病気です。片方の視野が欠け始めた頃は良い方の眼で補うため、視野の欠損がわかりにくいという早期発見の難しさがあります。
近年の緑内障の薬は進行を食い止める力が強くなっているのですが、すでに欠けた視野を回復させることはできません。そのため、ドライアイの目薬を使い始めたことをきっかけに定期的に検査をされることをおすすめします。
その他、視力低下、放置すれば失明もある加齢黄斑変性という眼の病気があり、罹患する人が急増しています。
男性に多く、目薬ばかりに頼らず、改善されない目の症状があれば、早めに受診してください。
5.まとめ
眼はとても繊細な臓器です。ほんの少しの水分の有無に左右されます。また、眼の異常は確実にQOLを低下させます。
パソコンやスマホの登場は私たちの生活を便利に、豊かにしてくれました。その一方で眼などに強い負担をかけていることになるわけです。ましてや、コンタクトレンズ装用の人の場合、眼への負担は相当なものです。
これからも進化していく文明を受け入れながらも、眼をはじめとする体の機能もついていけるように十分なケアすることがとても重要ですね。
