喘息の治療薬β2受容体刺激薬とは?
運動しているときに、体が空気を多く取り入れようと呼吸が荒くなりますよね?その際に、空気の通りをよくするために働いている神経が交感神経になります。 特に交感神経の中でも、気管支を拡げて空気の取り込みを良くするように働くのが、気管支に存在しているβ2受容体です。β2受容体刺激薬は、気管支に存在しているβ2受容体をお薬で刺激することで、気管支を拡げて空気を通りやすくし、呼吸をしやすく手助けする 働きがあります。 β2刺激薬は使われる場面に応じて、主に2種類あります。1つ目は、喘息発作時です。ヒューヒュー、ぜいぜいと息がしんどいときに、頓服として発作を鎮めるために用いる短時間作用型のβ2刺激薬(メプチンなど)です。2つ目は、長期管理を目的とした使用です。吸入ステロイド薬と合わせて用いられる長時間作用型のβ2刺激薬(アドエアなど)です。前者は発作時のみの使用でかまいませんが、後者は毎日吸入する必要があります。
喘息の治療薬β2受容体刺激薬にはどんな種類がある?
()内は、β2受容体刺激薬の成分名であり、市販薬のものにはその他の成分が含まれているものもあります。アドエア、シムビコートなどは吸入ステロイド薬と合わせて用いられることで長期コントロールに有効とされています。
■医療用医薬品の代表例■
発作時に用いられる短時間作用型
・サルタノール(サルブタモール硫酸塩)
・メプチン(プロカテロール塩酸塩水和物)
長時間作用型(単独で喘息に用いられることはほとんどない)
・セレベント(サルメテロールキシナホ酸塩)
・ホクナリンテープ(ツロブテロール)
吸入ステロイド薬との合剤
・アドエア(サルメテロールキシナホ酸塩)
・シムビコート(ホルモテロールフマル酸塩水和物)
・フルティフォーム(ホルモテロールフマル酸塩水和物)
・レルベア(ビランテロールトリフェニル酢酸塩)
■市販薬の代表例■
・アストフィリンS(dl-メチルエフェドリン塩酸塩)
・フスコンZ液(dl-メチルエフェドリン塩酸塩)
・フストールシロップA(塩酸トリメトキノール)
・アスクロン(メトキシフェナミン塩酸塩)
・強力アスメトン(メトキシフェナミン塩酸塩)
喘息の治療薬β2受容体刺激薬の副作用
β2刺激薬は、吸入薬でも 稀に副作用がでる可能性があります。個人差があり、又、お薬によっても副作用に差がありますが、下記がβ2受容体刺激薬の代表的な副作用になります。
ここで挙げているものは一例ですので、いつもと違うような気になる症状が出た場合は、医師や薬剤師に早めに相談するようにしましょう。
・手指の震え、しびれ、頭痛等
・動悸、頻脈、血圧上昇等
・吐き気、胃部不快感等
・過敏症(発疹、かゆみ等)等
おわりに
喘息では、気管支の炎症により、気道が狭くなっており、咳の発作や息苦しいなどの症状があります。喘息の治療薬である、β2受容体刺激薬はそういった症状に効果的で、よく処方される代表的なお薬です。 咳でお悩みの方は多いと思います。喘息が隠れている可能性もありますので、 早めに医療機関を受診し、適切な治療をはじめましょう。