1.喉の痛みの原因

喉の痛みは、喉に炎症が起こることで生じます。炎症を起こす原因には、細菌やウイルスの感染、アルコールの過剰摂取、過度の喫煙、大声による喉の酷使など多岐に渡ります。細菌などの外敵が喉を攻撃すると体を守るための防御反応が起こり、この防御反応の過程で炎症が起こります。

 

免疫機能を担う細胞からヒスタミン、プロスタグランジン、ブラジキニンなどの生理活性物質が分泌されることで知覚神経が刺激され、喉に辛い痛みを感じます。喉の痛みは安静にして適切な栄養や休養を取ることで、通常は自然に治まります。しかし、痛みがひどく、食事をしたり唾を飲み込んだりするのも辛いという方や、痛くて夜も眠れないという方は、ソランタールなどの痛み止めを服用することで痛みを和らげることができます。

 

2.ソランタールの特徴

ソランタールは非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDS)と呼ばれる分類に属する痛み止めです。NSAIDSにはロキソニン、ボルタレンなど多くの種類があり、ソランタールは、これらの仲間になります。NSAIDSは、手術、抜歯、外傷などの鎮痛・消炎、関節炎、腰痛症、風邪による咽頭痛など、様々な痛みや炎症に対して用いられます。ソランタールは後で説明するように、他のNSAIDSと比べて作用は弱めですが、副作用を起こすリスクも低いというメリットがあります。

3.痛み止めの中でのソランタールの位置づけ

ソランタールは痛み止めの中でも塩基性NSAIDSと呼ばれる分類に属する薬です。NSAIDSはそのほとんどが酸性に属するため、塩基性のNSAIDSはソランタールなどごくわずかしかありません。

 

塩基性NSAIDSは酸性NSAIDSに比べて作用は弱めですが、その分、副作用のリスクも少ないとされています。NSAIDSによる胃腸障害や腎障害などの副作用は、体内にあるCOXと呼ばれる酵素の働きが阻害されることにより引き起こされますが、塩基性NSAIDSのソランタールにはCOXを阻害する作用がないために副作用が起こりにくいとされています。

 

このため、ソランタールは他のNSAIDSで消化器系の副作用を起こしやすい方や生理機能の低下した高齢者などでも比較的安全に用いることができます。

3.ソランタール服用時の注意点

3-1. ソランタールの服用に注意が必要な人

以下に該当する人はソランタールを服用する前に医師にご自身の状況を伝えて判断を仰ぐようにしましょう。

 

【ソランタールが服用できない人】
・消化性潰瘍のある人
・重篤な血液異常のある人
・重篤な肝障害のある人
・重篤な腎障害のある人
・ソランタールの成分(チアラミド)に対して過敏症を起こしたことのある人
・アスピリン喘息を起こしたことのある人

 

【ソランタールを慎重に服用すべき人】
・痙攣発作を起こしたことのある人
・消化性潰瘍になったことのある人
・血液の異常のある人またはあった人
・肝障害のある人またはあった人
・腎障害のある人またはあった人
・過敏症を起こしたことのある人
・気管支喘息のある人
・高齢の人

 


アスピリン喘息とは?


アスピリン喘息とはアスピリンを初めとする非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDS)の服用によって引き起こされる喘息発作のことです。アスピリン喘息はロキソプロフェンやイブプロフェンなどの服用により生じることもあり、ソランタールも例外ではありません。アスピリン喘息の症状としては、NSAIDSの服用後1~2時間以内に、鼻づまりや鼻水などが現れ、その後ヒューヒューゼイゼイという喘鳴や咳、呼吸困難などの喘息発作を生じます。ソランタールは塩基性のNSAIDSのためアスピリン喘息を起こしにくいとされていますが、服用後に万一このような症状が出た場合は直ちに服用を中止して医療機関を受診するようにしてください。また、過去に他の薬でアスピリン喘息を起こした経験がある方はソランタールの服用はできないとされているので、必ず医師に相談するようにしましょう。

 

3-2. ソランタールの副作用

ソランタールの主な副作用は食欲不振、胸やけ、悪心などの消化器症状や、発疹、頭痛、むくみなどです。また、稀に生じる重大な副作用として、ショックやアナフィラキシー様症状が報告されています。

 

服用後に呼吸困難、蕁麻疹、唇の腫れなどの異常が現れた場合は直ちに服用を中止して医療機関を受診するようにしましょう。ソランタールはNSAIDSの中では副作用のリスクが比較的低いとされていますが、注意を怠らないようにしてください。

 

3-3. ソランタールの飲み合わせについて

ソランタールの添付文書(製薬会社が作成した薬の説明書)には「他の消炎鎮痛剤との併用は避けることが望ましい」と記されています。このため、他にも痛み止めを服用されている方はソランタールを服用する前に医師や薬剤師に相談するようにしましょう。

 

また、市販の風邪薬には消炎鎮痛剤が配合されていることが多いので、購入する前に薬剤師や登録販売者などの専門家に相談することをお勧めします。

3-4. 妊娠中の服用について

ソランタールの添付文書には「妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること」と記されています。このことからも、妊娠中には安易にソランタールを使用するべきではないと言えるでしょう。

 

特に、ソランタールなどの非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDS)を出産予定日12週以内に服用すると胎児の動脈管(胎児が母体から酸素をもらうための血管)を収縮させる可能性があると言われているため、この期間の服用は避けるようにしましょう。妊娠中の痛み止めには、アセトアミノフェンと呼ばれる成分が用いられることが一般的ですので、妊娠が判明した場合は医師や薬剤師に相談すると良いでしょう。

 

3-5. 授乳中の服用について

ソランタールの添付文書には「授乳中の婦人への投与は避けることが望ましいが、やむを得ず投与する場合は授乳を避けさせること(母乳中へ移行することが報告されている)」と記されています。

 

実際は、お母さんが服用したソランタールの成分が母乳中に移行する量はごくわずかであり、問題にならないという意見もありますが、気になる方は服用と授乳の時間をずらすことをお勧めします。ソランタールの添付文書には、「授乳婦にチアラミド(ソランタール)200mgを経口投与したときの乳汁中濃度は、投与1時間後に最高値(0.64μg/mL)を示し、以後速やかに消失した」と記されているため、服用後に授乳をする場合は3~4時間空けると良いでしょう。

3-6. その他服用上の注意点

ソランタールは比較的安全性の高い痛み止めですが、小児や高齢者の方が服用する場合は十分な注意が必要となります。医師の指示をきちんと守って適切な服用を心がけましょう。

 

また、ソランタールなどの痛み止めは、対症療法薬(痛みを一時的に抑え込むための薬)であり、通常は長期間に渡って服用する薬ではありません。痛みを治すには、痛みの原因そのものを取り除く治療をする必要があることにも注意しましょう。

 

4. まとめ

ソランタールは喉の痛みを初めとした各種の痛みに使用できる痛み止めです。作用は他の痛み止めと比べて穏やかですが、身体的な負担も比較的軽いため、汎用性の高い薬と言えます。ただし、どんな薬でも副作用を生じるリスクはあり、こうしたリスクは軽視するべきではありません。服用する際は医師や薬剤師の指示をきちんと守り、異常に気付いた場合は直ちに相談するようにしてください。